刈乃愛 煉
え…?
私は…竜が言った言葉を理解するのに時間がかかった
刈乃愛 煉
竜…?今…なんて……?
野ヶ咲 竜
俺に血を寄越せ
野ヶ咲 竜
そう言った
聞き間違いで合って欲しい…
そう思ってもう一度聞き直したけれど…
帰って来る返答は変わらない…
刈乃愛 煉
……本気で…言っているの……?
刈乃愛 煉
だって…私が貴方に血を与えれば…貴方は……
血ノ傀族の力を発動してしまう
野ヶ咲 竜
あいつを倒すには…もう…俺を犠牲にしなければならない
刈乃愛 煉
犠牲になんて…しなくていい……
刈乃愛 煉
血ノ傀族の力を使わずに倒せる方法を探そうよ…っ!
刈乃愛 煉
……私は…竜が苦しむ所なんて…っ…
野ヶ咲 竜
苦しみはしない
野ヶ咲 竜
大丈夫だ
刈乃愛 煉
……でも…っ…!
野ヶ咲 竜
煉
野ヶ咲 竜
俺は、みんなを守りたい
野ヶ咲 竜
城覇様は勿論
野ヶ咲 竜
特隊のみんなも全員守りたい
野ヶ咲 竜
だから…お前の力が必要なんだ
野ヶ咲 竜
お前の血が…必要なんだ
そう言って、竜は私の肩を掴む
野ヶ咲 竜
頼む、煉
野ヶ咲 竜
血をくれ
野ヶ咲 竜
少量でも、力を発揮する事は可能だ
野ヶ咲 竜
だから…
竜の必死に訴える目は…
嘘を付いている様には見えなかった
きっと本音なんだ
それは…そうか…
と、1人頭の中でそんな事を考えていた
もしも、竜が血ノ傀族の力を発揮し
颯攦を倒す事が出来れば
きっと…
その賭けに私は乗った
刈乃愛 煉
竜
刈乃愛 煉
好きなだけ…血を含んで
刈乃愛 煉
そして…
刈乃愛 煉
颯攦を倒して…絢奈に研究して貰おう……
野ヶ咲 竜
……っ…
野ヶ咲 竜
ありがとう…煉…
そうお礼を言った後に
竜は私の肩を出した
そして首に思いっ切り噛み付いた
刈乃愛 煉
……うっ…!
竜に血を飲まれるのは2回目だけど
やっぱり…痛い…
私が怪物では無く人間だったら死んでいるらしい
怪物で良かった
急にそんな事を思い始めた
めまいがし、倒れ掛けた私を竜はそっと支え
端の方へと寄せてくれた
頭がぼーっとする中
私は竜の顔を見た
そして私は心に思った
「嗚呼…これが…
血ノ傀一族の…本来の姿…なんだ…」と
全てが変わった竜を見て
私はそう思った
本来の姿になれば
力も能力も火力を増す
これから…始まるんだ
呪われた一族の生き残り
血ノ傀族の兄弟達の戦いが…