向日葵のような君に

1年後 7月のとある日

2年の文化祭の後 県大会、地方大会を突破し この夏に全国大会に出場する。

ちょうどいいタイミングで 野球部の部員が乗った バスが学校にやってきた。

今年入ってくれた 1年生の加藤くんが指さす方向に 道具を下ろしている 野球部員がいた。

躊躇っていたら 蒼生が私に気づいた。

先に教室に向かった3人。 後ろ姿を見送っていると 肩を叩かれた。

バスが止まっているところを見ると もう荷物が全て運ばれていた。

その場で蒼生は グランドに向かって走り出した。 私も教室に向け歩き出した。

とある教室。

椅子に座って ご飯を取り出す。

拓海がアクエリを買いに行った。 私はご飯を食べる。 お茶を飲んでたら 加藤くんが話を振ってきた。

話し込んでいたら 勢いよくドアが開いた。

蒼生side 甲子園が開幕して大会5日目 第1試合。 準備のためみんなで球場にやってきた。

美里から 差し入れのアクエリを受け取った。 今日の試合いいプレーができる 気がした。

美里side 第1試合が開始した。 1番に蒼生が入っている。

初っ端から 二塁打を打った蒼生。 相手の守備に少し手間取ったのか いつの間にか3塁にいた。 その後ゴロでアウト取られたスキに 帰ってきて1点が入った。

最初はリードしていたけど、 全国大会の壁は想像以上に高くて 初戦で負けてしまった。

先生に連れられ 取材が行われる場所にやってきた。 うちの高校のスペースに行くと 泣き崩れる選手や 負けたことに信じられない選手が 固まっていた。

取材が終わったのか 足早に戻ってきた。

録画予約で少し揉めだした 2人を他所に 汗か悔し涙か分からないけど 顔が悲惨なことになっている蒼生に タオルを差し出す。

思い出したかのように また争い始めた2人を横目に 熱闘甲子園の記者さんがやってきた。 取材を受けていると 2人が茶々を入れてきたけど 蒼生がカバーをする。 なんか放映されるのが 恥ずかしくなってきた。 まぁ高校生らしくていいか。

あれから数ヶ月後 蒼生はプロ志望届を出して 今日がドラフトの日。 私は部活のみんなと一緒に 屋上でスマホと睨めっこしている。

各球団が次々と 選手を指名していき 阪神の順番が回ってきた。

最初実感がわかなかったけど 時間が経つにつれ 本当に彼がプロに行くんだと 思い知らされていく。

帰りのHRが終わって 部活に向かおうと教室を 出ようとしてたら 蒼生に止められ 帰り一緒に帰ろうと 誘われた。 断る理由もなく了承し 下駄箱で待ち合わせることにした。

あれから数十分が経ち 蒼生から取材が終わったから 下駄箱に向かうって LINEが来たので 私も下駄箱に向かった。

2人とも靴に履き替え 学校を出る。

中庭を通り 校門を出ようと 歩いている時に 横から話しかけられる。

暗くてよく見えなかったけど 昔から変わらない 蒼生の笑顔からは プロで活躍する強い思いが 感じ取れた。

蒼生が転入してから 色んなことがあったけど 彼の背中を見続けることが出来て 私も少しは変わったのかもしれない。 ひまわりのような君へ 私を変えてくれてありがとう。 プロに行っても頑張ってね。