カチャ、カチャ
そんな音がウサギがいる部屋に 響き渡る
レイン
そう独り言を呟きテーブルに しっかり栓がされたフラスコを コトリと置いた
レインは朝から働かされていた
校長からとある魔法薬を 作って欲しいと言われ 不機嫌状態の中フラスコに 指定された魔法薬に必要な素材を 入れ、作っていたのだ
レイン
レインは自分が作った魔法薬を ボーッと見つめる
そうしているといつの間にか 足元に3匹のウサギがいた
レイン
レイン
自分を見上げる3匹のウサギに問う
前は獣の耳や尾が生えていたため 近付くこともしなかったが 時間と共に効力が無くなった今は このウサギ達に触ることができる
手をウサギ頭に乗せ 頭から背を往復するように撫でる
鼻をヒクヒクと動かしながらウサギは レインのことをじっと見ていた
レイン
ウサギを撫でたことによる癒し効果で 少しのイライラが飛んでいった 今のタイミングだと言わんばかりに サッと立ち上がる
フラスコを手に取り扉へ向かう…
レイン
ガタンッとぶつかる
ほぼ毎日働かされていたことによる 疲労が今来たのか、よろけ体制を 崩すと同時にフラスコをコロンっと 手から滑り落としてしまった
レイン
さっき癒されたばかりなのに またイライラが溜まってきた
レイン
できるだけイライラを減らそうと 大きなため息を吐く
数秒間を置くとゆっくりとしゃがみ フラスコに手を伸ばした
レイン
ここでレインは気づいた
フラスコの中身を閉じていた栓が 落としたことによりズレて 中身が漏れていることに
突然の出来事にレインは眉を顰め 手早くフラスコを回収し栓を しっかりとする
しっかりしすぎて 逆に開かないんじゃないかと 思うくらい押し込んだ後 なにか拭くものは無いかと探す
その時レインは気づいていなかった
こぼれた液体に近寄る 3匹のウサギの存在に…
レイン
今日で何度目かのため息をつき 雑巾を手に戻ってきたレイン
こぼれたものなんぞ魔法で 掃除すればいいものだが こぼれたものは魔法薬のため 自分でしっかり拭かなければ いけないと思った
右手に雑巾、左手を棚に乗せた状態で床にこぼれた魔法薬を遠目に見る
───レインは魔法薬の周りにいる ”ソレ”を見て、無意識にヒュッと 息を飲んだ
そこにいたのはヒクヒクと鼻を 小刻みに動かして匂いを嗅ぎ こぼれた魔法薬を口に 含もうとする…3匹のウサギの 姿があった
レイン
時すでに遅し、とはこのことだろうか
ペロッと短い舌で魔法薬を ほんの少しだけすくい上げ 口へとそれを運んだ
その瞬間、ウサギ達を中心に 部屋全体は眩い光に包まれた
コメント
3件
天然なレインくんも好き(*^ω^*)