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射撃場

第1話 - 射撃場

2025年08月15日

#射撃場

#銃

#ホラー

#意味怖

Nova.Penguin

アメリカのホテルにて

タケル

アメリカ旅行最高だな！

カイ

あぁ。あとで近くのバーに行こうぜ

タケル

ありあり。ていうか、明日楽しみすぎる！笑

カイ

そうだな！でもあの射撃場本当に大丈夫か？

タケル

噂では事故がよく起きる場所で、数年前までニュースにも取り上げられてたらしいけど、今は大丈夫みたいだ。

カイ

なんか…怖くね？違うとこにしねぇか？

タケル

大丈夫だって。第一次世界大戦中から使われていた場所らしいからみんな不気味に思ってるだけだろ。

カイ

そうかな？…

タケル

元々射撃場なんて事故がよく起こるもんなんだし、ちゃんと気をつけていれば大丈夫だよ！
貸し出してくれる武器種も他より多いし、なんにせよどこよりも安いからな。

カイ

安いから怪しいんだけどねぇ。まぁ大丈夫か。銃とか撃つの初めてだわ笑

タケル

いつもゲームでしかやったことないからなぁ。
それが楽しみ！反動耐えられるかな？笑

カイ

俺、ライフル撃ちてぇ！スナイパーライフルとかもあんのかな？

タケル

ネットによればあるみたいだぜ。後でURL送るよ。

カイ

センキュー！
それじゃあ。そろそろ締めのバーにでも行きますか。

タケル

そうだな！
いい女居たら連れ出そうぜ笑

カイ

ありあり笑

次の日、道中

タケル

かなり険しい道だな。
まぁ山奥だし仕方ねぇか

カイ

道もあんまり舗装されてないから余計に不気味さあるよな笑

タケル

お！ここじゃね？
超楽しみ！笑

カイ

それな！
ていうか駐車場せめてぇよ…笑

射撃場の受付

タケル

すみません。
予約してた者なんですが。

受付の男

…

受付の男は沈黙のまま、同意書を差し出す

タケル

…ここにサインすればいいんですか？

受付の男

…

2人は同意書にサインして提出した

受付の男

…ついてこい…

タケル

はい…

カイ

…

カイ

…こいつ無口でなんか怖くねぇか？
ワンオペみたいだし…

タケル

仕方ねぇよ。
山奥で人もあんまり来ないから適当なんだろう。

受付横の扉を開くと、射撃レーンが並んでいた。

受付の男

射撃レーンだ…
客が来るまでは好きに使え…
武器はその扉の奥だ…
弾はカウンターに取りに来い…

タケル

わかりました…

カイ

…わかりました

男は受付に戻って行った

カイ

おいおい。
もう不気味じゃねぇかよ。本当に大丈夫か？

タケル

大丈夫だよ！
普通に営業してんだからな。早く銃取りに行こうぜ！

カイ

…おう

武器庫の扉を開くと、綺麗に整頓された武器が並んでいた

タケル

めっちゃ種類あんじゃん！
まずはどれにしようかな…

カイ

うぉおお！
俺、これにしよう〜

タケル

お！ドラグノフじゃん！
さすがスナ専笑。
俺は…ガバメントにするわ

カイ

いや、そこはライフルにしろよ〜
ハンドガンなんて弱ぇよ！笑

タケル

いいんだよ！
やっぱ第一次世界大戦といえばガバメントに限るぜ！

射撃レーンに着く

カチャッ

タケル

うぉお！
コッキングの音がいいよなぁ。この金属音！

バンッ！

タケル

うぉ。意外と反動強ぇ！
カイは？

カイ

なんか…
なかなかマガジンが入らないんだよ…

タケル

何してんだよ笑。
ドラグノフは斜めにして入れんだよ！笑

カイ

あぁ。
ゲームでリロードする時によく見てるからそれは知ってるよ。
でもなかなか…あ。入った！

ガチャッ

タケル

そのドラグノフ、スコープついてんじゃん！
あの奥の的撃ってみろよ

カイ

よし！

ドンッ！

カキンッ……

カイ

よっしゃあ！
スナ専の俺からすればあんな的余裕余裕！！笑
でも反動強ぇからちょっと肩痛ぇわ笑笑

タケル

おお！やるねぇ！
後で俺にも撃たせてくれよ！

カイ

お前にはまだ早ぇよ！笑笑

タケル

なにぃ？笑
このまま頭撃ち抜いてやろうか？笑笑

カイ

はははっ笑笑

タケル

でも、やっぱガバメントいいわぁ。
ザ・ハンドガンって感じ！

バンッバンッ！

カイ

ん？…タケル。
あの真ん中の的…
なんか変じゃね？

タケル

何？どれ？

カイ

ほら。
あの少し地面が山形になってるとこ
的の支柱に布みたいなのが巻かれてるやつだよ

タケル

本当だ。
あの的だけやけに綺麗だ…
なんで支柱に布が撒かれてるんだ？…
しかも分厚いし、ちょっと地面濡れてねぇ？
…あの布の中に人間が入ってたり？笑

カイ

んなわけねぇだろ！
バカな事言うなよ笑。
怖ぇだろ！
でも変じゃねぇか？あの的以外使用済みなのにあれだけ新品？…

タケル

確かにな。
中距離だし、奥の的はボコボコだから当てられないわけねぇしな…
多分当てやすくて何度か支柱ごと折れてんじゃねぇ？

カイ

まぁ！
一回当ててみようぜ！

タケル

よし！じゃあどっちが綺麗に当てられるか勝負だ！

カイ

俺に決まってんだろっ！

バンッ！

…パンッ…

カイ

あ。ズレた…

タケル

ん？…何か飛び散った？
今布の部分に当たったよな？…なんか入ってんのか？

カイ

気のせいさ。ただの支柱だし、土でもついてたんだろ。

カイ

お前も撃ってみろよ！
当てれんのか？遠いぞ？笑

タケル

は？笑あんなの近ぇ近ぇ！

バンッ

…キンッ…

タケル

うぇえい！余裕余裕！

カイ

…ん？…
確かに飛沫が上がったな…

タケル

だろ？
しかも…ちょっと赤くねぇ？
やっぱり死体が入ってんじゃねぇの…？

カイ

あり得ないだろ…

カイ

なんか気味が悪ぃ…
気分も悪くなってきたしもう帰ろうぜ…

タケル

なんだよ〜冗談だよ。
リアルに見せるための演出だろ？

タケル

まだ来たばっかじゃんか…

カイ

まぁそうだけど…
わかったよ。
俺はちょっと後ろのベンチに座ってるよ…

タケル

おいおい〜せっかく来たんだしやろうぜ。

カイ

ちょっと休憩するよ。
マジで気持ち悪くなってきてさ。

タケル

リアルに想像しすぎだって…
まぁいいや。

ふと、タケルが奥の射撃レーンを見る

タケル

ん？…
おい！見ろよ！
1番奥のレーンに機関銃が置いてあるぞ！

カイ

ん？…
あっ本当だ！
でも…大丈夫かよ。

カイ

っておい！
ちょっと待てって

タケルは奥のレーンへ駆けていった

タケル

おおおお！すげぇ本物だ！

カイ

だいぶ古そうだな。

タケル

古いなんてもんじゃねぇよ！
ルイス軽機関銃だぞ！超レアだ！
まさに第一次世界大戦で猛威を振るった武器だよ！

タケルが機関銃をいじり出す

カイ

おい！やめとけって…
あんまり整備されてないんじゃねぇの？危ねぇよ…

タケル

そんな事ねぇだろ。
こんな目立つところに置いてあるのに整備を忘れるわけあるか？

カイ

…まぁそうだけど…

タケル

しかも見てみろ！
周りに薬莢が転がってるし、ご丁寧にマガジンに弾まで入ってる！
使われてないわけないさ。

タケルが機関銃にマガジンをセットした

タケル

いいねぇ。
ブリティッシュ弾97発のパンマガジン！
懐かしい…

カイ

おい…大丈夫か？
せめて受付に許可とった方がいいんじゃねぇ？

タケル

大丈夫だよ！
あいつも好きに使えって言ってただろ？
なんかあったらやめりゃいいんだよ。

カイ

そうだけど…危ねぇよ。

タケルがチャージングハンドルを引く

ガチャッ

タケル

くぅぅう！たまらねぇぇ！
後でカイにも撃たせてやるからよ！

カチッ…カチッ…

タケル

ん…？なんだよ。
トリガーが硬ぇ…

カイ

セーフティ掛かってんじゃねぇ？

タケル

安全装置なんてついてたかな？

タケル

んっ！

ダッダッダッダッ

タケル

ふぉぉぉお！
最高だぜ！…ははっ

カイ

すげぇ！ははははっ笑

タケル

ははっ…ははははははははははははははははははっ

ダダダダダダダダッ

タケル

はははははっははははははははははっははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははっははははははははははっははははははははははっははははははははははっ

カイ

タ…タケル？

タケル

あぁはははははっははははははっはははははっははははははははははっははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははっははははははははははっははははははははははっはははははははははは！！！！

カイ

おい…タケルもうやめろ！
おい！！

弾が切れ、弾幕が止む

カチッ

タケル

ははっ…

カイ

…おい…タケル。
大丈夫か？…落ち着けって…

タケルが新しいマガジンを取り出す

カイ

もういいよ！タケル！
やめろって！おい！

タケル

は…はははっ…うっ……
ぐっ！…

突然タケルはその場に倒れ込んだ

カイ

タケル…
おい！大丈夫か？タケル！

タケル

かっ…はぁ……い…き…っが…

タケルは苦しそうに悶える

カイ

おい！しっかりしろ！
息ができないのか？…おい！

タケル

かぁ…はぁ………ぅ

カイは必死にタケルの胸を叩く

タケル

はっ…かはっ…はぁ…ごほっごほっ

カイ

おい！大丈夫か？
急にどうしたんだよ！

タケル

ぅっ…うああああああっ！！い…痛い！痛い！！

カイ

どうした？どこが痛む？

タケル

む…胸が…い…痛い！！
あっ…熱い！熱い！！！！
た…助けてくれぇええええ！！お願い！！

カイ

だ…誰か！受付！！
おい！早くこい！誰か！！

カイは必死に助けを求めたが誰も来ない

タケル

ぅうううあああああああ！熱い！！！熱いよ！！！

カイ

おい！！！
なんで誰も来ねぇんだよ！！クソが！！

カイは走って受付へ向かった

カイ

おい！！
なにやってん…だ……。

受付に人影はない

カイ

おい！！店員！！
どこ行った？誰か！

カイ

誰かぁあああ！！
おおおおおい！！どこ言ったんだよ

カイは外へ飛び出したが人気が全くない

カイ

くそっ…

店の中からはタケルのうめき声が響いている

タケルの元へ駆け寄るカイ

カイ

タケル！立てるか？
車まで行こう！

タケル

うっ……ぐっっううううああああ！！

カイ

タケル。俺の肩に腕を回せ…
ゆっくりでいい…ゆっくり立て。

カイはタケルを担ぎ上げ、出口へ向かう

パンッ！

カイ

ん？…

標的エリアの奥から発砲音が響いた

バキッ！

カイ

うわ！…えっ…

カイのすぐそばの壁に穴が空いた

パシュンッ！

再び発砲音鳴り、カイは咄嗟に伏せた

カイ

はっ…！

バリンッ！

何かがカイの頭のすぐ上を通過して、壁の額に命中した。

カイ

おい…一体…な…なんなんだよ！

カイ

う…撃たれてる…のか？

カイ

や…やばい…タケル！走るぞ！！

カイはタケルを担いだまま、死に物狂いで車に向かう

カイ

乗れ！…タケル大丈夫か？！
今すぐに病院に連れて行ってやるからもう少し耐えろ！！

タケル

ぅううううっ！！

カイ

タケル！タケル！しっかりしろ！
深呼吸を続けろ！
大丈夫だ！頑張れ！！

カイはタケルを車に乗せ、店を後にした

カイ

もうすぐだ！頑張れ！
もうすぐ山を下り切る！
そこを抜けれ……ば……

最後の角を曲がると、道路の中心に射撃場の男が立っていた

カイは車の窓を開けて怒鳴る

カイ

おまえっ…！！
どう言うつもりだ！！殺す気か！！
どこに行ってたんだよ！

受付の男

お客様！！
勝手に出ていかれては困ります。落ち着いてください！
通報はしませんから、どうかその武器を下ろしてください！

カイ

武器？…何言ってんだよ！！
ていうか、なんで助けに来なかったんだよ！！こっちは撃たれてんだぞ！？どこに行ってたんだよ！！

受付の男

落ち着いてください！
どうか！落ち着いて！

カイ

落ち着いてなどいられるものか！！
仲間がやられているというのにどこで何してやがったんだと聞いてるんだ！！答えろ！

受付の男

どうか冷静に！
どうか…お願いします…

カイ

貴様！！
それでも兵し…か……

ふと気がついたカイは下を見る

カイ

ひっ………

カイは車には乗っておらず、右手に『ルイス軽機関銃』を持ち、左手には血を流しぐったりとしたタケルの首を掴んでいた。

カイ

う…うわぁぁ！！

カイ

な…なん…で？

カイは驚きのあまり手を離した銃とタケルが地面に零れ落ちる

背後を見ると、数メートル先にさっきまでいた射撃場があり、そこから引きずられたような血の跡がタケルの体に続いていた。

カイ

ど…どうして…だよ…

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射撃場

第1話 - 射撃場

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