少し肌寒くなってきた今日この頃。
名取さんに前助けて貰ったお礼として
ニャンコ先生と七辻屋の饅頭を買いに出掛けている最中。
ニャンコ先生
夏目
ニャンコ先生はガサガサとバッタを追いかけて草むらへ入っていってしまった。
夏目
仕方が無いので、俺一人で買いに行こうとしたのだが、
妖
夏目
いきなり大きな妖が目の前に現れた。
しかしよく見ると見覚えがある。
夏目
妖
夏目
数日前、未熟な祓い屋の罠に掛かっていた所を助けた妖だった。
妖
夏目
妖
夏目
妖
夏目
妖
夏目
頭に過ぎるのは俺に親切にしてくれる名取さん。
それと、今だに少し苦手な的場さん。
2人とも祓い屋だ。
2人のことはよく知っていると言うと嘘になる。
2人のことを知れたら…
もっと名取さんの助けに…
的場さんを理解するキッカケになるかもしれない。
なんて考える。
すると妖は目を細めた。
妖
夏目
夏目
妖が何かを唱え始めると、視界が一気に白くなって意識が落ちる感覚に襲われた。
夏目
頭が痛い。
そう思いながら体を起こす。
夏目
見覚えのない山で寝ていたようだ。
まだ頭がズキズキと痛む。
どうしてここに居たんだっけ。
夏目
夏目
夏目
とりあえず山から出ないと。
ザクザクと落ち葉を踏みながら山の中を歩く。
真っ直ぐ歩いたらいつか出れるだろうとそう思いながら。
しかし───
夏目
どこを歩いてもどこを見ても景色は変わらなくて、今どれぐらい歩いたかさえ分からない。
それに───
夏目
静かで俺の足音だけが響く。
あまりにも静かだ。
人も妖も居ない。本当にここは現実なのかすら分からなくなる。
少し寂しい。
なんて少し落ち込んでいると
後ろからガサガサと大きな音がした
???
そう叫ぶ声はなんだか聞きなれた声で。
ドンッと突き飛ばされた。
夏目
ちょっと痛いけど、すぐに顔を上げる。
そこには大きな妖。
???
俺と同じぐらいの青年が俺を守るように俺の前に立って、紙を持ち、唱える。
するとその青年が持っていたツボの中に妖が入っていって、封じられた。
夏目
???
少し不機嫌に聞いてくるその青年は
帽子をかぶっていて、眼鏡をかけていて。
まるで名取さん───
???
夏目
???
夏目
???
???
夏目
???
夏目
彼は名取周一というらしい。
そう、名取さんなのだ。
けれど俺と同い年。
同姓同名の赤の他人…と思いたかったけれど、
案内してくれる名取さんを後ろから見ていると、
ヤモリの痣が名取さんの手の甲を通った。
やっぱり俺の知ってる名取さんらしい。
ということは俺が過去に来てしまったのだろう。
名取
夏目
名取
夏目
夏目
名取
夏目
夏目
名取
名取
名取
夏目
名取
名取
夏目
名取
夏目
名取
案内してくれる名取さんの姿はやっぱり頼もしくて。
今も昔も優しいところは変わらないな、と思った。
夏目
名取
名取さんが案内してくれたお陰で俺は無事山を降りれた。
のだが、
???
名取
夏目
夏目
山をおりた道で的場さんに会った。
過去の的場さんはショートヘアで片目を隠していない、けれど不思議な雰囲気がある青年だった。
名取
的場
夏目
そう言ってその場を後にしようとした時。
山の奥から声がした。
妖
夏目
妖
夏目
名取
的場
名取さんが何か言おうとしていたけれど
過去の名取さん達を巻き込むのも気が引けて
慌ててその場を後にした。
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