学校に着くと、
クーラーが涼しい教室。
それに幸せを感じながら席に座る。
道枝駿佑
あ、ゆうかやん
道枝駿佑
おはよ
語尾に♡でも着きそうな喋り方で私の元へ近寄ったのは、
道枝駿佑、略して
クソ男だ。
高橋は私の前に座り、
クソ男の声を聞くなり、
すぐ後ろを振り向いた。
道枝駿佑
あ、高橋もおはよ
高橋恭平
…はよ
おぉ、睨んでる、
高橋、睨むと結構圧強いから怖いんだよね…
って、クソ男は表情変えずニコニコしてる。
道枝駿佑
なぁ、
道枝駿佑
今日数学の教科書忘れてん、
道枝駿佑
その時間だけ貸してくれん?
高橋恭平
はぁ?
高橋恭平
ゆうかやなくて隣にも女子おるやろ
高橋恭平
そっちに貸してもらえや
道枝駿佑
俺はゆうかに聞いてるんやけど
高橋恭平
ゆうかに最低な事しといてよく堂々としてられんな、
高橋恭平
感情あるん?
道枝駿佑
なぁゆうか聞いとる?
高橋恭平
は?
高橋恭平
お前こそ聞いてろよクソ男
…怖い
何このカオス状況…
何この会話空間。
背の高い男2人に囲まれて
そのうちの1人は怒ってて1人は冷静で
高橋は駿佑に話してるし
駿佑は私に話してるし…
…何なのほんとこれ。
"なんで愛川さんが道枝くんの隣に居るの?"
"高橋くんの隣にいる挙句道枝くんまでとは…"
ほら?
聞こえないの?
お二方?
あなた達のおかげで噂されてもっと嫌われたんですけど?
どう責任取ってくれるんですか
青春野郎が!!!
道枝駿佑
なぁゆうか
高橋恭平
馴れ馴れしく名前なんかっ…
ゆうか
うるさああああい!!
ビクリとする2人の方。
はぁ。とため息をついて高橋の方に行く。
ゆうか
高橋、分かったから。
ゆうか
クソ男の事は諦めて?
ゆうか
こいつ、何言っても聞かないから。
ゆうか
救いようないから。
高橋恭平
お、おん?
ゆうか
あと、
ゆうか
クソ男本人。
道枝駿佑
お、おれぇ?
ゆうか
そう。お前。
ゆうか
数学の教科書は土下座してまで誰かに借りろ。
ゆうか
私はお前に貸すものなんてねぇから
ゆうか
覚えとけクソ男
はぁ。
早く夏休み来てこの日常から逃げたい。
けど夏休みが入れば夏祭りが…
こんな頭を抱えるように悩んだのはいつぶりだろう。