校舎裏の思い出

ﾓﾌﾞ) じゃな - ！たっつん ！ ( 大声

昼休みが終わり，授業が終わり ．

あっという間に下校時になった頃　．

と ，重いリュックを背負った時　．

俺は ，そう声を掛けられた　．

声を掛けた幼馴染は ，ゆっくりと 俺の元に向かってくる　．

そして ， 久しぶりに会っても分かる様な 真剣な顔をして俺に尋ねた　．

どうしても敵対視してしまう俺は ， 冷淡に対応してしまう　．

しかし幼馴染は ， 声を荒げる事なく話を続けた　．

『　大事な話がしたいだけ　．　』

その一言で ，一瞬嫌な考えが 頭をよぎる　．

だがそんな考えはすぐに消した　．

幼馴染が去った後 ， 俺は深い溜息を吐き捨てる　．

…… 本当は関わりたくね - のに　．

まぁ ，それでも言っちまったモンは 取り消せやしない　．

俺は重い足を動かし ， 屋上に向かった ．

ﾀｯﾀ ．

ﾀｯﾀ ．

ﾀｯﾀ ．( 歩

ｶﾞﾁｬ ． ( 扉開

… 見慣れない光景　．

そこは晴天が広がる気持ちの良い場所 ．

しかし　，　校舎裏とは違って 安心感などは無かった　．

【　たっつんの事　】

【　好きだろ．　】

… 嫌な考えが当たってしまった　．

俺とアイツが関わる点と言えば　， まぁそれしか無いよな　．

俺は悪い男だ　．

中学生の頃好きな人を取られたから というちっぽけな理由で　，

目の前の幼馴染を煽っている　．

… けど ，こんな感じで接しないと　，

俺の精神が ，耐えられねｪ＂んだ　．

…… ここで俺は　， 幼馴染の過去を知る事になった　．

これは　，俺がまだ7歳の時だった　．

昔の俺はいわゆるドジっ子で　，

常日頃から転んでいた　．

そのせいで身体中あざだらけ　．

そんな時　，一人の男の子が 俺を助けてくれた　．

その子は俺に手を差し出す　．

この瞬間だろうか　．

俺は ， それを機に同性が好きになった　．

俺が始めて告白したのは　， 小学六年生の時　．

相手は　，あの時から 仲良くしていた男の子　．

たまたま学校が一緒で　， 6年に上がってからはクラスも 同じだった　．

一生懸命に愛を伝える　．

____ しかし ，現実は甘くなかった ．

【　好きじゃないから ．　】

俺は ，今更になってやっと理解した　．

同性を好きになる行為は　， 周りが敵になるという事に　．

そこから俺は　．

周りに同性が好きだという事が バレないように，わざと貶していた ．

そんな中でも　， やっぱお前だけは違ったよ　．

【　個人の自由だろ ？　】

… 個人の自由 ，かぁ ……

俺はそんな事を言う幼馴染に　， 本当の事を言おうか一瞬迷った　．

だけど　……

俺は ，小さい時から弱虫だから　．

周りの価値観に合わせて生きていく 事が ，俺にとっての救命処置だから　．

…… 今は　，言えない　．

…… 俺は驚いた　． 驚き過ぎて開いた口が閉じない程に　．

まさか幼馴染が　， そんな過去を過ごしていたなんて　．

【　俺と勝負しよ - ぜ ． 】

…… この時 ，幼馴染の目は ______

昔とはまるで違う　，鋭く ， それでも活きゞとした目をしていた　．

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