杏奈
椿くん!
椿
あ、杏奈さん
杏奈
本、借りれる?
椿
うん、読み終わったから、渡すよ
杏奈
ありがとうー
椿
うん
椿
椿
あのさ、
杏奈
ん?
椿
今日、学校裏の桜が綺麗だったんだよね
杏奈
学校裏?
杏奈
今もう葉桜の時期じゃない?
椿
そう、学校裏の桜
椿
綺麗だったの
椿
見に行かない?
杏奈
…そうなんだ
杏奈
(変だな、満開なはずないのに)
杏奈
いいよ!いこ、見てみたい
椿
見たら僕はすぐ帰るから、帰りのついでって感じだけど、、、いい?
杏奈
全然大丈夫
椿
わかった
杏奈
私も、見て帰ろうかな、椿くんと同じで帰りの準備してあるから
そして桜をみにいった
椿
綺麗でしょ
杏奈
立派な葉桜だね
椿
うん
杏奈
桜って満開のとききれいってよく言われるよね?
杏奈
なんで椿くんは葉桜がきれいだっていうの?
椿
葉桜って、ただ単純にきれいだと思う
杏奈
笑笑
杏奈
まあね。きれい。
椿
満開な桜ももちろん綺麗だよ
椿
だけど葉桜は、桜と葉っぱどっちもあるんだ
椿
よくばりだと思わない?
杏奈
よくばりって?
椿
綺麗な緑色の葉っぱは、僕は葉桜のときしか見れないと思ってる。
椿
葉っぱが満開になるときっていつか僕にはわからないんだ、花が満開じゃないときを葉っぱが満開のときっていうなら、
椿
ずっと桜は魅力的じゃん
椿
だけどそしたら、桜の花が満開のときは人がたくさん集まって葉が満開のときは人が集まらないのはなんでだろうって思うんだ
杏奈
なるほど。。
椿
その中間の葉桜は、
椿
人が満開の桜をみるように注目するものではないけど、
椿
僕は、
椿
一番の魅力がある桜の姿な気がするんだ
杏奈
すごいね
杏奈
そんなこと考えたこともなかった
椿
(微笑む)
杏奈
あ!
杏奈
椿くん笑った!
椿
うん(照れて下向く)
杏奈
(可愛い笑笑)
杏奈
あとね、私も知ってることがあるよ
椿
?
杏奈
桜の花言葉
椿
知ってるよ
杏奈
まじ!
杏奈
やっぱ知ってたかぁ…
椿
けど、いくつかあるよね
椿
どれを知ってるの?
杏奈
そうなの!?
杏奈
まじか、これは私しか知らないと思ってたのに、、、
椿
僕と競ってるの?
杏奈
勝ってみたいじゃん、ふふーんって、してみたいじゃん
杏奈
物知りな椿くんにさ。
椿
頑張ってね
杏奈
悔しい!
椿
笑
杏奈
(また笑った)
椿
それで、杏奈さんの知ってる桜の花言葉はなに?
杏奈
「優美な女性」
椿
杏奈
ある人に言われたことがあるの
杏奈
杏奈って桜みたい
杏奈
って
杏奈
でも私嬉しくなかった笑
椿
なんで?
杏奈
私は、凛々しい人になりたいの。
杏奈
優美って、しとやかとか、上品とか、そんな意味でしょ?
椿
うん。
杏奈
美しいって言われるのはすごい嬉しいんだ
杏奈
だけどそれだと、私だけの個性がその人の目にうつってないんだなって思ったの
杏奈
私はその人にとってただ美しいだけの人なのかって
椿
それって元彼?
杏奈
うん
杏奈
ロマンチックな元彼だった
椿
そっか
杏奈
いい人だけど、私の魅力をわかってくれてない気がしてたから
杏奈
別れた
椿
僕は分かってるのかな
杏奈
なにを?
椿
杏奈さんの魅力を
杏奈
さあーね笑
椿
僕が葉桜を見せたのには理由があるんだよ
杏奈
まあ、椿くんのことだから
杏奈
私もそうだとは思ってたけど
杏奈
椿くんの考えることが私にはじめての想像ができないから
杏奈
なんだろうってさっきからずっと思ってた
椿
そっか
杏奈
椿くんといるとすごい楽しいよ