コツコツコツ(足音
日下部
......
日下部
(なんで、なんであの人は嗚呼も昔と変わらないんだ)
日下部
(昔からそうだ)
日下部
(無意識に俺を見下しているようなあの目)
日下部
(あの目を見る度に、俺の存在価値が無くなっていくような)
日下部
(そんな感じがするんだ)
日下部
(それに、此処で幹部層じゃない事にも腹が立つ)
日下部
(それ相応の実力を持っているのに、何故部下なんか...しかもIII部に)
日下部
(幹部鶴蝶は、II部とIII部を同じ階層にしているが、他の幹部の階層で見ると中の下の存在)
日下部
(何故己の力を無駄にするような事を...)
カツカツカツ(足音
日下部
!?
三途
あ?
三途
テメェ何処の者だ
九井
見た事ない顔してるな
蘭
新人?
竜胆
新人がこんな所に来るわけないじゃん
竜胆
どうせラットでしょ
九井
おい、何処の奴だ
日下部
(...俺もつくづく運が悪いな)
日下部
(この人数に1人は流石に無理だ)
日下部
(でも...)
日下部
.....
九井
黙ってるって事は、そういう事と捉えるが
武道
あれ、まだそんな所に居たんですね、日下部さん
日下部
!
蘭
あれ?花垣じゃん
竜胆
なに?知り合い?
武道
!
武道
失礼しました(頭を下げる
蘭
いーよ、気にしないで♪
武道
ありがとうございます
九井
それで、此奴とは知り合いなのか?
日下部
(...嗚呼、やっぱり)
武道
.......はい
日下部
(やっぱり俺は、貴方が嫌いだ)
武道
確かに、知り合いである事に間違いはありません
武道
ですが、此奴は別組織の幹部です
三途
は?
三途
おいテメェ...それが事実なら、テメェは今ラットを逃がそうとしてたって事になるが
武道
...失礼ですが、彼を逃がすつもりなどありませんよ
日下部
!
蘭
え?
武道
この先の曲がり角に、幹部様が待機しておられるはずです
九井
お前、鶴蝶を使ったのか?
武道
...そうなりますね
竜胆
ふーん、幹部を使うとか、いい度胸してんじゃん
三途
......
コツコツコツ(足音
鶴蝶
おい、俺の部下を余り追い詰めないでくれ
武道
(頭を下げる
蘭
お、鶴蝶じゃん
竜胆
花垣が言ってる事に間違いは?
鶴蝶
いや、間違いは無い
鶴蝶
そもそも、これは俺が命令した事だからな
九井
へぇ、鶴蝶が自ら道具になるなんて、珍しいもんだな
三途
珍しいもなにも、幹部が部下の道具になんか普通ならねぇんだよ
蘭
あは!w
蘭
なんか面白くなってきたね!
竜胆
兄貴......(呆
九井
それで、お前は?
日下部
.......チラッ(武道の方を見る
竜胆
おi
武道
自分の事なんだから、自分で説明して下さいよ
武道
敵対関係になってまで、貴方の世話をする義理は持ち合わせてませんから
日下部
......敵組織に自分の事を素直に話奴がいるとでも?
武道
......💢
蘭
もしかして、俺らがいること忘れてる?((コソッ
竜胆
さぁ、どうだろ((コソッ
三途
テメェらうるせぇよ、黙ってろ((コソッ
九井
...三途が珍しいこと言ってる((コソッ
三途
おい鶴蝶((コソッ
鶴蝶
嗚呼、分かってる((コソッ
日下部
.......(ニコ
武道
ピクッ.........(ニコ💢
武道
この状況でよくそんな事が言えたものですよ
武道
場所が違えど、どう考えたって尋問なのは分かってますよね?
武道
同じ事何度もしてきたんですから
武道
この状況で抵抗したって、無駄な事も当然分かってるはずですが
武道
それでも言わないおつもりで?(ニコ
日下部
.........
武道
........
蘭
(ふーん、面白くなりそうな予感♡)
武道
..........チッ💢
武道
テメェのそういうとこが一番ムカつくんだよ
武道
時間稼ぎがしてぇんだろうけど、あんな雑魚共が此処まで来れると本気で思ってんのか?
武道
甘く見すぎなんだよ、テメェは昔から
武道
そのくせ仲間は死なせたくねぇとかほざくんだろ
武道
巫山戯るのも大概にしろよ
武道
テメェすら守れねぇ奴が仲間を守る?
武道
んな甘っちょろい考えしてっから幹部まで上がれなかったんだろうが!
武道
こんな単純な理由も分からねぇで、ボスを恨むたァ何様のつもりだ!💢
武道
そんな奴に組織に戻れなんて命令される筋合いなんざ更々ねぇよ!!💢
武道
組織が危機に面してる?
武道
んな事知ったこっちゃねぇ!
武道
あのクソ野郎とテメェの下に付くぐれぇなら、死んだ方が100倍マシだ!💢
日下部
ッ!!
日下部
ボスを悪く言うな!!
カチャ(銃
鶴蝶
!
竜胆
!
蘭
!
九井
!
三途
...
武道
.........
日下部
フーッフーッガタガタ
武道
.....ハァ
武道
ほんっと、昔から変わってねぇな
武道
組織が危険に晒されるのは当たり前な事だろ
武道
自分が反社に勤めてる自覚がほぼ無い雑魚な部下共!
武道
元仲間って理由だけで、トップが馬鹿にされてんのに、トリガーすら引けねぇ馬鹿な上司!
武道
偉っそうに無意味な命令するばかりで、自分ではなにも行動しない無責任なトップ!
武道
その命令に従うアホな奴ら!
武道
そんな組織、今も存在してる事が不思議なくらいだ!!
武道
テメェが彼奴に着いて行ったのは、幹部に出世できるからだろ?
武道
テメェの欲望に逆らえずに、あんなクソトップを選んだテメェの自業自得だ
武道
だったら、最後まで彼奴の駒として働いとけよ雑魚
日下部
ッ.....
日下部
確かに、幹部に出世できるチャンスだと思った!
日下部
自分が望んで着いて行ったから、無茶な任務も、理不尽な事務仕事もこなして来た!
日下部
自分を慕い、どんな事も共に行動した部下達と過ごすのは、とっても楽しいんだ
日下部
だから、俺は皆を守りたい
日下部
でも...どんなに頑張っても、上達するどころか、自分の無力さに気付かされる毎日で
日下部
俺じゃあ、皆を守る事ができない
武道
......
武道
だから俺を頼りに来たって事か
日下部
...はい
武道
ハァ...
武道
お前もつくづく馬鹿だよな
武道
出会って直ぐでも馬鹿って分かるくらいの奴なんかに...
武道
お前だって、そのくらいは分かってただろ
武道
ボスも、何が良くて彼奴を次期ボスに選んだのか分かんねぇ
武道
......やっぱり、血縁だからか
日下部
...そう、だと思います
武道
...まぁ、血縁だろうがなんだろうが、俺が命を捧げたのはボスだ
武道
彼奴に俺の命を捧げるくらいなら、組織潰して死んだ方がマシだ
日下部
...貴方がボスの事を嫌うのは、ボスとしての役目を果たしていないからですか?
武道
...いや、別にそんな事で嫌ったりなんかしない
武道
実際、彼奴より酷いボスに、俺は命を捧げた事がある
日下部
え?
武道
ボスがやるべき仕事を、全部俺がやってた時もある
武道
けど、俺はあの人を嫌いになんかならない
日下部
なら、...何故?
武道
...
武道
それは...
武道
.........
コツコツコツ(足音
マイキー
おい、何してる
武道
!?(跪く
日下部
!?
鶴蝶
!
九井
!
竜胆
!
蘭
!
三途
首領
三途
――((コソッ
マイキー
...そうか
日下部
(首領まで...)
日下部
(ははッ、確定演出かよ...)
日下部
(もう、俺は皆の所には戻れない...)
日下部
(ここで終わる命なら、少しでも梵天の戦力を落とす!)
マイキー
おい、お前―
バァンッ
鶴蝶
......は?