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紅優
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コメント
5件


dnちゃんの能力が覚醒して事件は解決したけどさらに大きな問題がありそうだな…… 見知らぬ誰かの顔がうつったのはなんでだろう……続きが楽しみすぎます!
パキッ────
黒い球体のヒビが広がる。
広場全体が震えていた。
空気が重い。
呼吸すらしづらい。
白狐 颯
見ているだけなのに。
胸が痛い。
境界がざわつく。
今まで感じたことの無い感覚。
緑龍 風雅《白夜》
再び告げる。
誰も反論しない。
葬列、赫災、静界、虚路。
全員が距離をとる。
だが。
風雅だけは動かない。
球体と人影。
その間に立ち続ける。
龍樹 琥珀《葬列》
珍しく弱音に近い言葉だった。
それほど異常だった。
パキッ。
三本目のヒビ。
その瞬間。
人影が動く。
一直線。
黒い球体へ向かう。
緑龍 風雅《白夜》
白い刀が振られる。
轟音。
地面が砕ける。
人影が吹き飛ぶ。
しかし。
止まらない。
転がりながらも。
再び立ち上がる。
まるで。
球体へ辿り着くことだけが目的みたいに。
灰渕 博《静界》
紫苑 陸《虚路》
赫鞘 樹《赫災》
樹が拳を握る。
赫鞘 樹《赫災》
その時だった。
白狐 颯
思わず声が出た。
全員が振り向く。
白狐 颯
見える。
黒い球体から。
無数の線が伸びている。
街中へ。
空へ。
そして。
人影へ。
白狐 颯
龍樹 琥珀《葬列》
白狐 颯
なぜ分かるのか。
自分でも分からない。
だが。
確信があった。
壊してはいけない。
その瞬間。
黒い球体が光る。
眩しいほどではない。
暗い光。
存在そのものが滲むような光だった。
そして。
颯の視線だけが変わる。
黒い世界。
再び。
あの場所。
白狐 颯
周囲には無数の線。
そして。
目の前。
一本だけ。
白い線があった。
黒では無い。
純粋な白。
それは。
球体へ繋がっている。
白狐 颯
手を伸ばす。
触れた。
瞬間。
景色が戻る。
轟音。
崩壊音。
叫び声。
全てが帰ってくる。
そして。
白狐 颯
叫んでいた。
緑龍 風雅《白夜》
白狐 颯
考えるより先だった。
風雅が動く。
反射的に。
刀が振られる。
次の瞬間。
人影の右側。
何も無かった空間が裂けた。
黒い亀裂。
そこから伸びていた線が断ち切られる。
人影が止まる。
完全に。
動きを止めた。
赫鞘 樹《赫災》
灰渕 博《静界》
龍樹 琥珀《葬列》
誰よりも早く理解したのは琥珀だった。
颯は敵を見ているんじゃない。
敵と世界を繋ぐ“境界”を見ている。
緑龍 風雅《白夜》
静かな声。
そして。
風雅は刀を構える。
緑龍 風雅《白夜》
白い刀身が光る。
その一閃。
音すらなかった。
人影と球体を繋ぐ線。
それだけを斬る。
世界が震える。
黒い球体のヒビが一気に広がる。
人影が崩れる。
砂のように。
霧のように。
ゆっくりと消えていく。
白狐 颯
紫苑 陸《虚路》
灰渕 博《静界》
赫鞘 樹《赫災》
誰もが息を吐く。
長い戦いだった。
だが。
完全な勝利ではない。
何故なら。
黒い球体。
その破片は。
消えなかった。
龍樹 琥珀《葬列》
緑龍 風雅《白夜》
白狐 颯
破片を見る。
すると。
一瞬だけ。
黒い表面に。
自分の顔が映った。
そのはずだった。
だが。
映っていたのは。
知らない誰かの影だった。
白狐 颯
瞬きをする。
消えている。
気の所為。
そう思いたかった。
だが。
胸の奥に残る違和感は消えない。
侵食事件は終わった。
しかし。
颯はまだ知らない。
自分の《境界》が見せたもの。
あの黒い球体。
そして。
世界のどこかで始まりつつある、もっと大きな異変を。