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さかな
さかな
並んで帰る帰り道
北 信介
…静かやな
でも、気まずくはない。
前までやったら、 誰かと黙って歩く時間は長く感じてた。 今日は、そうでもない。
無理して喋らんでええって分かっとる相手やと、
歩く速さも
呼吸も
勝手に会う。
北 信介
たまに横をみると、 ちゃんと前向いて歩いとる。
…それでええ。
貴方が一生懸命話している時
北 信介
言葉、選びながら話しとんな。
途中で少し言葉が詰まって
ちょっと眉寄せて
別に急がんでええのに
ああいう顔、誰にも見せてないんやろな
ちゃんと伝えようとしてるんや
黙って聞いとこ。
かわええな
って言おうとしたけど、 邪魔になる気ぃしてやめた。
貴方が辛くて泣いてしまった時
北 信介
泣いている貴方を、静かに胸に収める
理由は聞かん。 今はそういう時ちゃう。
泣くほど溜めるまで よお頑張ったって事やろ。
落ち着いたら またちゃんと話せる
スマホも、時計も見ず、貴方を落ち着かせようともせず。 ここに居てもいいと、胸で悟らせる。
貴方の呼吸が整ってきた。
落ち着いてきた彼女の背中をさすりながら、
北 信介
北 信介
そう、場を温めるような言葉を。
北 信介
理由は今聞くべきちゃうか。
明日の少しでも気が楽になったくらいに聞けばええ。
北 信介