akpr
地雷🔙
ドールバース(?
キスありR無し
りぃちゃの900人
この世界では誰もが「ドール」として生まれる
柔らかくも冷たい肌
爪も髪も人工素材
それにドールには血の代わりに青い潤滑液が通ってる
けれど人は成長と共に"心"を持ち命ある物として社会に組み込まれていく
ーーただし一部を除いて
「マニュアルドール」
生れつきあるいは成長しても心が芽生えないからっぽの存在
感情を持たず命令に従順に従う
人間型の機会と大差ない彼らは国の管理下に置かれ奴隷のように扱われる
ak
人気が無くなってきた夕方
誰もいない家裏で俺はスケッチブックを開く
陽が平行線に跨がろうとしてる時ガラスの木々が琥珀色に光ってる
風に揺れる枝葉がカラカラと音を立て何処か懐かしく胸にしみた
俺は風景を描くのが好きだった
目に見えないものの中に目に見えない"心"を探すように
ak
ふと視界の端に人影が見えた
建物の裏手入れの行き届いてない花壇の側に誰かが立っている
整った黄色と緑のグラデの髪
汚れに汚れまくった服
そして無表情
動かない瞳
ak
ak
政府に奴隷として扱われているマニュアルドールが家裏にいるのは不自然
本来だったら地下の牢獄と言っても過言ではない収容所に入れられてるはず
メンテナンス中か…廃棄予定の固体か…
そんな考えが脳内に過ぎった
…だけど俺は足を止められなかった
ak
pr
返事はなかった
瞬きすらない
それでも俺は軽く笑って口を止めない
ak
ak
pr
やはりなんの反応もない
けれどその沈黙が何処か心地好かった
俺はリュックから使い古されてるペンを取り出した
ak
数分、数十分、と時が過ぎ…
鉛筆を止めたその時不意に視線を感じた
目を上げるとさっきまで無表情だったらはずのマニュアルドールが僅かに首を傾げていた
ak
驚きと同時に胸が高鳴る
目の錯覚かプログラムの誤作動か
だか確かに反応したのだ
そして次の瞬間…
pr
ak
ドールの指先がほんの少し震えていた
俺の心臓がドクンと鳴った
今なら心臓が何処にあるのか分かる気がする
死んだはずの人形に一瞬だけ命が宿ったようなそんな瞬間だった
ak
あれから俺は家裏に足を運ぶようになった
誰にも見つからないように目立つ荷物を隠してそっとあの場所に向かう
例のマニュアルドール
俺は密かにprと名付けpーのすけと呼んでいた
ak
その固体は今日も変わらず花壇の側に立っていた
黄色と緑のグラデの髪
無表情名顔
ガラス細工のように整った輪郭
ak
根拠のない安堵が胸を満たす
pーのすけが本当に"ただのドール"ならメンテナンス終わりと共に何処かに移されてるはず
…仮に処分されるものだとしてもこんなに長くいる必要はない
けれど何故かpーのすけは毎日いて…
俺の姿を確かに追って来る
ak
俺はそっとスケッチブックと一緒に小さな花を見せた
施設の前庭で育った夏の名残
色褪せた花びらが少しだけ揺れる
ak
ak
pr
pーのすけは相変わらず無表情だったがその瞳は確かに俺の手元を見てた
数日過ぎたある日俺は意を決してpーのすけの側まで歩み寄った
そして向日葵をそっと差し出す
ak
pr
沈黙
けれどその右手の指がそっと摘むようにして取る
その瞬間指先が触れた
ak
冷たい
けれど何処か熱を持ってるような気がした
触れては行けないはずの存在に触れてしまった
このまま行くと俺は何処かに行ってしまいそう
一息ついて口を開く
ak
小さく呟いたその声にpーのすけは首を傾げた
それはまるで問い掛けに答えようとしているようだった
ak
pr
ak
ak
沈黙のままpーのすけの瞳は俺を捉えていた
それだけ俺は満たされた気がした
ak
ak
その夜俺は一人ベットの中で目を開けていた
何度もあの指先の感触を思い出す
ほんの一瞬だけ
それなのにずっと熱が残っていた
ak
感触があった
少なくとも俺はそう思った
だけど
ak
それは世界のルールからすれば「異常」だった
でも、たとえ世界中の誰かが否定しても
俺はあのドールの中に「心がある」と信じてしまった
街の空気は少しずつ秋の気配を帯びはじめていた
重い服の裾をまくりながら俺はいつもの家裏への道を急いでいた
向日葵の代わりに今日はスケッチブックの裏に挟んだ小さな紙袋をもって
ーー昨日は指先がふれあった
あの感触がまだ手の平に残っている気がしてーーー
ーーー胸の奥にまだ知らぬ熱が灯っていた
pr
pーのすけは今日も変わらず花壇の前に立っていた
けれど俺の姿を現すとその瞳がすぐに此方を捉えた
pr
瞬き1つしないまま真っすぐに
ak
確信と不安がせめぎ合う
でももう後戻りは出来なかった
ak
pr
俺の問いにpーのすけは微かに首を傾げた
それが「いいよ」と言う意味かは分からない
けれどそれで十分だった
俺はポケットから薄紙に包んだチョコレートを取り出した
マニュアルドールには意味もない品物
けれどそれでも贈りたかった
ak
ak
pr
pーのすけの指がまたそっと動く
今度は俺の手を覆うようにして
両手で受け取った
その手のひらが重なった瞬間ーーー
ak
俺は息をのんだ
今度は冷たくなかった
ほんの僅かに温もりがあった
ak
呼ぶ度に俺の心が揺れる
政府の所有物に名前を付けることは御法度
ー所有物以外が情を持つことも感情を仮定することも
pr
でも確かにpーのすけは反応していた
呼べば目が合う
触れれば手を重ねる
もうただのマニュアルドールじゃない
ak
俺は呟く
その言葉は自分への確認でもあった
ak
ak
言葉が止まる
喉の奥に焼けるような衝動が広がっていく
…俺は一歩近付いた
そして目を閉じながら囁いた
ak
pr
沈黙
けれどその沈黙は昨日のような"無反応"ではなかった
pr
pーのすけの顔が僅かに傾いた
まるで口元を寄せて来るように
ak
pr
俺の唇がpーのすけのそれに触れた
冷たくしかし柔らかい
命令ではないキス
プログラムには存在しない愛の形
けれどーー
次の瞬間
ak
pーのすけの背中にある「アクセスポート」が赤く光を帯びた
警告・反応
世界が俺の違反を感知する
夜家の窓の外には風が鳴っていた
ak
俺はベットに腰を下ろし震える指で端末を見つめていた
そこにはたった一行の赤い警告
【違反通告】 マニュアルドールへの接触記録を確認 行政機関への報告が義務付けられています
ak
やはりあの瞬間を監視されていたのだ
マニュアルドール
命令で動く"人型作業機"
政府が管理する奴隷
労働や…慰安用として使われることもある"無感情"な奴隷
本来なら感情を持つことも個人に愛着を持たせることも許されない
名前も与えることももってのほか
ak
胸の奥で罪悪感と恐怖がせめぎ合う
けれどそれ以上に離れがたい感情があった
あの冷たいはずの唇
そこに確かにあった"柔らかさ"と"温もり"
pーのすけは本当にただのマニュアルドールなのか
翌日俺は意を決して家裏に向かっていた
pr
pーのすけは今日も花壇の前に立っていた
ーーけれどいつもの静けさはなかった
ak
pーのすけの背中のアクセスポートが赤く点滅していた
監視システムかま俺との接触ログを送信し続けているんだろう
…まるで「この固体は危険だ」と告げるように
ak
俺は駆け寄った
ak
ak
pr
pーのすけは無表情のまま俺を見つめている
でもその瞳の奥に微かな揺らぎがあった
ak
俺の声が震える
マニュアルドールに感情なんかない
それでも確かに感情のような物が宿っていた
ak
ak
ak
pr
pーのすけはゆっくりと首を傾げた
そしてーーー
ak
プログラムでは有り得ない動作
俺の手を自ら掴んだ
その瞬間俺の胸に強烈な電流のような物が走った
ak
俺が名前呼ぶとpーのすけの唇が微かに動いた
声は出なかった
けれど確かに動いたのだ
まるでakと呼ぼうとしているのかのように
莉彩
莉彩
莉彩
莉彩
莉彩
莉彩
莉彩
莉彩
莉彩
莉彩
莉彩
莉彩
莉彩
コメント
39件
あっ好きです、はい えっ続きください(?)
え 、 好き (( めちゃめちゃ刺さる ... 🥹💗 akpr 最高 !!! 😇😇 続き欲しい ... ((
続きあったら待ってます。 うますぎる、、、ガハ死