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アメリカ
アメリカの叫び声が裂け目の中へ響き渡る。
ナチスは振り返る。
遠くから、七人が全力で駆けてくる姿が見えた。
ナチス
その声は小さかった。
だが、仲間たちには届かない。
アメリカ
フランス
イギリス
日帝
ソ連だけは何も叫ばなかった。
ただ、誰よりも速く走っていた。
ーーーーーーーーーーーーーーー
ナチスは目を閉じる。
ナチス
ナチス
ナチス
ゆっくりと右手を胸へ当てる。
黒い紋様が赤黒く光り始める。
空間が震える。
六つの鍵も共鳴するように光を放った。
プロイセンがその光景を見て顔色を変える。
プロイセン
ロシア帝国
プロイセン
アメリカ
プロイセンは答えない。
ただ、必死に走る。
その焦りようを見て、全員がただ事ではないと悟る。
ーーーーーーーーーーーーー
ナチスは巨大な扉の前へ立つ。
六つの鍵穴が淡く光っている。
ナチス
右手の紋様を見つめる。
ナチス
ナチス
彼は一つ目の鍵を鍵穴へ差し込んだ。
カチリ。
重い音が響く。
世界が揺れる。
二つ目。
三つ目。
四つ目。
五つ目。
鍵を差し込むたびに、黒い紋様は腕から肩へと広がっていく。
ナチスは苦しそうに息をつく。
それでも笑う。
ナチス
ナチスは最後の鍵を手に取る。
その時、黒い光が目の前へ集まり、一つの紋章を描いた。
低い声が響く。
『契約の継承者よ。』
『最後の鍵を納めるか。』
ナチス
『契約を完了すれば。』
『汝は世界の裂け目と共に在り続けよう。』
『世界は救われる。』
『だが、お前は二度と元の世界へ戻れない。』
ナチスは少しだけ笑った。
ナチス
『後悔はないか。』
ナチスは静かに目を閉じる。
頭に浮かぶのは旅の思い出。
雪合戦。
焚き火。
くだらない言い合い。
アメリカの失敗。
フランスの笑顔。
イギリスの冷静なツッコミ。
日帝の穏やかな言葉。
プロイセンとロシア帝国の再会。
そして。
ソ連と肩を並べて歩いた時間。
ナチス
少し笑う。
ナチス
ナチス
ナチス
ナチス
一筋だけ涙が頬を伝う。
ナチス
拳を握る。
ナチス
『契約を承認する。』
最後の鍵が光り始める。
ナチスはゆっくりと腕を伸ばした。
あと少しで鍵穴へ届く。
その瞬間――
???
裂け目全体に響くほど大きな声。
ソ連だった。
ナチスの手が止まる。
振り返ると、息を切らしたソ連が数メートル先まで迫っていた。
ソ連の表情は怒りとも悲しみとも違う、強い決意に満ちていた。
ナチス
ソ連
ナチスは苦く笑う。
ナチス
契約の光はなおも強く輝き、最後の鍵はゆっくりと鍵穴へ近づいていく。
コメント
1件
ナチス…!一人で全部背負おうとするところがもう切なすぎるよ😭💦「後悔なら山ほどある」って言いながら笑うところ、涙止まらなかった…。ソ連が「待て!!!」って叫んで駆け寄ってきたシーン、マジで心臓掴まれた…!あと一歩のところで止まるかどうか、続きが気になって仕方ないよ…!
鯖の塩焼き
1,293
#マフィアパロ
久世 雨音
23,233
ppp
93