電車が何本か通り過ぎたから、 30分くらい経っただろうか。
ようやくなおくんが落ち着いてくると、 疲れたのかぐったりと俺の方に倒れこんできた。
そのままぎゅっと俺の腕をつかんで、 あ、なおくんから近づくのは大丈夫なんだな、と気づく。
颯斗
震える手をそっと握れば、なおくんと目が合った。
直弥
颯斗
まだ、調子が戻らないのか動こうとしないなおくん。
颯斗
直弥
颯斗
コクンと小さくなおくんが頷く。
颯斗
直弥
颯斗
そう提案すれば、意外にもすんなりと事が進み、すぐにタクシーに乗り込んだ。
怖がってたのは電車?
よくよく考えてみれば、登下校も映画も全部断られて、なおくんと一緒に電車に乗ったのはいつ以来だろう。
ぼーっと考え込んでいると、 いつの間にか家に着いていた。
コメント
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最高です! 続きっていつ出るとかわかりますか?