俺が雨の日に拾ったのは……

十数年前

その日は、よく晴れた青空だったのはよく 覚えてる

この日に君から聞いた言葉で俺が 覚えているのは この一つだけだった

誰……？？

ｶﾞﾊｯ

ﾄﾞｻｯ…

こんなに悲しい気持ちになった日は他に なかったと思う

現在

俺はじゃぱぱ

今は大学生で一人暮らしをしている

つまらない毎日に嫌気が差してきている ところだ

誰だ…？？あの子

こんな雨の中傘もささずに座ってる……

パーカーのフードは被ってるけど……

どこかで聞いたことある名前

えー…？いやそんなはずないよね……

……ゆあんくん、体中汚れてるし痩せてる…

いろいろと暗い過去背負ってそうだな…

トラックがこっち目がけて突っ込んでくる

避けられない

そう思った瞬間

ゆあんくんが俺の前に出てトラックに軽く パンチしたと思えば

ﾊﾞﾁｨｨｨｨｨｨｨｨ!!!

トラックが感電して目の前で横転した

ん？ん？？

どういうことだ？？？

心配そうに俺を見つめてくる

…俺はゆあんくんと初対面のはずなのに

この言葉を、この声で誰かが過去に 話しかけてくれた気がする

なにもしてないかのように きょとんと首をかしげる

いや…絶対君がやったよね

今のは見なかったことにして 人が集まらないうちにその場を離れた

ﾎﾞｳｯ

その子の手が燃える

でもなんともなさそうだった

ガタガタと震えてる

なにがそんなに怖いんだろう

ﾊﾟｻ…

震えて暴れたせいでパーカーのフードが 取れた

そして…その子の頭には

赤い角が生えていた