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読ませていただきました!!! とっても面白く、長いはずなのにあっとゆう間に読み切ってしまいました🙌 考察いたしましたが、めちゃくちゃ長くなった為にTwitterに掲載しております🙏 またお時間ある時に是非、お目通しを🙄
この話を読んだのはこれで3度目、です…。 8月頃に出されたストーリーを現在10月後半に差し掛かっても読んでるとは もう少しで依存症かも。😶 やっぱ何度読んでも難しい…シンヤはなんで生きてたんだろう? やはりもっと読む他ないですね
わんだふるおさん 再度ありがとうございます( ;∀;) 考察までして頂いて本当に嬉しいです。 これからもどうぞよろしくお願いします🙏🏻
シンヤ
ハヅキ
ハヅキ
シンヤ
ハヅキ
ハヅキ
ハヅキ
シンヤ
ハヅキ
シンヤ
シンヤ
ハヅキ
ハヅキ
ハヅキ
ハヅキ
シンヤ
シンヤ
シンヤ
シンヤ
ハヅキ
ハヅキ
ハヅキ
シンヤ
ハヅキ
ハヅキ
ハヅキ
シンヤ
シンヤ
シンヤ
シンヤ
ハヅキ
シンヤ
ハヅキ
ハヅキ
シンヤ
ハヅキ
シンヤ
シンヤ
シンヤ
ハヅキ
ハヅキ
シンヤ
ハヅキ
シンヤ
ハヅキ
シンヤ
シンヤ
シンヤ
ハヅキ
ハヅキ
ハヅキ
〝月面コロニー〟
ここはそう呼ばれている
俺とハヅキが 生まれ育った場所
水も食糧も空気も設備も
完璧に自給自足できていて
治安も秩序も狂いない
人口1200万程度の俺たちの家だ
〝人類の夢見た理想郷〟
とも言われていて
確かに不自由をしたことは ほとんどない
じゃあ何故
〝理想郷〟とまで呼ばれたこの場所を
抜け出そうだなんて考えたか
それは この場所が持つ
秘密主義のせいだ
例えば目の前にある地球
あっちにも人は住んでいるし
今まで歩んできた歴史と 作ってきた文明がある
それに興味を持つのも同じ人類なら
さほど不思議じゃないだろう?
少なくとも
俺は知りたかった
だがこのコロニーは
その歴史を
隠蔽しようとする
図書館にある資料ですら
一部の情報は黒マーカーで 塗りつぶされているし
パソコンのデータベースも同様に
一部の関連ワードには異常な程の アクセス規制が掛かっていた
こういうところだ
秘密主義で、どこか息苦しくて
大人達がコソコソしているこの場所が
俺たちは嫌いだった
だから
決めた
シンヤ
ハヅキ
その後のことなんて
さほど考えもせずに
«コロニー B-5棟 常設スクール»
[5限目 生活応用学]
先生
先生
先生
先生
先生
先生
ユウヤ
ユウヤ
ユウヤ
ユウヤ
ユウヤ
ユウヤ
先生
先生
先生
先生
シンヤ
ハヅキ
ハヅキ
シンヤ
シンヤ
シンヤ
ハヅキ
先生
シンヤ
シンヤ
シンヤ
シンヤ
シンヤ
シンヤ
シンヤ
シンヤ
シンヤ
先生
先生
先生
先生
先生
先生
先生
ジリリリリリ
先生
先生
先生
ハヅキ
ハヅキ
シンヤ
シンヤ
俺たちは住居エリアへと続いている
水平型エスカレーターの上で 他愛のない話を駄べっていた
左横には強化ガラスで出来た 曲面を描く透明な壁があって
青い地球が一望出来る
特に授業終わりのこの時間は
太陽の角度も丁度いいらしく
地球が 綺麗なコバルトブルーに輝いた
シンヤ
シンヤ
ハヅキ
ハヅキ
ハヅキ
ハヅキ
ハヅキ
シンヤ
シンヤ
シンヤ
ハヅキ
ハヅキ
シンヤ
ハヅキ
シンヤ
シンヤ
ハヅキ
ハヅキ
ハヅキ
ハヅキはエスカレーターの上で 軽くジャンプをすると
体育座りのように身体を丸めながら クルクルと宙を舞った
ハヅキ
ハヅキ
ハヅキが回転しながら にこにこと微笑む
シンヤ
シンヤ
シンヤ
ハヅキ
ハヅキ
シンヤ
シンヤ
ハヅキ
ハヅキ
ハヅキ
彼女は宙を舞いながら ガラスの壁をトッ…っと少し蹴ると
そのまま流れるように カードキーで家の鍵を開けた
ハヅキ
シンヤ
シンヤ
父さん
家に帰ると
この時間にしては珍しく 親父がいて
ダイニングテーブルで飯を食べていた
シンヤ
父さん
父さん
シンヤ
父さん
父さん
父さん
シンヤ
父さん
シンヤ
シンヤ
親父はエンジニアをしていて
身近な家電から宇宙船まで
色々な物をメンテナンスしたり 修理したりするのが仕事らしい
仕事仲間の技師たちには
〝ボス〟とか〝オヤジ〟 って呼ばれてるし
多分ちょっと偉いんだと思う
色々不器用でやかましいけど
男手ひとつで俺を育ててくれて
本当に感謝してる
父さん
父さん
スプーンで食器の料理を 一気にガツガツと掻き込む
シンヤ
父さん
父さん
親父は洗い場にトレーを放り投げると
バタバタと慌ただしく外へ出て行った
シンヤ
シンヤ
感謝してる
けど
俺の見えないところで 柄にもなく泣いていたり
夜遅くまで頭を抱えて 仕事じゃない何かに没頭していたり
親父も俺に何かを隠してる
大きな何かを
それに
俺と話していても
〝俺に〟話していない気がする
言葉にするとなんか変に思えるし
何言ってるか分からないと思うけど
そんな気がしてしまうんだ
この奇妙な居づらさも
コロニーを抜け出そうと考えた 理由の一つなのかもしれない
シンヤ
シンヤ
ハヅキ
シンヤ
シンヤ
シンヤ
ハヅキ
授業終わりの教室で
シンヤが私に何か差し出してきた
よく見ると
それは、よれによれまくった しわくちゃの茶封筒
軽く横に振ると ジャラジャラ音がする
シンヤ
ハヅキ
手のひらで受ける様にして
封筒の中の物を出してみた
ハヅキ
ハヅキ
ハヅキ
ハヅキ
シンヤ
シンヤ
シンヤ
ハヅキ
シンヤ
シンヤ
ハヅキ
シンヤ
シンヤ
シンヤ
シンヤ
ハヅキ
ハヅキ
ユウヤ
ハヅキ
シンヤ
ユウヤ
ハヅキ
ハヅキ
シンヤ
ユウヤ
ユウヤ
ユウヤ
ユウヤ
シンヤ
シンヤ
ユウヤ
ユウヤ
シンヤ
ハヅキ
ハヅキ
ハヅキ
シンヤ
ユウヤ
ハヅキ
«管理エリア行き エスカレーターにて»
シンヤ
シンヤ
ユウヤ
ユウヤ
シンヤ
シンヤ
シンヤ
シンヤ
シンヤ
ユウヤ
ユウヤ
シンヤ
シンヤ
シンヤ
シンヤ
ユウヤ
ユウヤ
ユウヤ
シンヤ
ユウヤ
シンヤ
シンヤ
シンヤ
シンヤ
ユウヤ
シンヤ
シンヤ
ユウヤ
シンヤ
ユウヤ
ユウヤ
シンヤ
人気の少ない管理エリア
その真っ白な廊下の突き当たりで
ユウヤがバッグをゴソゴソ探っている
シンヤ
ユウヤ
ユウヤ
ユウヤ
横の四角いカードリーダーに カードをかざすと
『関係者以外の使用厳禁』と書かれた 重々しいエレベーターのドアが
ピピーッと高い音と共に
いとも簡単に開いた
シンヤ
シンヤ
ユウヤ
ユウヤ
シンヤ
シンヤ
ユウヤ
ユウヤ
ユウヤ
シンヤ
ユウヤ
ユウヤ
ユウヤ
シンヤ
ユウヤ
ユウヤ
ユウヤ
ユウヤは だった〝かな〟と言いつつも
迷わずそのボタンを押した
そのままゆっくりドアが閉まると
エレベーター内が少し薄暗くなる
シンヤ
ユウヤ
ユウヤ
シンヤ
ユウヤ
シンヤ
この閉塞感と薄暗さのせいだろうか
何か話そうとしたけれど
開こうとする口が少し重たかった
ユウヤ
ユウヤ
シンヤ
ユウヤ
ユウヤ
シンヤ
ユウヤ
ユウヤ
シンヤ
シンヤ
ユウヤ
シンヤ
ユウヤ
ユウヤ
シンヤ
シンヤ
ユウヤ
シンヤ
ユウヤ
ドアが開くと
先の見えない真っ暗な廊下が 奥へと続いた
シンヤ
カチカチ…
シンヤ
ユウヤ
シンヤ
シンヤ
シンヤ
ユウヤ
ユウヤ
ユウヤ
シンヤ
ユウヤ
シンヤ
カチッ…
ユウヤ
シンヤ
シンヤ
ユウヤ
静かにゆっくり歩み始めると
俺たち2人の足音が
黒く暗い廊下の奥に 吸い込まれていく
カツ…
コツ…
カツ…
コツ…
ユウヤ
ユウヤ
シンヤ
ユウヤ
シンヤ
シンヤ
ユウヤ
ユウヤ
ユウヤ
シンヤ
ユウヤ
ユウヤがライトの光で 左奥側のドアを照らした
シンヤ
タッタッタッ…と ドアの目の前まで走る
シンヤ
シンヤ
シンヤ
シンヤ
ユウヤ
ユウヤ
ユウヤ
シンヤ
ユウヤがカードを手にして
ゆっくりとカードリーダーに近付けた
ピピーッ
シンヤ
ドアが音を立てて開く
室内もかなり暗かったけど
目の前にはビニールのノレンの様な ものが見えた
シンヤ
ユウヤ
ユウヤ
ユウヤ
シンヤ
シンヤ
シンヤ
先が気になってしまう
シンヤ
シンヤ
シンヤ
ユウヤ
ユウヤ
ユウヤ
ユウヤがずんずん中に進んで行く
シンヤ
びらびらとしたノレンをくぐると
またさらに目の前に ガラス張りの部屋が見えた
シンヤ
目を凝視してみるけれど
シンヤ
ユウヤ
ユウヤの見つけた右奥のドアから
ゆっくりと
慎重に
中に進んでいくと
人感センサーに反応したのだろうか
ブゥン…という音と共に
室内が
ブラックライトに照らされた
シンヤ
ユウヤ
ユウヤ
シンヤ
部屋の中央には
直径1メートル程の
透明な液体で満たされた 円柱カプセルがあって
中には胎児から生後3ヶ月くらいの 子供が入っている
そして部屋の側面には
白装束を着せられた
10代から20代くらいの男女達が
まるでハンガーに掛けられた 洗濯物の様に
壁面に吊るされていた
よく見ると
壁面の一部には 『Body』と書かれている
シンヤ
ユウヤ
シンヤ
シンヤ
ユウヤ
シンヤ
シンヤ
ユウヤ
シンヤ
ユウヤ
シンヤ
シンヤ
シンヤ
シンヤ
ユウヤ
水平型エスカレーターの上を全力で 駆けていく
シンヤ
シンヤ
シンヤ
シンヤ
シンヤ
通話
00:00
シンヤ
ハヅキ
ハヅキ
シンヤ
ハヅキ
シンヤ
ハヅキ
シンヤ
通話
00:12
シンヤ
シンヤ
カードキーで玄関を開けて
リビングまでドタドタ走っていくと
父さん
父さん
親父がリビングテーブルで 小物の修理作業をしていた
シンヤ
父さん
父さん
シンヤ
シンヤ
父さん
シンヤ
父さん
父さん
親父は
ゆっくりと立ち上がると
今まで見たことない様な
感情を消した冷たい目つきで
俺を
見た
父さん
シンヤ
シンヤ
シンヤ
父さん
考えるよりも先に 身体が動いていた
荷物も持たずに玄関を飛び出す
ハヅキ
ユウヤ
シンヤ
シンヤ
ハヅキ
ハヅキ
シンヤ
シンヤ
ユウヤ
ハヅキ
ハヅキ
ブヅンッ
ビィィィー!!ビィィィー!!!
ハヅキ
廊下の照明が一度全部落ちると
甲高い警告音と共に 真っ赤なライトに切り替わった
シンヤ
ユウヤ
シンヤ
«3番整備エリア 搬出ゲート前»
警報がなったせいだろうか
整備エリアには人ひとりいなかった
なんにしても
こちらにとっては都合がいい
ハヅキ
シンヤ
エリアの左奥にある
トビウオを連想させる形の 小型宇宙船
ユウヤ
シンヤ
ハヅキ
走ってデッキまで行き
船のロックを外して荷物を放り投げる
シンヤ
シンヤ
ハヅキ
ハヅキ
シンヤ
ユウヤ
ユウヤ
船の中に宇宙服も放り込まれる
シンヤ
シンヤ
シンヤ
ユウヤ
ユウヤ
シンヤ
ユウヤ
ユウヤ
ユウヤ
シンヤ
ユウヤ
ユウヤ
ユウヤ
ユウヤ
シンヤ
シンヤ
ユウヤ
ユウヤ
ユウヤ
シンヤ
シンヤ
ユウヤ
ユウヤはそう放つと
外から船のロックを掛けた
シンヤ
シンヤ
シンヤ
ハヅキ
シンヤ
シンヤ
シンヤ
ハヅキ
ハヅキ
船がゲートに向かって 少しずつ前進する
ハヅキ
ハヅキ
船のフロントガラスから
ゲート操作盤を弄るユウヤが見えた
俺たちに気が付くと
ユウヤ
無表情で
あいつに似合わないグーをした
外に空気が漏れるのを防ぐために
ゲートは二重構造になっている
その一枚目のゲートが開いて
船が完全に二枚の間に入ると
そのまま1枚目のゲートが閉まった
ユウヤの姿も
見えなくなる
ハヅキ
シンヤ
数秒おいて
2枚目のゲートも ゆっくりと開いていく
目の前には
あれ程遠く感じた地球が見えた
ハヅキ
〝備えあれば憂いなし〟
それが僕のモットーであったけれど
今の僕には
あろう事か
その備えがなかった
ユウヤ
ユウヤ
ユウヤ
警備部隊員
警備部隊員
ガチガチの装備に身を包んだ 警備隊達が
僕に銃口を向けてくる
ユウヤ
ユウヤ
ユウヤ
これしかないな
ユウヤ
ユウヤ
ユウヤ
警備部隊員
僕は2枚目のゲートを開けたまま
ユウヤ
ユウヤ
1枚目のゲートも開いた
シンヤ
シンヤ
ハヅキ
シンヤ
シンヤ
ハヅキ
ハヅキ
ハヅキ
シンヤ
ハヅキ
ハヅキ
ハヅキ
ハヅキ
シンヤ
ハヅキ
ハヅキ
ハヅキ
ハヅキ
ハヅキ
シンヤ
シンヤ
シンヤ
ハヅキ
ビーッ
ビーッ
ハヅキ
シンヤ
シンヤ
船の電子見取り図を見ると
この船の右翼部分で
赤いランプが点滅していた
【DANGER】
こんな分かりやすい警告が あるだろうか
シンヤ
シンヤ
ハヅキ
シンヤ
ハヅキ
シンヤ
シンヤ
シンヤ
ハヅキ
シンヤ
シンヤ
シンヤ
シンヤ
ハヅキ
ハヅキ
ハヅキ
ハヅキ
バタンっ
ハヅキ
ハヅキ
ハヅキ
ハヅキ
シンヤ
ハヅキ
シンヤ
シンヤ
シンヤ
シンヤ
ハヅキ
ハヅキ
ハヅキ
ハヅキ
シンヤ
シンヤ
ハヅキ
ハヅキ
ハヅキ
シンヤ
シンヤ
ハヅキ
ハヅキ
ハヅキ
ハヅキ
ハヅキ
ハヅキ
シンヤ
シンヤ
シンヤ
ハヅキ
シンヤの残った船から
ポッドは だんだんと離れていく
ハヅキ
ハヅキ
大気圏に突入すると 船の周りが燃えるように赤くなって
跡形もなく
散り散りに消えていった
ハヅキ
ポッドが
ガタガタと大きく揺れ始める
身体にかかるGが強くなってきて
私は
ゆっくりと意識をなくしていった
ゴムを焦がした様な 嫌な焦げ臭さと
大気中の微量な有害物質の検知 を知らせる甲高い警報で
私は目を覚ました
ハヅキ
ハヅキ
宇宙服を着ているのになんで 臭うのかと思えば
ヘルメットの前面ガラスが割れていた
ハヅキ
ハヅキ
ポッドの扉は黒焦げなうえに 半分割れるように壊れていて
思いっきり蹴っ飛ばすと 私の力でも残りの扉が吹っ飛んだ
ハヅキ
這いつくばって
ポッドから抜け出す
ハヅキ
ハヅキ
ハヅキ
ハヅキ
重い身体を踏ん張らせながら
プルプルと直立する
ハヅキ
私の目の前に映ったのは
シンヤと2人で話していたような
高層ビルがそびえ立ち
人々が行き交う文明の星ではなかった
ハヅキ
存在した建物たちは
吹き荒れる砂嵐に埋もれ
自然をかたどった木々たちは
黒い炭のように成り果てていた
もちろん人なんて影すらもない
ハヅキ
あてもなく、とぼとぼと
かつてコンクリートジャングル と呼ばせた
ビルたちの廃墟の間を 縫って歩いてゆく
一度
ふと、視線の向いた 埋もれていた表示板には
『Tokyo』と書かれていた
ハヅキ
文明はとっくに滅んでたんだ
そんなことも知らずに
私たちは…
ハヅキ
ハヅキ
ハヅキ
ハヅキ
ハヅキ
トサッ…
…
……
ぃ…
………
ぉい
………
ハヅキ
ハヅキ
ハヅキ
ハヅキ
ハヅキ
ハヅキ
ハヅキ
ハヅキ
髪と髭が伸びて
少し大人っぽくなった?
背も少し大きく…
でも
間違うはずがない
目の前のその人は
紛れもなく
ハヅキ
シンヤ
シンヤ
シンヤ
シンヤ
ハヅキ
ハヅキ
ハヅキ
守りたい虚偽
消したい真実
正しい勘違い
間違えた確信
それはきっと
割と身近に
存在する