ぱんなこ
ぱんなこ
ぱんなこ
ぱんなこ
No.5
No.2
今日、これから俺はほとけの家に凸ろうと思う。
あいつは引っ越してから、メンバーを部屋に入れたことがない。 少なくとも俺の知ってる限りでは。
初兎も、「家の前まで行っても入れてくれへん」とかって言っていた。
さすがに部屋が汚いからって、 事前に言っておけば片付けくらいするだろう。
でも事前に言ったところで入れてくれやしない。
気になる。だから凸る。 それだけの話だ。
No.5
家の前に着いた俺は、ほとけの家のチャイムを鳴らした。
ピーンポーン
ありがちなチャイムの音が響く。 家の中からパタパタとスリッパの足音のような音が近づいて来た。
ガチャ
No.2
露骨に不信感を含んだ返事をしつつ、 ドアの隙間から水色の髪と瞳が覗く。
No.2
透き通った瞳に戸惑いが滲む。
No.2
No.5
No.2
No.5
No.2
制止するほとけを脇に、中にズカズカと入っていく。
廊下の突き当たりのドアを開けつつ後ろを振り返ると、 ほとけがあわあわしながら玄関を施錠し、 俺の脱いだ靴を揃えてから後を追いかけてきた。
意外と几帳面なんだなと思った。
そんなに几帳面なら 部屋が常に人を招けないほど汚いことがあるのか? とも。
視線を前方に戻し、部屋に入る。
息を飲んだ。
部屋の右側にはキッチンがあり、 左側にはベッドや活動用の機材が置いてあった。
そこまでは至って普通の部屋だ。
そこまでは。
ベッド側の壁の一部が、青かったのだ。
ただの青では無い。 主に、俺のグッズで。
No.5
壁にはタペストリーや、タオル、Tシャツがかかっている他に、 棚の上には俺のアクスタやアクキー、缶バッジが ずらりと並べられていた。
そして壁にかかるグッズに混じって、 写真のようなものが十数枚貼り付けられていた。 なんの写真か、近づいて確かめる。
No.5
俺の写真だった。
明らかに盗撮で、撮られた覚えもないもない写真ばかり。
ダンス練習中の写真や俺がご飯(まろ弁)を食べている写真、 中には、移動中の車で寝ている写真や 着替えで上裸になっている写真もあった。
No.2
何も言わないほとけの方を向き、恐る恐る尋ねる。
No.5
No.2
No.5
No.2
No.5
No.2
少し潤んだ目を俺から背け、小さい声でそう呟く。
俺は言葉の意味を理解出来ないでいた。
「す、きだから」?「好きだから」?好き、?ほとけが?俺を?
No.5
No.2
No.5
No.2
俯いて黙り込むほとけ。
俯いたままこちらに近づいてきた。
No.5
俺の言葉を遮って、ほとけの唇が俺の口を塞いだ。
驚いて身動きが取れなかった。
No.5
No.2
戸惑いと衝撃や照れなどで顔がぶわっと熱くなるのを感じた。
ほとけは少し頬が赤らんでいるものの、暗い表情をしている。
No.2
No.5
ほとけはそう言うと、 棚の上に並べてあった俺のグッズや 壁にかけてあったグッズや写真を剥がし、片付け始めた。
No.5
No.2
俺は、目から雫をこぼしながら黙々と グッズを片付けるほとけを見ていられなくなり、 後ろから抱きしめて止めた。
No.5
No.2
No.5
No.2
動かし続けていた手を止め、堰を切ったように泣き出した。
床にへたり込み嗚咽を漏らすほとけを正面から抱きしめ直し、 頭を撫で、背中をさすって落ち着かせる。
No.5
No.2
No.5
No.2
No.5
No.2
ほとけがぐしゃぐしゃの顔をパーカーの袖でぬぐいながら訴える。
普段はうざいほどにやかましいほとけが、 今は弱々しく泣きじゃくっている姿を見ていると、 庇護欲に似たものが湧いてくる。
No.5
背中をさっきより強めにさする。
ほとけはだんだん落ち着いてきて、一呼吸置くとゆっくり顔を上げた。
赤く腫れている目元を見ると心が痛んだ。
コメント
4件
リアルでその理由でメンバーいれへんのやったらるなは嬉しいぜ☆(?)