《帰り道》
及川
𓏸𓏸は、進路とか決めてる?
雪乃 𓏸𓏸
ん〜、一応ね
雪乃 𓏸𓏸
そっちは
及川
俺は、卒業してもバレー続ける
雪乃 𓏸𓏸
だろうね、笑
雪乃 𓏸𓏸
知ってる、
私は彼を尊敬している
たまに,変なところもあるけど
夢に向かって真っ直ぐ進む彼はすごいと思う
雪乃 𓏸𓏸
......
及川
なんかいい事でもあったの?
雪乃 𓏸𓏸
別に、普通だよ
雪乃 𓏸𓏸
別に"普通"だよ
"普通"𓏸𓏸はよく自分の事を下げた言い方をする
別に、何かが致命的にできないわけでもないし、テスト前はよく頼れる
なのに、なんでそんなに自分を下げるのか俺には分からない
《数年前》
中学の頃、一際目立つ女子がいた
名前は雪乃𓏸𓏸
モブ
な〜、及川見ろよ
モブ
雪乃すげぇいいよな〜(笑)
モブ
分かる、控えめだけど美人だしな〜
及川
へ〜
"控えめだけど美人"
割と裏でモテる彼女を妬む女子もいたと思う
及川
(まぁ美人なんだろうけど...)
及川
(取っ付き難いんだよな〜、雪乃)
その時は彼女の事を他人事に考えていた
中学を卒業し、高校へ上がった頃
たまたま隣の席になった
及川
よ、よろしくね〜
今思えば不自然だったと思う
雪乃 𓏸𓏸
うん、よろしくね
雪乃 𓏸𓏸
及川くん、
自分の中で"取っ付き難い人"だった彼女は
全くそうではなかった
ただ、周りの偏見で普通の女の子だった
それから、少しづつ彼女に引かれていった
雪乃 𓏸𓏸
...徹?
及川
ん?何?
雪乃 𓏸𓏸
いや、なんかぼーっとしてたよ
雪乃 𓏸𓏸
大丈夫?
及川
うん、大丈夫〜
雪乃 𓏸𓏸
それならいいけど
雪乃 𓏸𓏸
いつもバレーで忙しそうだからわざわざ私と帰らなくてもいいんだよ?
雪乃 𓏸𓏸
ほら、疲れてるだろうし、
及川
も〜!
雪乃 𓏸𓏸
え?なになに??
及川
なんでそんな事言うの??
雪乃 𓏸𓏸
いや、だって疲れてるかなって
及川
気遣ってくれるのは嬉しいけど、好きで𓏸𓏸と付き合ってんの
雪乃 𓏸𓏸
あぁ、そう
雪乃 𓏸𓏸
ならいいけど、
雪乃 𓏸𓏸
無理しないでね
私は知っている
彼には倒したい相手がいて、叶えたい夢がある事を
だから絶対に私は彼の枷にはなりたくない
雪乃 𓏸𓏸
(...枷になりなくないなんて言ったら)
雪乃 𓏸𓏸
(怒るだろうな〜、)
及川
ところで、今年の夏休みは何する?
雪乃 𓏸𓏸
ん〜、バイトと夏期講習
雪乃 𓏸𓏸
それ以外は特に予定なし
及川
じゃあ、及川さんと遊びに行こ〜!
雪乃 𓏸𓏸
うん、もちろん
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