嫌いから……

なぜ俺がこんな顔をしているのかと言うと

紫さんに赤くんを探して来てと言われた

紫さんはやはり仮とは言えど担任と同じ立場になっているから忙しい

※担任になったら1年間やりきらなければならない

だが長期に渡る休暇、もしくは有給を貰い校長等と話し他の先生に担任の仕事を任せる事はできる(地域によっては異なるかもしれません)

そういえば紫さんどっかで見た事あるんだよなぁ…

どこやったっけなぁ…

まぁ考えてもわからんし彼を探すのを優先しよう

全校舎を回ったが彼の影1つも見つける事ができなかった

俺は階段に座り込む

俺が座り込んでいた階段の横からぴょこっと現れたのは彼だった

彼は俺を怒った顔で見つめてきて

彼はずいずいと俺の方に寄ってくる

人差し指でおでこをグリグリと押してくる

彼は少し距離を取り同じ段数の階段に座った

彼は口に手をあて夫人の様な真似をして俺を引く

彼の服装は乱れていて…

彼が俺の顔を見るために姿勢を低くする

俺は彼を突き飛ばしてしまった

俺は彼の傍に行き手を出した

彼は俺の手を掴み

押し倒した

彼が俺に馬乗りになる

俺の体重と彼の体重がプラスされ地面に叩きつけられる

頭は死守したが腰を強く打った胸も苦しい

彼は俺の上であぐらをかき始めた

聞くのは俺だが喋っている量は明らかに彼の方が多いい気が…

思い出すのが容易い程にあの記憶を鮮明に覚えている

苦しくそれに抗っている表情

強く抓る彼の小さくか弱い手

確かあの時ぶつかってきた少年の名が黄と書いていたはず…

いきなり声を張ってどうしたんだ…

彼は多少過保護なのだろう

いや夜中に中学生が出歩いてたらそりゃあこんな反応になるか

それなら…？

なんだそれならって

俺は一人っ子だ

なんだよそれならって

俺はなにを言おうと…

これじゃあまるで…

まるで…