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あ!いいね444にしたかったのに! くっそぉぉぉぉぉぉ( ‘д‘⊂彡☆))Д´) パーン
いつもの様に娘と公園に出掛け 主婦仲間と雑談を終えた私は 帰路へついた。
私達、夫婦間の愛情は 既に冷め切っていた。
それでも私達が 生活を共にしているのは
この子の存在があるからだ。
この子には何の罪も無い。
私達の都合で この子に辛い思いはさせたくない 。
そう思いながら これまで生活をしてきたが
好きでも無くなった相手と 生活を共にするという行為は とてつもなくストレスが溜まる事で
月日が経てば経つ程、 私はこの生活に 耐える事が嫌になった。
『この子に辛い思いはさせたくない』
『こんな生活を終わりにしたい』
そんな2つの思いが交わる事で 疲れ始めていた私はある日からついに
良からぬ行動に出ていた。
『元気が出るお薬』
娘にはそう説明しているが、 これは「じゃがいもの芽」を 粉末状にした物。
じゃがいもの芽には 「ソラニン」·「チャコニン」という 自然毒となる成分が含まれていて
一定量以上を摂取する事で 食中毒を引き起こし、 最悪の場合死にも至る。
私は時々、この毒物を 彼が食べる料理や飲み物に 少量混入させていた。
···とは言え、 じゃがいもの芽が原因で 成人が死亡した事例はほとんど無い。
あくまでもこれは私にとって 一種のストレス発散の手段。
決して大事にするつもりは無い
···はずだった。
ある日の事──
ここ数日 帰りの遅い彼だったが
何があったのか、その日は とても不機嫌そうに帰って来た。
怒りに身を任せ 手に持っていた荷物を放り投げ 彼は風呂へと向かう。
仕方なく片付けようとした際、 投げ捨てられた荷物の中から ある物を見つけた。
こっそりと中を覗くと そこには──
あの人がいなくなっても みさきと2人で暮らしていける
あ の 人 は も う い ら な い
そして私は──
『じゃがいもの芽で人を殺す』 だなんて···
娘の声でハッと我に返り、私は 娘の声のするベランダへと向かった。
娘と二人で楽しんでいる ガーデニング。
娘が指を差す先では コルチカムが花を咲かせていた。
こんな所にあるじゃないか
コルチカムは 耐暑性・耐寒性がとても強く 初心者でも育てやすい植物だが
球根・葉・花には 「コルヒチン」という毒を持つ 危険な有毒植物でもある。
近年でも、 誤ってコルチカムを口にした事による 死亡事例が発生している程だ。
私は疲れ切っていた。
『人を殺した』
その事実は思っていた以上に 私の心を追い詰めた。
目の前にはコルチカムの花を持ち 心配そうにこちらを見つめる 娘の姿があった。
私がしっかりしないと
これからこの子には 私しかいないのだから。
みさきに見られた···?
その時ふと、主婦仲間の ある日の言葉が頭をよぎった。
“まだ小さいからって 油断したらダメよ?”
“子供って思ってる以上に 親の事見てるんだから”
この子が今回の真相に 気付くのはいつになるだろう?
気付いた時には、 こんな私を許してくれるだろうか?
“大変な目に遭うわよ?”
コルチカム【和名:イヌサフラン】
イヌサフラン科・イヌサフラン属
花言葉