『指定席』

ばいばい

言えなかった最後の言葉

引っ越すなら…

言ってくれれば良かったのに…

最後くらい

ちゃんと気持ちを伝えて、

終わらせたかった

君への想い

ねぇ、

まだ行かないでよ…

傍に居てくれるって言ったじゃん…

なんで…

もう会えないかもしれないのに…

気持ちを言わせてくれないの?

ばいばい

そんなの、言わせないよ。

だって、

ずっと傍に居るって言ったろ?

お前は俺のこと、

好きなんでしょ？

気付いてないとでも思った?

何年お前と一緒に居ると思ってんだよ笑

俺が部活してるときも

勉強してるときも

お前は俺のことばっかり見てたし笑

ストーカーかと思った笑笑

引っ越すって言わなかったのは…

言ったらお前が

さよならって言うと思ったから。

言わせたくなかったんだ…

ごめんな。

でも、

絶対帰ってくるから。

お前の隣は、

俺の指定席だから。

ぜってぇー他の奴に座らせるなよ?

…だからさ

その時まで…

待ってて？

…わかったよ

…私、ずっと待ってるから。

ちゃんと座りに来てよね。

指定席

…あぁそれと、

左手の薬指も空けとくからさ、

ついでにここも、

君の指定席ってことで。

…じゃ、

行ってらっしゃい。

行ってきます。