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放課後の グラウンドは 、熱気の 名残 だけを 残して 静か だった 。 部活に 向かう 生徒 たちの 声を 背に 、新開と 荒北は 並んで 自転車を 引き ながら 坂道へ 向かって いた 。
荒北靖友
荒北が そう 言うと 、新開は 空を 見上げる 。オレンジに 染まりかけた 空が 、校舎の 窓に 反射 していた 。
新開隼人
荒北靖友
荒北靖友
新開隼人
新開隼人
荒北靖友
新開隼人
ふたりは 笑い合い ながら 、サドルに またがる 。 いつもの 下り坂 。カーブの きつい 、でも 気持ちの いい 道 。練習の 一環 という ことに なって いる けれど ――
新開に とっては 、この 時間が 何よりも 特別 だった 。
新開隼人
荒北靖友
ペダルを 踏み込む と 、風が 顔に あたる 。 耳元で 風が 鳴る 。荒北の バイクが 、すぐ 横で 同じ 速度で 滑って いく 。
前に 出たり 、横に 並んだり 。言葉は 交わさない 。でも 、互いに 位置を 感じて いた 。1km 、2km ――
ふと 、新開が 口を 開く 。
新開隼人
荒北靖友
新開隼人
荒北は 少し だけ 目を 細めた 。
荒北靖友
新開隼人
ペダルを 止めて 、新開の バイクが ふっと 減速 する 。 それに 合わせる ように 荒北も スピードを 落とす 。
新開隼人
荒北靖友
新開隼人
新開隼人
荒北靖友
荒北は 何も 言わな かった 。 でも 、それは 怒って いる わけじゃ なかった 。
その目 には 、夕焼けの 色が 映って いた 。 静かに 流れる 風 。カーブの 先で 、視界が 開ける 。
荒北靖友
新開隼人
荒北靖友
荒北靖友
新開隼人
荒北靖友
荒北は 息を 吐き 、前を 見た 。
荒北靖友
新開隼人
再び ペダルを 踏む ふたり 。 言葉は それ以上 なかった 。でも 、それで よかった 。
横に 並ぶ その 存在が 、 何よりも 、自分の “ 気持ち ” を 物語って いた から 。