咲良
咲良
咲良
ゼロ原
もう黒幕でもないのに。 もうここにキミはいないのに。 キミの声が聞きたくて。 また、あの場所に向けて 足が勝手に動いてしまう。
ゼロ原
チームダンガンロンパ本部の 玄関の前で ただ呆然と 立ち尽くしていた その時だった。
内通者赤松楓
お急ぎくださいませ!
黒幕原
まだ10分前だよ...?
内通者赤松楓
そう言いながら本部に入っていく今回の黒幕の少年と...
ゼロ原
それは... その娘は... 僕が殺してしまったあの娘に よく似た少女だった。
内通者赤松楓
僕はその娘と目が合った。 だけど、 その娘は僕を見るなり、 素っ気なく 、 僕を無視して、 少年に付いていった。
ゼロ原
世の中には似ている人が3人はいるって言うもんなぁ...
頭では分かっていた。 そう、彼女は僕が殺したんだ... 彼女はもう死んだんだ。 ......でも、心が...... 心はその真実から目を背けようとしている... 彼女は生きてて今僕を一瞥して 去っていったのだと、 そう思おうとしている。 ......僕は未だに過去に... キミに縋っていたんだ。
ゼロ原
それからというもの、 僕は現在の黒幕の少年を 揶揄うと名目で、 例の少女に逢いに行くという奇行を重ねていた。 ...今思えばバカだね。僕は。
ゼロ原
黒幕原ー!会いに来たよー!
あっれー?お邪魔しちゃったかなー?☆
内通者赤松楓
ウザイ。
消えろ。
死ね。
ゼロ原
相変わらず辛辣だなぁ☆
黒幕原
ゼロ原
ってなんでやねん!w
現黒幕の少年にツッコミを入れた時だった。
内通者赤松楓
その娘は急に しゃがんだかと思うと...
ゼロ原
僕に向けて何本ものナイフを 投げてきた。
ゼロ原
当たったら
死んじゃうじゃん...!?!?
僕は辛うじて全てのナイフを避けた。
内通者赤松楓
...どうやら、僕はその娘... 内松と呼ぶことにしよう。 どうやら僕は内松に 嫌われているらしい。
内通者赤松楓
ゼロ原
......そんなやり取りを何度も、 何ヶ月も繰り返した ある日の事だった。
内通者赤松楓
いつものように 少年と内松に会いに行った... 会いに部屋に入ろうとしたその時だった。 部屋の中から泣いている内松と その内松を抱きしめている少年の姿があった。 ......僕は察した。 今出ていっても、 きっと、 僕は この少年に敵うことは 無いと。
黒幕原
ずっと、キミの気持ちには気付いてたんだ...。
でも...僕は絶望で黒幕だから、
キミと繋がっても、
僕は絶望で黒幕だから、いずれは倒されて死ぬ運命だから...
それで...キミを傷つけたくなんてなかったんだ...
内通者赤松楓
私は...その運命さえ、覆す為に努力してきたんです...
このチカラも.........
貴方様だけの為に必死に努力して身につけたのです...
私は...貴方様に救われたあの日から...
ずっと傍で...貴方様に仕え、
ずっと傍で...貴方様を護ると誓ったのです......
だって............私は貴方様の事が......
貴方様をずっとお慕いしているのですから......
黒幕原
...キミが死にかける度、
僕はキミに生きて欲しいって思ってた、
いや、今だって思ってる...
僕だって、ずっと前からキミが好きだったんだから...
内通者赤松楓
黒幕原
約束する、もう、
キミを苦しめたり、
傷つけたりしない...
だから...
ずっと僕の傍にいて欲しい
...
内通者赤松楓
...............確信した。 もう、 僕の入り込む隙間なんてない。 もう、少女が 僕に振り向いてくれる事は 二度と無い と。
ゼロ原
それでも、 踏ん切りをつけるために。 負け戦だと 分かってはいるけれど。 翌日、僕は少女を呼び出していた。
ゼロ原
内通者赤松楓
こんな所に呼び出して。
私も忙しいのですけど。
ゼロ原
どうしても伝えたかったから。
内通者赤松楓
ゼロ原
内通者赤松楓
...昨日見た...というか聞いてましたよね?
.........ごめんなさい、無理です。生理的に無理です。
私はもう終一様とお付き合いしてますから...
ゼロ原
でも、踏ん切り、つけたかったんだ。
......約束したけど、ごめん楓。 僕を愛してくれる人なんて いなさそうだ。
内通者赤松楓
生きることを諦めないでください。
............予知によれば、
貴方を愛してくれる方が遠くない未来に現れますから。
ゼロ原
内通者赤松楓
出会えますから、
それまでは頑張って生きてください。
ゼロ原
そして、少女は踵を返して 去っていった。






