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午前0時の物語

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午前0時の物語

12 - そういえば昨日のペルセウス座流星群、見れました?

♥

8

2024年08月13日

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誰もいないはずの大きな教会に、ゆっくりとした靴音が響く

響き渡る音の主は…

真陽

───そこで何をしてる?

謎の少年

謎の少年

…貴方こそ…此処は…私の…

謎の少年

真陽

此処は、この街の教会だった

真陽

お前が独占していい領域じゃない

謎の少年

謎の少年

もう持ち主はこの世に居ない…

謎の少年

それに、たとえ皆の物だとしても…奪われたら、奪った者のモノになります…

謎の少年

これは…世界の理なんです

真陽

…そうか

真陽

お前の価値観が歪んでることはよく分かった

真陽

残念だけど立ち去ってもらう

謎の少年

…………

真陽

おい、

謎の少年

神の声が聞こえるんです

謎の少年

今も、神は私に語りかけているんですよ

謎の少年

「目の前の穢れを排除せよ」とね。

謎の少年

もっとも、貴方には聞こえないでしょうけど

真陽

ふん、あいにく穢れは嫌いでね

真陽

穢れを浄化する事に関しては僕の方が長けてるんだよ

謎の少年

そうですか…

真陽

お前が偶像の宗教を作り出し、救済を餌に信徒を募っていることは知ってる

真陽

勿論、その信徒を殺していることも

謎の少年

偶像で何が悪いのですか?

謎の少年

最終的に救いが訪れるならいいじゃないですか、まどろっこしい

真陽

じゃあ何故、金の払えなくなった信徒を殺す?

真陽

本当に救いたいと思っているなら殺す必要なんてないはずだ…!

少年は、少し考えた後に両手をそっと合わせ、目を瞑った

謎の少年

…救済の形は人それぞれです

謎の少年

私が求める救済と貴方が求める救済が違うように

謎の少年

信徒達の望む救済もまた異なる…

再び少年の目が開かれた時、僕は直ぐに異変を覚えた

謎の少年

死を求めて祈っている人間を殺すのは間違っているのでしょうか?

真陽

…!

謎の少年

…私はそうは思いません

謎の少年

だってそれが祈りなのだから

真陽

…人間じゃないのか…?

謎の少年

人間ですよ…

謎の少年

ただ、神の力を使えるだけの…ね。

真陽

神の力…?

謎の少年

ええ

謎の少年

手の内を明かすつもりはないので、残念ながら教えることはできませんがね

真陽

真陽

そうか

真陽

最後に聞こう

真陽

本当に此処を去るつもりは無いのか?

謎の少年

無いですね

謎の少年

私は、神の声に従うだけなので

真陽

そうか…

真陽

残念だよ

真陽

“同じ能力者”として、分かり合いたかったものだ

謎の少年

…能力者?

謎の少年

何を訳の分からない事をッ!

カチャ…──バン!!!

荘厳な静寂が満ちていた空間には場違いな、銃声が響く。

真陽

っ…

真陽

よりにもよって教会でそんな物騒な物出してくるなよ…

謎の少年

ただの銃ではありませんよ

謎の少年

貴方…穢れを浄化できるんでしたっけ?

真陽

…?

真陽

…!!!

真陽

辺り一面に…毒霧!?

真陽

(吸い込んだら臓器がやられる!浄化を!)

謎の少年

隙だらけですね…

真陽

っ!しまっ…

バンッ!!!

いや〜〜〜それにしても綺麗な星空ですねぇ!

こんなにも沢山あるんれすから、あの中の一つぐらい人類が住めそうなもんですけど!!

なっかなか難しいらしいですねぇ!なんせ移動に何十光年も掛かっていては人類では物理的に到達できませんからぁ!!

にしても今月も気分上々ですぅ!

あの件から、一時はどうなるかと思いましたぇどぉ!信仰も資金も集まってきてぇ!

人生イージーモード〜〜!!

分かりやすく酔ってますね…

どうしたんれすかぁ?

そんな辛気臭い顔してぇ

…いや

貴方は…死を望む人に対する救済を、“救済という名の死”以外で見つけられたんですか?

そうれすねぇ…

…おそらく、一生見つけることはできないでしょうね

だって、それが彼らの祈りだ

教祖の立場から信徒の祈りを否定する訳にはいかない……す…よ……

ちょ……

…眠いなら言ってくれればよかったのに

すぴ〜……すぴ〜……

…貴方は変わらないな。

……………

……………

…風邪、引きますよ

……

真陽さん

なんですか?

…もう…戻らないんですか?

はい…残念ながら

失われた命は二度と…

戻らない───

────!!

…………

人の死を…見るのは初めてですか?

……

はい…ちゃんと、この目で見届けたのは…

怖いんですか?

怖い……?まさか

ただ、二度と…会えないんだなと思って……

…そうですか──

「教主様!」

「僕の願いは…」

信徒A

教主様が酒をやめられるようになる事です!

それ私に言いますか?

信徒A

本当に健康に悪いんですよ!?

はいはい…分かりましたよ

少しは自重します

信徒A

本当ですか?約束ですよ!

…貴方自身についての願いは無いのですか?

信徒A

…え〜…う〜〜ん…

信徒A

…僕は皆が元気で幸せに生きていてくれたら、それでいいんですよ

………!

二人とも、そろそろ夕飯にしますよ

いやはや、うちの料理人は仕事が早くて助かりますねぇ

ぶっ飛ばしますよ?

信徒A

えっ、もうそんな時間ですか!?

はい…何か予定が?

信徒A

は、はい!今日は…彼女の誕生日で…

はぁ〜!私に恋人が出来ないのに信徒は恋人をね〜〜

醜いですよ非リア

信徒A

すみません!今日は早めに帰りますね!

はぁ…はい…

夜道に気を付けてくださいね

信徒A

はい!失礼しますっ…!

…素敵な日になりますように。

…………

初めて間近で人の死に触れて…

…あの時確かに「もう会えないんだ」って思いました

もうこの人の笑っている姿も見れないし、声を聞くことも出来ないんだと

…そうですね

帰りましょう…

…はい

タルト

ちょっとコラ〜〜〜!!

真陽

…!

謎の少年

っ!誰だ!!

タルト

真陽いじめちゃ嫌〜!!

謎の少年

っ…な…

突然、小さな影に銃弾を跳ねられたと思った次の瞬間には、

真陽

(今だっ……!)

私の意識は落ちていた

ガッ──!!

謎の少年

ッ!!!…

謎の少年

が…………

真陽

……タルト!

真陽

超簡単な仕事だから着いてくるなと!

タルト

どこがよ!!

タルト

めちゃくちゃピンチじゃん!!

真陽

此処は視界が悪いんだよ!

タルト

そういう問題じゃないもん!

真陽

…さて…

真陽は、今しがた気絶させたばかりの古びたシスターの衣装を着た黒髪の少年を見下ろす。

真陽

こいつ、どうすっかなぁ…

タルト

縛って沈める?

真陽

どこへ!?

タルト

冗談だよ〜

真陽

(…でも、この子供からは何か異質な香りがする)

真陽

(街の人とは違う…まるで)

どこか違う世界から迷い込んできたような。

to be continued...

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コメント

7

ユーザー

香りから異世界へ来たってわかるってクソ程鼻いいっすね 相変わらず愚弄にするのは変わらずな少年

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