国民殺処分

洋太の尿によってさやかの顔が溶けていくのを見たクラスメイト達が、今まで以上の悲鳴をあげた。

洋太はさやかの体に右手を当てると激しく動かし、壁の隅へとさやかを追いやった。

洋太は天井をぼーっと見た後、牢屋から出て混獣者の足に自分の体を擦り付けている。

混獣者は牢屋へ入り、衛の目の前で足を止めた。

衛は牢屋の外に出されると、混獣者と洋太と共に謎の施設内を進む。

牢屋の中には同じ学校であろう生徒達が閉じ込められている。

衛が通り過ぎようとする牢屋に光が閉じ込められていた。

混獣者に背中を押された衛は、先に見える細長い階段を上っていく。

混獣者は大きな扉の前で立ち止まると、その扉を開けて中へと入っていく。

医療施設のような場所だが、見たこともない機械がズラリと並んでいる。

衛は目の前に置いてある治療椅子へと座らせられると、体をベルトで固定されてしまった。

その時、衛はもうひとり混獣者がこの部屋にいることに気がついた。

その首輪は今朝、衛が助けようとしていた野良猫がつけていたのと同じものだった。