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少女は謎の少年に拳銃を向けられていた
少年
そこを動くなよ
少年は拳銃を構えたまま近づいてくる
少年
お前なんでここにいる
少女
わからない…
少年
わからないだと？
少年
怪しいやつだな、お前人間なのか？
少女
？
お前は人間なのか？
少女には少年の質問の意図がわからなかった
少女
どういうこと？
少女
この星に人間以外の何かが住んでるってこと？？
少年
あ？何言ってんだお前
少年
ひょっとして今の星の状態を知らないのか
少女
え？どういうこと？
少年
そうか…じゃあ今どうなってるのか説明してやる、こっちにこい
少女
う、うん
少女は言われるがまま少年について行った
奥に進んでいくとそこには驚きの光景が広がっていた
少女
す、すごい…
少女をまず驚かせたのはこの街の風景だった
それはかつてのこの星で戦争が起こる前の人が住んでいた街そのものだったからだ
少年
すごいだろ
少年
これだけ綺麗に街が残ってるのは今この星でここくらいなんだぜ？
少女
本当にすごい
少女
あれ？
しかし少女は何かおかしいと感じた
少女
ねぇ
少女
他の人は？
少年
…
さっきまで元気だった少年が急に黙ってしまった
そして数秒の沈黙の後…
少年
いないよ
少女
え？
少年
もうこの星には誰もいやしない
少年
みんな戦争で死んじまった
少年
俺は運良く爆撃されたところとは別のところにいたから助かった…
少女
え、じゃあなんでこの街は無事なの？
少女
この街が爆撃されなかったって事じゃないの？
少年
されたさ、それも無残にな
少女
じゃあなんで…
少年
形状記憶都市って知ってるか？
少女
ううん、初めて聞いた
少年
この街に住んでた人は特に戦争に反対してる人達だったんだ
少年
でも当たり前だがこの街の人が反対したところで戦争が終わるわけない
少年
だからこの街の人たちは考えたんだ
少年
破壊されたら戻せる都市を作ろうって
少女
そ、そんなことできるわけないじゃない
少女
壊れた街を復興するなんて何年かかるかわからないじゃない
少年
それがこの街にはできたんだよ
少女
え…
少年
形状記憶都市はそこに住んでた人も破壊される前に戻せるっていうものだったらしい
少年
だが研究の最中爆撃されてしまったようだ
少年
街だけは元に戻せるところまでは完成したらしいが、そこで研究者は皆生き絶えたようだ
少女
え、じゃあこの都市って
少年
俺が復元させた
少女
まって、なんであなたにそんな事ができるの？
少年
ここの人たちは自分たちが死ぬことも前提で研究をしてたようだ
少年
今俺が話したこと全て、ここにデータとして残っていたんだ
少女
じゃあそれを見ながらこの街を復元したりしたってことね？
少年
そうだ、それで俺は思ったんだ
少年
この研究は俺が完成させるって
少女
え？何言ってるのだってあなたはまだ子供でしょ？
少年
子供でもできることはあるんだよ
少年
だから俺はここを必死に守ってたんだ
少女
そうだったんだ…
少年
あぁ、まあまだ全然完成には程遠いんだけどな笑
少女
そっか
この時少女はふと思った、この絶望した世界でも必死に生きようとしてる人がいるんだと
そして少女はある事を自分の中で決めたのである
少女
ねぇ
少女
私も手伝っていい？
少年
え？
少年
あ、いや別にいいけどよ…完成するかもわからない事をやろうとしてるんだぞ？
少年
下手すると何も出来ずにただ死ぬかもしれない
少女
いいの、それで
少女
あなたの子供にもできる事があるって言葉を聞いたら私にも何かできるんじゃないかって思えたの
少女
だからなんでもするから手伝わせてほしいの
少年
…
少年
わかった、お前の目みたら真剣さがよく分かった
少年
是非手伝ってくれ
少女
うん、よろこんで！
少女
そうだ、あなた名前なんていうの？
少年
俺は
ジオ
ジオって言うんだ
ジオ
よろしくな、お前は？
少女
私は…
少女には名前がなかった
少女
えっと
ジオ
お前ひょっとして名前がないのか？
少女
う、うん
ジオ
ほんと変わったやつだなお前
ジオ
よし、じゃあ俺がつけてやる
ジオ
今日からお前はメルだ！
こうして2人は力を合わせて街を復興させることとなった
しかし少女には秘密があった、それは本人すら知らない秘密である
電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
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