短 編 集

家出

桃くんがかまってくれなくなった

同じ家に住んでいるのに

もうしばらく話していない

きっと

編集とか、お仕事で忙しいのだろう

最初はそう思ってた

でも

最近はほぼ毎日

ほかのメンバーの家に遊びに行っていて

泊まって帰ってくることも多い

おかえりと言っても無視

ご飯は食べてもらえない

話してくれない

こっちをみてくれない

...なんでかな

なんでこうなっちゃったんだろう

...俺が悪いんだよね

俺がこんなんだから桃くんに嫌われちゃうんだよ

桃ちゃ...

寂しい、よ...

またまえみたいにたくさんかまってよ...

やっちゃいけないことをした

寂しいという自分勝手な気持ちが

おさえられなくて

ｶﾞﾁｬｯ

ｷﾞｭｯ

っあ

なぐられる

またむかしみたいに

っや...

こ、わい

ﾊﾞﾀﾝｯ

こわい

なぐられる

けられる

たたかれる

っこわ、い、

いやだ

嫌だ嫌だ嫌だ

...に、げなきゃ

ここから、にげなきゃ、

おれはこわくて

いくあてもなく

ただひたすらにはしった

大きな仕事がやっと一段落して

俺はとても疲れていた

...そういえば最近

メンバーとの仕事の相談が多くて

赤にかまってやれてなかったな

ちゃんとあやまらないと

俺も赤不足だし

これからはたくさんかまってやろう

ｶﾞﾁｬｯ

あれ、いない...

ｶﾞﾁｬｯ

いな、い？

家のどこにもいない...

でもこんな時間に外行くか？

...俺、赤になんかしたっけ

仕事に集中してたせいか全く覚えてない

ん、？

あれ、

俺あの時なんていった？

赤が寂しいっていってきて...それで、

"お前いると集中できない"

"邪魔"

"うぜぇんだよっ！"

ｷﾞｭｩｩ

ｷﾞｭｯ

あやまらなきゃ

...たくさん迷惑かけちゃった

大切なお仕事の邪魔して

全部俺のせいだ...

あっ、

だめだ、

泣いたらもっと嫌われちゃうよ

ｷﾞｭｩｩ

ｷﾞｭｩｩ

ﾁｭｯ

ﾁｭｯ

ｸﾁｭｸﾁｭ

ﾁｭｯ

えんど