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コメント
15件
藤澤side
あの後、二人で病院に戻った。
看護師さんも、主治医も、 凄く焦って探してくれたみたい…。
💛
医者
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深々と頭を下げる滉斗さんの 裾を握りながら看護師さんの話を聞く。
…僕、記憶戻ったんだ。やっぱり…。
「あの人」の事も、全部全部…。
考えると怖くなりそうで、 また誰かに襲われそうで、
怖くなって俯いてしまった僕は、
💛
ぽつりと呟いた言葉は、 誰の耳にも届いていないみたいで、 なんだか少し安心した。
記憶が戻って嬉しい。 嬉しいはずなのに…素直に喜べない。
いつか独りになったとき、 「あの人」が また僕の所に来るかも…?
また痛い思いをしなきゃいけないの…?
「記憶戻って良かったね。」
「元気になって良かったね。」
と、言われて終わりなの…?
医者
いつの間にか話は終わってて、 主治医さんと看護師さんが退室した。
💛
どんどん怖いことを考えちゃって、 滉斗さんの顔すら見えない。
ずっと記憶が戻って欲しいと思ってた。
早く思い出したいと考えてた。
今では思い出しただけで辛い。
頭の中は「あの人」で占領されていく。
忘れたいのは此なのに…
💙
💛
💙
僕の目を見て首を傾げる若井さん。 …表情固くなっちゃってたかな、、
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と、嘘ではないけど 無理に笑ってしまった。
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💛
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そのまま若井さんは部屋を出てしまった
若井side
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少しの沈黙に耐えられなくなり 一人、病室を出る。
ふと聞こえた、涼架の 「弱いなぁ…」に悩まされていた。
記憶が戻り、彼奴を思い出し、 すぐに助けに行けなかった俺を、?
それとも思い出して怖くなってしまい 恐怖に陥る自分に対して、、?
どっちにしろ涼架に あんな顔をして欲しくなかった。
側に居てあげながらも、
恋愛感情を募らせながらも、、
💙
記憶が戻ったと云うことは 俺との関係も思い出したということ…
あの日の中途半端なハグで止まって、 あの中途半端のキスのままで…?
ハッキリと思い出させるには 涼架を医務室に連れて行けば良い。
💙
医務室じゃなくても、 其処に激似の所はすぐにあるんじゃ……
なんとも羞恥だが思考を巡らせ 涼架の居る病室へと戻って行った。
俺を、俺との関係を、 鮮明に思い出して欲しいが為に。
病室の扉を開けると、 寂しかったんです、と言わんばかりに 眉を下げた涼架と目が合った。
💛
無言で近寄る俺に戸惑いながらも 少しずつ顔を染めていく。
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申し訳程度に髪を撫でると 受け入れてるのか目を強く瞑った。
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💛
💛
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煽られたと確信した俺は 静かに顔を近付けた。
微かなる沈黙が、病室を包んだ。
しばらくして口を離すと 涼架の顔は真っ赤になっていた。
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少し我に返り、がっつき過ぎたと後悔。
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場を和ますための咄嗟の冗談にも 可愛らしい歯を見せながら涼架は笑った
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てことは、 俺の勘違いで先走ったってこと…?
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顔から蒸気でも出てんじゃないかと 思うくらいに顔が熱くなる。
少しベッドに顔を埋めると 涼架の手が置かれたのに気付く。
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不器用にも微笑む涼架。
なんか ぎこちないけど、 思い出しただけアリとしなきゃな…。
おずおずと腕を伸ばしてくる彼女の 背中に腕を回し、抱き寄せた。
💛
若井さんの気持ちに応えられそうです
藤澤side
あの日の会議室のこと、 僕はハッキリと思い出した。
好き
藤澤の事が好き
彼氏いるのも分かってる
DVされてんのも分かってる
でも、守りたいから
ボロボロだった僕を、 貶しもせずに受け止めてくれた言葉。
あの日は、まだ、僕に彼氏が居たから 言葉だけで終わったけど、
今なら、応えられる気がする。
「僕も好きです」って……
至近距離に居る若井さんが、
会社で頑張ってる若井さんが、
何より、僕を助けてくれたから、
僕は若井さんが好きなんだ。
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看護師
心底驚いたような顔をした若井さん。
その後ろに、看護師さんが立っていた。
た、タイミング……
看護師
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あまりにも気まず過ぎる空気。
すると、ベッドに腰掛けていた 若井さんが立ち上がり、 看護師さんに近寄った。
💙
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問い掛けながら食器を受け取っていく。
看護師
ほぼ強引に看護師さんを追い出して、 個室の扉の鍵を閉めた。
💛
今一つ行動に理解出来ずに名前を呼ぶと 若井さんは食器を机に置いた。
その後、再びベッドに腰掛けて、 僕の目を見て呟いた。
💙
どうも主です。 短いけど、なんとか書けたぜ…
今回は、タップ数は少ないけど 文字数が2200だよ…疲れたー
最後の方、イマイチだから また告白する機会与えてあげたいけど…
感想とか色々待ってるよ~
主