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大森元貴side
あの日から僕は旧校舎の1ー2教室によく通うようになった
いつもその教室に入ると、必ず涼ちゃんが1番端っこの窓側の席に座って待ってくれている
「今日はいい天気だね」
「お弁当の中身は何?」
「最近勉強が難しくてさ」
陰キャで喋るのが苦手な僕を気遣ってか、涼ちゃんはいつも優しく話しかけてくれる
僕は純粋にそれが嬉しかった
それでも、いくら優しい涼ちゃんでも知られたくないことがある
僕がいじめられてるってこと
それを知ったら涼ちゃんはどんな反応をするだろう?
僕を慰める?
若井と同じようにいじめ始める?
僕を見捨てる?
あの場所に来なくなっちゃう?
嫌なことしか思いつかないから絶対にバレてはいけない
涼ちゃんとの時間を過ごすためにも、必要な嘘はある
…最近、涼ちゃんと話せていて浮かれていたのかもしれない
いや、確実に浮かれていた
だから気を付けていた悪い癖が出てしまった
大森元貴
大森元貴
若井滉斗
大森元貴
大森元貴
ここまではまだギリギリ許容範囲内だったかもしれない
しかし次の言葉で若井に火をつけてしまった
大森元貴
大森元貴
言い終わった後に後悔した
こんなにキツくバカにした様な言い方は無いだろ
もっと違う言い方があったのに、
次の瞬間、若井は目を見開き、そして光の無い真っ黒な目で僕を睨んだ
若井滉斗
若井滉斗
若井滉斗
「ガキはどっちだよ」
確かに子供みたいなことしてるのは僕の方かもしれない
それを見下してる若井の方が大人なのかもしれない
若井はギターを乱暴に置き、部室を出ていってしまった
僕は取り返せない誤ちを犯した
さっきの言葉はきっと若井の心を傷つけた
今回に限らず、今までも無意識に若井を傷つけるような言い方をしていたのかも
どうしよう、手が震える
吐いた息が震えて湿っぽい
とっさに頭に浮かんできたのは涼ちゃんの顔
「涼ちゃんに会いたい」
そう思ったら体が勝手に動いていた
大森元貴side
旧校舎の1ー2教室のドアの前で立ち止まった
今は部活動の時間だ
涼ちゃんがそんな都合良く教室に居る訳ない
踵を返そうとした時、声を掛けられた
藤澤涼架
大森元貴
涼ちゃんだ
涼ちゃんの声を聞いただけで泣きそうになる
ただ泣いてはいけない、
僕がいじめられていることを涼ちゃんに知られてはダメから
藤澤涼架
大森元貴
いざ言葉にしようとすると喉に詰まる
藤澤涼架
ニコリと笑ってくれる涼ちゃん
その笑顔はとても安心するものだった
大森元貴
大森元貴
大森元貴
大森元貴
大森元貴
大森元貴
大森元貴
一度口から出た言葉たちは途切れながらもスルスルと出ていく
それでも涼ちゃんは真剣な眼差しで僕の話を聞いてくれている
藤澤涼架
藤澤涼架
きっと何て声を掛ければいいか迷っているんだろう
だってこんな面倒くさい話なんて誰も聞きたくないと思う
「大丈夫です、少し話したかっただけなので、」
そう言って去ろうと思ったとき
藤澤涼架
大森元貴
藤澤涼架
藤澤涼架
大森元貴
大森元貴
藤澤涼架
藤澤涼架
藤澤涼架
正直びっくりした
今まで悪い癖だと思っていたものが、視点を変えるだけで良いものに変わったから
若井が僕の気持ちを読み取るのが上手だったのも、
この癖のお陰だったのかもしれない
藤澤涼架
藤澤涼架
藤澤涼架
涼ちゃんの言葉が、心にすごく響いた
なぜか涼ちゃんの明るい笑顔がじわりと歪んでいく
藤澤涼架
藤澤涼架
藤澤涼架
大森元貴
僕、泣いてるんだ
悲しくて泣いた冷たい涙じゃない
嬉しくて泣いた温かい涙だ
大森元貴
大森元貴
藤澤涼架
大森元貴
涼ちゃんがとびっきりの笑顔で抱きついてきた
藤澤涼架
藤澤涼架
大森元貴
大森元貴
藤澤涼架
藤澤涼架
大森元貴
大森元貴
藤澤涼架
藤澤涼架
涼ちゃんと居ると心も体も元気になれる
体の内側からぽかぽか温まる感じ
涼ちゃんって不思議な人
主の戯言
こんにちわ!
今回ちょっと短かったかもですごめんなさい
ほっこりするもりょきのお話でした!
次回はこれとは真逆のストーリーに、、!?
最近、いじめる側の若井さんを書くの心が痛くなってきました、、ウグッ
そんな若井さんも好きですけど、、ウグッ
_________〜宣伝〜_________
「みのり🍏/Minori」様
この方の小説めっっっちゃおすすめです!!
泣ける話
面白い話
刺さる人には刺さる話
全部揃ってます!!!!!!!!!!
フォロー大推奨です!
______________________
↑こんな感じで宣伝することがあります↑
よければいいねとコメントお願いします✨
NEXT→♡300
コメント
9件
あぁ、枕元に水溜りがぁ...
みのり🍏さんもフォローさせていただきました!涼ちゃんの言葉私も泣きそうになっちゃった🥲次回も楽しみにしてるね!
宣伝嬉しい…ありがと、! 今回の話も面白くって最高だった…!