# 3
キーンコーンカーンコーン × 2
桃
なんて、狼狽える僕を見て、何もなかったかのように、楽しそうに屋上を出て行った。
桃
青
桃
青
桃
青
触れられた唇が熱い
なんなのあの男
頭に浮かぶのは一ノ瀬の顔
意地悪そうに笑った顔。
楽しそうに笑った顔。
そして 真剣に見つめてくる顔。
青
桃 side
桃
屋上を出た瞬間、咄嗟に手で口を押さえた。
絶対顔、赤い気がする 、
天然なのか、鈍感なのか、男に対して全く危機感のない青。
ただでさえ人気があるし、告白されることだって結構多い。
桃
1番危ないのは俺だろ、、
ただ危機感を持って欲しかっただけなのに、気づいたら顔を近づけていた
いつも凛として、恥ずかしそうな顔なんて滅多に見せない青。
その分、焦った表情とか、恥ずかしそうにする姿があまりに貴重すぎて。
いつものクールな表情を俺が崩してる
桃
太陽がまぶしい5月半ばの朝。
僕は家のドアを開けた瞬間、凍りついた。
桃
ん?
今、幻覚が見えた気がする
外に出ようとした足を止めて、静かにドアを閉めつつ深呼吸。
桃
ニコニコとして、朝からどんよりした気分にさせてくれる男。
青
桃
青
桃
ニッと笑ったその顔は、太陽に反射してキラキラと溢れんばかりの笑顔。
よくもまあ、朝っぱらからそんな笑顔で笑えるね……
そこだけは尊敬するわ
青
桃
っ な 、 なんだよそれ
青
桃
青
全然話通じてないし、挙句の果てには変態発言。
まじで逮捕されろ
桃
青
また昨日と同じく、両手を広げて僕の目の前に立つ一ノ瀬。
うわぁ、ムカつくくらい身長高い
青
なんか嫌な予感しかしないんですけど
桃
青
なんとなく予想できたけど、一応聞いてみる。
桃
青
貼り付けたような笑みでにっこり笑って、次はその手をバシッと叩く。
桃
青
自業自得。
いて〜と、顔をしかめながら手のひらを擦る姿を横目で見つつ歩き出せば、後ろから一ノ瀬が追いかけてきた。
桃
青
桃
青
青
気づけば、すっぽり覆われる身体と、
ふわっと鼻をくすぐった、甘い香り。
青
青
桃
そうやって、またぎゅっと力が込められる。
桃くん、きつく抱きしめすぎ!
ピタッとくっつく身体に、後ろへ腰を引こうとすれば、
桃
青
桃くん近すぎるんだもん 、!
それに、なんかいい香りして、変に心臓早いし
なんて、たぶん嬉しそうにするだろうから、口が裂けても言わない。
桃
青
桃
桃
青
桃
スっと身体が離されて、覗きこまれた瞳はお願い、と強く訴えかけてくる。
う、うぅそんな目で見ないでよ。
青
改めて言うのが恥ずかしくて、発した声はめちゃくちゃ小さくなってしまった。
桃
青
一ノ瀬が吹き出した隙に、するりとその腕から抜け出した僕。
こっちは頑張って言ったってのに、笑うだなんて、ひどすぎじゃない!?
めちゃくちゃ嬉しそうにしてたのは、一瞬だけ、
ほんの一瞬だけは、見えた気がする。
桃
一目散に走り出した僕の後ろで、桃が、また笑いながら走る音が聞こえる
なに笑いながら走ってんだよ
不審者に思われて、補導されても知らないよ?
それを言おうと思ったけれど、今は死んでも振り向かない。
だって、今そうしたら絶対からかわれるのは目に見えてるから。
たぶん、僕今顔、赤いと思うから。
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続き楽しみに待ってます!