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初恋は蜂蜜色でした。

第2話 - 初恋は蜂蜜色でした。

1,252

2019年09月23日

#青春

#学園

#恋愛

ましゅ

恋してもいいですか？

好きのままでいいですか？

この恋が叶わなくてもいいから

どうか、このままでいてください。

朱音千陽

こら！飛雄！

朱音千陽

さっきクラスメイトの女子の顔面にボール当てといて！

朱音千陽

何しれってっとしれてるのよ！？

長友飛雄

ピーチクパーチクうるせぇな。千陽。

長友飛雄

別にええじゃねぇか。チビのくせに生意気。

朱音千陽

だーかーらー！

朱音千陽

チビじゃないって、言ってるでしよぉ！？

朱音千陽

腫れてるんだよ！？心配の一つ二つもかけてくれないの！？

長友飛雄

うるさい。それよりはよ保健室行けよ。迷惑。

朱音千陽

な……なっ！？

朱音千陽

飛雄のバカ！大っ嫌い！

長友飛雄

あっそ、好きにすれば？

ﾀﾀﾀﾀﾀﾀ

朱音千陽

ふぅうううううう！

朱音千陽

何よ、あのバカ幼馴染！嫌い！大っ嫌い！

鈴木怜

こら、声大きいって。

朱音千陽

れ、れい！

鈴木怜

それより、私たちそろそろバレーの試合よ。きっちり用意した？

朱音千陽

え、まだこの子が………

クラスメイト

……うっぐ、私なら、平気っ…だ、から……。

鈴木怜

私がこの子を保健室に連れて行くわ。だから、千陽はバレーの試合してて。

朱音千陽

う、うん！

朱音千陽。

さっきのクズ男は私の幼馴染で生意気な長友飛雄。

昔から私のことをチビだのうるせえだのいってくる。

とにかくうるさくて、大っ嫌い。

それに対して真反対の親友、鈴木怜

小学生のときからずっと仲良しで、頼りになる姉御肌のような存在。

そして、何より私の憧れだ。

男子

朝比奈！パス！

パシュっ

男子

朝比奈！ないすしゅー！

朝比奈陽

お〜！

朝比奈くん…。

朝比奈くんは、クールだけどどこか優しくて。

前も、私のことを助けてくれた。

朱音千陽

………。

鈴木怜

千陽、一緒に帰ろ。

朱音千陽

あれ、怜。部活は？

鈴木怜

今日お休みなの。だから一緒に帰ろ。

朱音千陽

やったあ！帰ろ帰ろ！

-廊下-

鈴木怜

千陽。気をつけてよ、スキップしながら階段降りたら落ちるわよ。

朱音千陽

ふふ〜ん、平気だよ平気！

朱音千陽

ほらほら〜…………って

朱音千陽

うわ！

鈴木怜

千陽！

ﾊﾞﾀﾊﾞﾀﾊﾞﾀ

朱音千陽

っ……。

鈴木怜

千陽！大丈夫？

鈴木怜

ほら言ったじゃない！大丈夫？立てる？

最悪、調子乗ってしまった。

足がヒリヒリ…というかズキズキしてていたい。

立てない。

朱音千陽

え、えへへ。ごめんね怜。ほら、全然…！

いたい。

鈴木怜

そう…？ならいいけど…。

朱音千陽

うん！そんな重い顔しないで〜！行こ行こ！

ﾌﾜ

朱音千陽

っ……え。

長友飛雄

何が平気だよこのバカ。

朱音千陽

！？

朱音千陽

ひ、ひゆう！？

ってか今、お姫様抱っこ状態なのですが！？

何勝手にやってんのよ、デリカシーというものはないの！？

長友飛雄

鈴木、すまん。こいつ持って行くな。

鈴木怜

え、うん。

朱音千陽

ちょ！放して放して！

長友飛雄

暴れるなよこのチビ。

朱音千陽

や、ヤダヤダ！こんなの人に見られたら…！！！

長友飛雄

ならここにおいて置こっか？

朱音千陽

い、嫌だ！これはダメ！

長友飛雄

だったら我慢しろ、わかったな。

朱音千陽

〜〜〜！

朱音千陽

………くそう……わかったよ………。

長友飛雄

千陽、お前なんで腫れてんのに無理してたんだよ。

朱音千陽

だっ、だって心配掛けたくなかったもん！

長友飛雄

あ〜、めんどくさ。わかったわかった。

ｶﾞﾗ

長友飛雄

先生いねーな。

朱音千陽

う、うん。

長友飛雄

とりあえず消毒するからじっとしとけ。

朱音千陽

は、はい。

朱音千陽

……ひゃあ！くすぐったい！

長友飛雄

バカでっけー声出すな！

朱音千陽

だ、だってだって冷たいんだもん！

朱音千陽

……っん………。冷たいよ……もう少し優しくできないの！？

朱音千陽

いっつも強引なのよ！

長友飛雄

仕方ねえだよ。ほら、テーピング。

朱音千陽

あ、自分でやる。

長友飛雄

できるのか、お前が？

朱音千陽

な、馬鹿にしないでよ！

ｸﾞﾙｸﾞﾙｸﾞﾙ

数分後

長友飛雄

……んっ……くく……ぶっ……。

朱音千陽

し、仕方ないじゃん！初めてだったんだから！

グルグルに巻かれたテーピングは、歪な形になっていた。

長友飛雄

貸せ、俺がやる。

朱音千陽

あ、どーも

長友飛雄

……お前、感謝してねーよな。

朱音千陽

してないですが？

長友飛雄

ったく…お前ってほんと生意気だよな。

朱音千陽

う、うるさい！

長友飛雄

………ほい。できた。

朱音千陽

ううう……どうもありがとうございます……。

長友飛雄

次は転ぶなよ。

朱音千陽

…っ、も、もう転ばないもん！

ｶﾞﾗｶﾞﾗ

ﾋﾟｼｬﾝ

朱音千陽

……もしかして

朱音千陽

心配してくれたのかな……

あんな飛雄、見たことないもん。

怪我して、あんなに必死な飛雄。

少しは、心配してくれたのかな…。

朝比奈陽

………。

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みたぁーぃ！

ましゅ

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