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教師
先生の 掛け声と 笛の 音が 鳴ると 同時に 、生徒 たち が 一斉に 走り 出した 。昼過ぎ の 校庭 、長距離走 。風は ちょっと 強め 。日差し は じりじり 。グラウンド の 土が 少し 舞い上がる 。
東堂は 序盤 から 飛ばし すぎて 、やたら テンション が 高い 。
東堂尽八
新開隼人
と 、新開が 荒北に 耳打ち する 。
荒北靖友
ふたりは ペースを 揃えて 、東堂から じわじわ と 離れて いった 。 すぐに 自分の 世界に 入った 東堂は 、あっという間に ひとり だけ 遠くへ 。
荒北靖友
新開隼人
荒北靖友
新開隼人
新開隼人
荒北靖友
新開隼人
新開隼人
荒北靖友
新開の 横顔は 、走り ながらも どこか 余裕 で 、でも 言葉の 端に 少しだけ 、本音が 混じって いるように 聞こえた 。
荒北は 視線を 前に 向けながら 、ふっと 小さく 鼻で 笑う 。
荒北靖友
新開隼人
荒北靖友
新開隼人
そう 言って 、新開が 荒北の 足元に 視線を 落とす 。 走る リズム 。踏み込み の 強さ 。腕の 振り方 。すべて が 、妙に 自然に 、隣と 合って いた 。
新開隼人
新開隼人
荒北靖友
新開隼人
荒北は 答えな かった 。 でも 、新開と 並んで 走る その 歩幅は 、乱れず 、ぴったりと 揃って いた 。
走り 終えて 、汗だくの まま 男子 更衣室へ 向かう 途中 ――
荒北靖友
新開隼人
新開は タオルで 首を 拭き ながら 、あくび 混じりに 笑う 。
荒北靖友
荒北も シャツを 引っ張って 風を 通し ながら 、いつも 通りの ぶっきらぼう な 声 。だけど 、どこか さっき よりも 柔らかい 。
ふたりは 校舎裏の 自販機前で 、水を 買って 座り 込んだ 。ほかの 生徒は 着替え やら 戻り 支度で わちゃわちゃ してる 中 、ここだけが 少し 静か だった 。
新開隼人
荒北靖友
新開隼人
荒北靖友
その 言葉に 、新開は 少しだけ 目を 丸くして 、それから ふわっと 笑った 。
新開隼人
荒北は 、水の ボトルを 口に 運び ながら 、小さく 息を 吐いた 。
荒北靖友
でも その 横顔は 、どこか 照れて いた 。