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全てが終わった。

もう心臓は動いていない。

自分は死んだのだとようやく気づいた。

しかし、何度瞬きをしてもこの夜の世界から暗闇から解放されない。

何度季節を巡ったのかもわからない。どのくらい時が過ぎたのかもわからない。

はっきり覚えているのは

真昼に咲くひまわりのような君。

鈴のような声が聞こえてくる。

嗚呼、どうか許してくれ。

君を<月>の代わりにしていることを。

レイ

ららりるら~....

レイ

らららりるら~....

この夜から抜け出すことができないから

<星>の代わりに君を歌わせてしまっている。

嗚呼、どうか許してくれ。

明けない夜はないという、君。

嗚呼、どうか許してくれ。

情けないことに、夜から抜け出すことができないみたいだ。

レイ

貴方を、忘れないよ.....

俺の頭を優しく撫でながら

そう君はいう。

レイ....

君が好きだよ...

レイ....

君はどう?....

レイ

私も....

レイ

貴方が好きよ....

まだ、夜は明けない。

壊れていたのは共に生きた世界だろうか?

それとも、間違ってできた世界なのだろうか?

もうお互いに生を終えた身なのに。

また、二人で一緒に道を歩みたいだなんて、高望みだろうか。

ずっと目を閉じたままの彼。

もう時は戻らないけど、

彼にはもっと長く生きてて欲しかった。

例え、神様に造られた偽りの世界でも。

貴方の夜が明けるまで

私は貴方の<月>でも<星>にでもなろう。

??

ららりるら~....

??

らららりるら~....

声が枯れるまで歌おう。

知ってるよ。

貴方はまだ夜から抜け出せないことは。

それでも明けない夜はないよ。

??

貴方を、忘れないよ。

死んでしまっても忘れなかったよ。

貴方は私を好きだと言ってくれた。

今さらだと言われてしまうだろう。

??

私も...

??

貴方が好きよ....

私は彼の頭を優しく撫でる。

早く起きないと、綺麗な空の青さを忘れてしまうよ。

もう少しで夜が明ける。

ニコ

ここは、....

??

......おはよう。

ニコ

お前は....誰だ...

??

.......

ニコ

な、なぁ....レイって人を知らないか?

ニコ

真昼に咲くひまわりみたいで、鈴のような綺麗な声を....していて....

ニコ

....俺の側にいるって、

ニコ

言ってくれたのに...

ニコ

全く....どこに行ったんだ。

??

.......

何故だろう。彼女を見るととても胸が苦しくなる。

ニコ

だか、いいんだ...

ニコ

俺はもう、死んでしまったし...

レイ

......(ぎゅ)

ニコ

ん?お前はここにいてくれるのか...

ニコ

優しいな...

ニコ

にしても、ここは暗いな.....

??

........

ニコ

あ、れ.....

何で泣いているんだ。何故?何故?

ニコ

.....ららりるら...

ニコ

らららりるら....

??

....らららりるら~

ニコ

ららりるら~....

誰かが歌っていたような歌。

でも、誰が歌っていたっけ?

ニコ

ああ...見てみろ。

ニコ

空が明るく、なってきたな。

ニコ

.....明けない夜はないって

ニコ

本当だったんだな.....

??

........

ニコ

少し歩こう.....

光が指す方へ手を引いて歩き出す。

ニコ

綺麗だ....

ニコ

空ってこんなに綺麗だったんだな...

ニコ

....おはようだな。

??

.....

ニコ

そう言えば、お前の名前は?....

??

......レイ

ニコ

.....な、に?

??

レイ.....

ニコ

そうか....綺麗な名前だ。

ニコ

なぁ、レイ....

レイ

.....何?

ニコ

えっと....えぇと....

涙が溢れた。

綺麗な空の青さを忘れてしまうなんて

俺は、何て馬鹿なんだ。

彼女の手を強く握り返す。

ニコ

え、...と....

レイ

私は.....

レイ

貴方が、好きよ....

彼らの夜が明けた。

短編集!皆DEもっと光クラブ★

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