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雅
ちょっと一花さんどうしたのよ
波琉
元気無ェな
氷麗
いや…うん
氷麗
もしかして波琉たちってここまで知ってたの？
波琉
んぁ？
雅
え、波琉だけ呼び捨て！？
雅
あたしもあたしも
氷麗
やったやった！
波琉
じゃなくて
波琉
…あ？
波琉
もしかして、お前やけに落ち着いてんなと思ってたけど
波琉
刃物持ってるって知んなかったとか？
氷麗
…うん
雅
あー
雅
パニック状態か
波琉
ま、あれは護衛用だし
波琉
俺らを襲ってはこねぇよ
氷麗
違う…
雅
ん？
氷麗
昨日は本当に怖かったけど
氷麗
今は怖くないの…それどころかなんか、安心感って言うか懐かしみが合って…
波琉
あァ
波琉
別にいんじゃね
雅
そうよ
雅
あたしたちもそうだったから
氷麗
え…
氷麗
そういう…ことだったんだ
氷麗
パニックって…
雅
まあね
氷麗
でもね
氷麗
2人といるときも、すごく居心地いいんだよね
雅
あ、わかる
雅
なんかまるでずっと前から一緒にいたみたいな──
あげは
氷麗！！
あげは
おはよう！おはよう！
氷麗
うんなんで今2回言った？
あげは
あれ？玲央くん見てない？
氷麗
見てないよー
あげは
そっか…
氷麗
…どうかした？
あげは
や、昨日から連絡つかないんだよね
氷麗
そ…なの？
ちらりと2人の目を見る
その瞬間2人も同じことを考えていると悟る
氷麗
あたしちょっと行くね
あげは
え？あ、うん
氷麗
ねえ、山下くん知らない！？
てん
山下ァ？
氷麗
あげはの彼氏！！
てん
知るわけ無いじゃん
てん
まさかまた誰かがなんかしたっての？
てん
ふうもふおももうすぐ消えるのに、追加？
氷麗
わかんないけど…
てん
1人で探してんの？
氷麗
今雅と波琉も聞きにいってくれてる！
氷麗
靴箱のななさんに！
てん
ふーん…ま、いいよ
てん
探してやるよ
なな
てん！！
てん
来ると思った
てん
聞いてるよ、ほら探すぞ
雅
よしゃ！
波琉
ないす！
てん
君たちは僕ら幽霊だと思ってるんだよな？
氷麗
いや、そういう訳じゃないけど一応だよ
てん
まあ、俺もそう思う
てん
というか99%そうだね
てん
学校内にはいないしね
氷麗
もう見たの！？
てん
そう
てん
となると
てん
いち、ふう、みい、ふお、ふあ、しく、なな、はち、くう、てん、れう、るう
てん
の中で
てん
まあ俺とななは違うとして
てん
それからいちはない、ふあもないな
てん
で、ふうとふおはまず無理
てん
それからはちも助手が厳しいから無理だね
てん
みい、しく、くう、れう、るう
てん
この5人だな
なな
んー、てんは感情少ないしわかんないかもだけど
なな
みいはそういうことできる人じゃないよ
てん
うん…ま、信じよう
てん
4人見て回るか
なな
だね
なな
その…なんとなくなんだけど
なな
くうちゃんからでもいいかな？
てん
どうして？
なな
話によるとそのコイケメンらしいから
なな
くうちゃん、かなって
てん
行こうか
氷麗
え…ここがくうさんの領域？
てん
荒れ果ててるな
なな
最近すごい大人しかったもんね
なな
あんなに明るかったのに
玲央
あれ…こんにちは
氷麗
山下くん！！
玲央
…誰？
氷麗
え？
くう
…
なな
くうちゃ…居──
みい
おいくう！！
みい
お前ェ──
みい
みい
んんっ
みい
あっ、いらっしゃい！
なな
みい…？今の声、なに？
なな
みいが言ったの？
みい
えっ？なんのこと？
なな
くうちゃんの領域がこんなに汚いのも
なな
最近すごく暗いのも
なな
おかしいとは思ったけど…まさか
みい
あはははは！！
なな
え？
みい
そんなわけ無いじゃん！
みい
みいは、くうちゃんが最近暗いから手伝いに来たの！
なな
あ、そ、そう──
てん
バカ
てん
もうわかってんだろ
てん
己の感情と友情に振り回されるな
氷麗
てん…くん？
冷たい声でいい放ったてんくんは
するっと斧を出しみいさんに向ける
なな
やあ…やめてよ！
てん
規則を破るからじゃん
泣きかけたななさんを見て
みいさんはてんくんの斧をつぅ…と撫でて言う
みい
可哀想
みい
そうだよね、ななの死因は友達が虐められたのに助けることも出来ずにそのコが死ぬのを見殺しにしたことだもんね
氷麗
見殺し…？
みい
ねぇ？
みい
被害者のあたしは苦しかったよ
みい
だから、この世界で復讐するって決めた
てん
2人…生前から友達だったのか
なな
うん…みいが死んでからも行き続けたけど
なな
それからも何人も死ぬし
なな
もうあたしもいいかなって
なな
みいに会えるかなっ…て
みい
ねーぇ
みい
復讐のために
みい
幽霊になってからずっと頑張ってきたあたしに勝てるかなァ！！！
てん
そっちがそのつもりなら俺も──
なな
やめてえ！！！
くう
…
なな
もう…みいが死ぬのは見たくない…
くう
あたしだって消してほしい訳じゃない！！
てん
うん？
くう
荒らされたけど…ここに来たときみい自体も傷ついてたのわかってたから
くう
だからそれでもいい
てん
情ってのは面倒だね
揺るぎないてんくんの声に
恐怖をこえたイラつきを感じたのはあたしだけじゃないだろう
気づいたらてんくんに向けて
あのパズル、護衛用にまだポケットにいれておいたパズルのひとつを
てんくんに向けて放った
てん
…イチカ？
だけどそれもとめられる
氷麗
…っ
氷麗
てんくんは強くて
氷麗
ニンゲンのことなんて覚えてないかもしれないけど
氷麗
そんなダッサイ情に、てんくんだって振り回されたことあるハズだよ！！
てん
綺麗事言ったって変わんないだろ！！！
氷麗
…てんくん？
てん
俺は虐められて自殺したなんて噂されてるけど
てん
殺されたんだよ！！！
氷麗
…え？
てん
覚えてないなんて全部嘘だ！！
てん
全部忘れて作業しようとしただけだ！！
雅
ふっ
波琉
お前なに笑って──
雅
なにここ、いい奴ばっかじゃないの！
雅
なんでもめてたワケ？
雅
てんがずっと攻撃への躊躇を持ってるのもわかってる
雅
それにななちゃんもみいもお互いを恨んでるワケじゃない
雅
くうだって別に真の悪意のないみいに対してそこまで怒ってない
波琉
つか、コイツが拉致された理由は？
雅
簡単ね
雅
くうがイケメン好きだからってみいがただ拉致っただけに見せかけて元気だそうとしてんでしょ
みい
…っ
雅
今回の件は別にいいんじゃない？
雅
規則として破ったみいは解任だろうけど
雅
わざわざ消さなくたって
てん
…まあそうだね
氷麗
(てんくんはどうして覚えてないなんて言ったんだろう)
氷麗
(それに殺人って…てんくんは元々今の高3と同じだ)
氷麗
(鈴花学園の人が捕まったなんて聞いたことない)
氷麗
(もしかしたら今もこの学園に殺人犯がいるかもしれない…？)
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