莉犬side
百瀬 さとみ
↑あ、このさとみくんの言葉は電話です
狗井 莉犬
この間のことがあってから一言も話さないまま冬休みを迎えたというのに、 いきなり電話が来たと思いきや、そんなことをほざきやがるさとみくん。
この前までころちゃんを罵って、ころちゃんを傷つけたくせに、そんな冗談 言うなんてホントに最低。
でも……。でも、もしそれが本当だったら?もしさとみくんの言うことが 間違いなかったら?
いや……大丈夫だよね?ころちゃんなら、また跳ね上がって
蒼瀬 ころん
って、呼んでくれるよね?
そんな期待を胸に俺は走り出した。寒さなんて関係なしに。
病院に着くと、さとみくんは、誰かと話していた。
医者だろうか。その医者の言葉に俺は頭の中が真っ白になった。
医者
と、聞いて。
百瀬 さとみ
狗井 莉犬
八つ当たりだなんてわかってる。冗談じやないなんてこともわかってる。
医者だって、最善のことをしてくれたはずだ。
それでも無理なことだって1つや2つあるだろうに。こんな俺、好かれなくて 当然か………。
百瀬 さとみ
さとみくんは驚いた様子で俺のことを凝視していた。でも、今はそんなこと どうだっていい。
狗井 莉犬
医者
ガシッ(胸ぐら掴む)
狗井 莉犬
百瀬 さとみ
狗井 莉犬
そこから先はよく覚えていない。
さとみくんが、
百瀬 さとみ
なんて言って、20分たったのに戻ってこないあいつは何をしているの だろうか。ま、俺が言えないけど……。
そのあと、あいつは結局来なかった。
なんの話をしているのかもわからないが、良くない話だというのはすぐに わかった。
さとみくんがひと粒、涙を流していたから。
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!