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教室に入った瞬間、絶望する。 教室の一番後ろの窓側で明らかな陽キャが騒いでいたから。 ぼくの苦手な人種。
大森
これからの学園生活を悲観しつつ、名前順にあてがわれた席に座る。 そして、左後ろから聞こえる雑音を消す為、耳にイヤホンを入れ、外の音をシャットダウンした。
ガラガラガラ…
クラスメイトが全員揃った頃、前の扉から先生が入ったきた。 ぼくは耳からイヤホンを外し、先生のテンプレのような説明を聞き流す。 授業は明日から。 今日はそれぞれ自己紹介をして解散だそう。
担任
『大森』だからこういう時大体序盤なのがすごく嫌だ。 ただでさえ、大勢の人の前で話すが苦手なのに、教室の空気感も分からないうちの自己紹介だなんて地獄でしかない。 ただ、どんなに嫌がっても順番はすぐ来るもので、前席の人の自己紹介が終わり、皆んなの拍手が終わると、ぼくはサッと席を立った。 嫌な事は早く終わらせるに限る。
大森
必要最低限の当たり障りのない自己紹介を早口で終わらした。 パチパチとやる気のない拍手にため息をつく。
それから一人、また一人と自己紹介をしていき、一番最後に席を立ったのがさっき騒いでた陽キャだった。
若井
ぼくの時とは違う熱量の拍手…特に女子。 やっぱり関わる事はない人種だと改めて再確認する。
担任
先生の解散の合図に、次々に教室から出て行くクラスメイト。 この学園が寮完備だと言っても、殆どの生徒が自宅から通っている為、先生のところに寄ってから出て行く人は全然居なかった。
ぼくはまたイヤホンを耳に入れると、先生から鍵を受け取り、そそくさと教室を出た。
先生が何か言ってたような気がしたけど、まぁ、いっか。