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時雨
時雨
注意!! ・R18含まれます ・完全二次創作(ご本人様とは関係な し) ・何でも許せる方向け ・捏造有 ・ネタバレも含む可能性あり ・地雷の多い方にはあまりお勧めしません ・通報✕
時雨
時雨
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彼の顔が近づいてくる。
やがて、彼の顔は息がかかるほど近くなる。
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なんとか振り絞って出した声で抵抗すると、俺の腕を抑える彼の力はどんどん強くなっていく。
駄目だ。力の差では彼のほうが圧倒的に有利すぎる。
そして彼はそっと近づいて俺の唇を奪った。
ちゅっ…
今度はさっきとは違う、また変わった感覚がする。
口の中に熱いモノが入ってくる。
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それは口内を優しく絡め取るように巡っていく。
どうしても、自然と声が漏れ出てしまう。
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なんとか抵抗を試みるが、また舌を絡まされての繰り返しだ。
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どんどん息が苦しくなってくる。
酸素が取り込まれなくなり、頭の回転も鈍くなる。
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そう声に出すと、俺の口の中にあった熱がなくなる。
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震える声でそう言う彼はどこか複雑な表情を浮かべている
いきなりどうしたのかと思い、少し身構えてしまう。
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嘘だ。
きっと、きっとそんなんじゃない。
衝撃の言葉に俺は固まってしまう。
彼が…きりやんが…俺を…?
信じられなかった。
いや、信じたくなかったのかもしれない。
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俺はきりやんをどう思っているのだろうか。
友達として…?
クラスメイトとして…?
それとも…
恋人として…?
わからない。
俺は彼をどう思っているのか。
だが、彼といる時間はそれほど苦ではない。
楽しいと感じる時もあった。
それに今も…
心臓の音は通常よりも早く脈打っている。
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違う。きりやん。
違うんだ。
俺はそんなことを伝えたいわけじゃないんだ。
その時初めて、俺はこのうるさい心臓の音の意味がようやくわかった気がした。
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俺は彼が何か言い終わる前に、言葉が出てしまっていた。
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自分でもこんな言葉がでてくるとは思わなかった。
でも、これは本音なのかもしれない。
今思えばこれは自分に対して言い聞かせていたのかもしれない。
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いや、だめだ。この感情に確信的なものはないのに。
あまり無責任なことは言わないほうがいい。
彼の気持ちを尊重するためにも。
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そして、彼の表情はいつもの明るい太陽のような眩しいきりやんではなく、
悲しく涙を流す曇った表情のきりやんへと変わってしまった。
きりやん、やっぱり…
俺は…
お前のことが…
「好きだ」って言いたかったんだ。
俺は彼をそっと抱きしめた。
同情…なのか…
あんなことを言ってしまった俺には同情なんてする立場にないことは分かっている。
だって彼の気持ちを踏みにじったのは他でもない俺なのだから。
彼の気持ちには気づかなかった挙句、自分の気持ちにも気付けず、結果的には彼の笑顔を奪ってしまったのだから。
彼は俺を精一杯抱きしめて、俺の胸に顔を埋める。
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泣きたかった。
でも、今の俺には泣いていい価値なんてないから。
本当に辛いのは誰でもない彼なのだから。
彼は俺の腕の中で、悲しみを全て吐き出している。
ごめんなさい。ごめんなさい。
誰か。俺を許して。
いや、こんなやつ、許さなくていい。
せめて、せめて、彼にだけは。
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泣くな。俺。
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なんで止まらない?なぜ泣いているんだ?
俺が泣く筋合いなんてないだろ。被害者ぶるな。
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なぜだろうか。その言葉を聞いて余計に涙があふれてくる。
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何が違うんだ。
俺は…
…俺には心配される筋合いなんてないから。
泣いていい価値なんてないから。
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あぁ…そりゃそうだ。そう思われて当然だ。
彼を振ったのは紛れもない俺なのに。
だが、どう頑張ってみてもこの涙が止まることはなかった。
駄目だ。ここにいても彼の気持ちを踏みにじる種にしかならない。
この場から消え去りたい。彼の前から。
一番最低なやつが一番卑怯な逃げ方をする。
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教室を出ようとした瞬間、彼に腕をつかまれる。
そりゃ、許してくれるわけないよな。
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いきなり名前を叫ばれて少し驚く。
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まただ。また彼を。
何回やれば気が済むんだ。
教室を出ようとすると、また彼に腕を引っ張られた。
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そんな彼の言葉は今の俺の心の傷口を更にえぐるような、儚くて、今にも消えてしまいそうな声だった。
しばらくの間沈黙が流れる。
その沈黙を破ったのは彼だった。
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こんなことをしてしまった俺にもそんな心配をかけてくれるなんて、やっぱり彼はすごいやつだ。
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その笑顔は表面上だけの、悲しい笑顔だった。
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その後、話を切り出したのは彼の方からだった。
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その言葉がなぜか救われたような気がして、俺は彼に抱きつく。
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彼にとってはこの行動は棘として伝わるかもしれない。
でも、今の俺はこうすることがいいんだ、と直感で感じた。
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そのとき彼は、本当に、本当に一瞬だけ、普段のような笑顔を見せたような気がした。
彼への思いを伝えたい。今の表情を見てそう決意した。
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どんなに下手くそな愛情表現だったとしても、どんなに鈍臭い告白だったとしても、
この思いだけは「彼」に伝えたかった。
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すると、彼は少し安堵したような表情を見せたような気がした。
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いざ言うとなるとやはり恥ずかしい。
自分の心臓の音が聞こえる。
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いきなり遮られて、もしかしたら嫌だったのではないかと心配する。
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俺は小さく頷く。
彼は一つ、深呼吸をした。
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きりやん、
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俺と付き合ってくれ。
静まり返った一つの空き教室には外の雨音と、
小さなリップ音が響き渡る。
時雨
時雨
時雨
時雨
時雨
時雨