沙湖
ただいま~
母
おかえり
お母さんは
少しいつもと違う様子でした。
沙湖
…?
何となく
口数が少ないようでした
でも
私はいつも通り
母と接してしまいました。
沙湖
お腹空いたー
沙湖
お母さん夜ご飯なぁにー?
母
うん
母
母
今日は唐揚げだよ
沙湖
かっ…
沙湖
唐揚げ!?
私は唐揚げが好きです。
母
いやだ?
沙湖
違うよ
沙湖
日曜日も
沙湖
ヒレカツだったから
沙湖
揚げ物三昧だな
沙湖
と思って
沙湖
別に嫌いじゃないよ!!
母
ん…
母
良かった
沙湖
うん…
お母さんなんか…
いつもと違う。
沙湖
美味しい~♪
母
あのね
母
沙湖
沙湖
うん
母
落ち着いて聞いて
母
あの
母
おじいちゃんの
母
弟さん
母
亡くなったの
沙湖
えっ…
沙湖
きょっ…今日?
母
うん
沙湖
ええ…
意外でした。
沙湖
…そっそうなんだ
沙湖
……
正直、
私は
おじいちゃんとは同居していて
たくさんお話していたけれど
おじいちゃんの兄弟とは
あまり話したことがありません。
そもそも1回しか
会ったことがなく、
どういう人かも
いまいち分かりません。
でも、
おじいちゃんに
そっくりだったのは
今でも鮮明に
覚えてます。
沙湖
…
私はしばらく
声が出ませんでした。
沙湖
沙湖
沙湖
沙湖
…ん
母
あの
母
明後日の
母
お通夜
母
お母さん行くことになったから
母
明後日と明明後日、
母
家を空けるの
母
だから
母
お父さんと
母
お留守番
母
お願い出来る?
沙湖
んん
沙湖
分かったよ
沙湖
うん
母
ありがとう
もうお通夜も
決まっていたなんて
私は全然知りませんでした。
さっきまでの自分を
少し恥じました。
先生
ここは
先生
~~……
先生
で
沙湖
………
次の日になっても
何も考える気になりませんでした。
おじいちゃんの弟
亡くなったのか……
沙湖
…
何故か
私の頬に
涙が浮かんでいました。
沙湖
ええっ
沙湖
なんで……
沙湖
…
何故だか分かりませんでした
とても悲しかったです。
沙湖
…
おじいちゃんの方が
悲しいはずなのに
おじいちゃんは強かったです。
私ばっかり
なんで……
なんでだか分からないけど。
でも
いつまでも
こうしちゃいられません。
今日を生きている私たちへの
教訓です。
[ 明日へ生きていく人へ ]
今日亡くなった方が
あれほど生きたかった
明日なんです。
今生きていることは
当たり前じゃないんです。
人はいつ死ぬか分かりません。
あなたの命は
1つしかありません。
だから
だから
1日1日を
大切に生きてください
と、