テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
炎の音だけが響いていた。 崩れた倉庫。 血の匂い。 赤く染まる夜。 その中で、 カラスは静かにレイを見ていた。 ⸻ 「今、幸せ?」 ⸻ レイは答えない。 黒い目が、 静かに揺れている。 カラスは少し笑った。
カラス
カラス
低い声
カラス
カラス
カラス
ノアの眉が寄る。 でも、 カラスは止まらない。
カラス
その視線がノアに落ちる
カラス
カラス
空気が静かになる。 レイの呼吸が止まる。 ノアは少しだけ目を細めた。
ノア
カラスは笑う。 でも、 どこか寂しそうだった。
カラス
その瞬間。 全員の空気が変わった。 ジンが僅かに眉を動かす。 アベルは黙ったまま、 カラスを見ている。 レイだけが、 少し目を見開いていた。 カラスは続ける。
カラス
カラス
炎が揺れる
カラス
カラス
レイの指が小さく震える ノアは舌打ちをした
ノア
でもその声は少し掠れていた カラスは笑う
カラス
ノア
カラス
カラス
ノアが言葉を詰まらせる。 その瞬間。 レイが静かに口を開いた。
レイ
レイ
全員の視線が向く。 レイは炎を見たまま、 低く続ける。
レイ
その声は、少し震えている
レイ
レイ
ノアの目が揺れる。 カラスは静かにレイを見る。 数秒。 それから、 ほんの少しだけ笑った。
カラス
その笑みは、 今までで一番静かだった。 でも次の瞬間。 ——ガンッ!! 突然、 倉庫の奥から銃声が響く。 全員が反応する。 カラスの肩が、 大きく揺れた。 血が飛ぶ。 レイの目が見開かれる。
カラスも、 初めて驚いた顔をした。 そして。 煙の奥から、 ゆっくり現れた人影。 灰色寄りの銀髪。 割れたサングラス。 血まみれのシャツ。 ミナトだった。 口元から血を流しながら、 それでも笑っている。
ミナト
ミナト
ジン
炎の揺れる倉庫。 煙。 血。 その中で、 ミナトはふらつきながら立っていた。 割れたサングラス。 血まみれの黒シャツ。 震える手で、 まだ銃を握っている。
ミナト
ミナト
カラスの肩から、 血が落ちる。 初めてだった。 あいつが、 完全に笑えなくなったのは。
カラス
低い声 ミナトは壁にもたれながら笑う
ミナト
ミナト
ノアが呆れた顔をする
ノア
ミナト
でも、 その声はかなり弱い。 レイは気づく。 ミナト、 もう限界近い。 アベルも静かに目を細めた。
アベル
ミナトは小さく笑う
ミナト
ジンが周囲を警戒しながら低く聞く。
ジン
ミナトはゆっくり、 胸元へ手を入れた。 そして。 血で濡れた小型端末を取り出す。
ミナト
カラスの目が、 初めて本気で冷えた。 ミナトは笑う。
ミナト
レイの呼吸が止まる。 カラスは静かにミナトを見る。 数秒。 それから、 小さく笑った。 でも。 その笑みは、 どこか壊れていた。
カラス
カラス
ミナトが肩を竦める。
ミナト
その瞬間。 ——バンッ!! 突然、 カラスが銃を抜いた。 でも。 それより先に。 レイが、 ミナトの前へ出ていた。 乾いた銃声。 レイの肩を、 弾丸が掠める。 ノアの顔色が変わる。
ノア
レイは動かない。 真っ直ぐ、 カラスを見ていた。 黒い目が、 静かに冷えている。
レイ
レイ
その瞬間。 カラスの表情が、 初めて崩れた。 悲しそうに。 苦しそうに。 まるで、 置いていかれたみたいに。
LEU
コメント
1件
第21話、読み終えました。カラスの「羨ましいな」がすごく刺さりました。自分が変われなかった相手が、誰かに救われて変わっていくのを見る切なさ、痛いほど伝わってきました。レイの「もうひとりじゃない」にも胸が熱くなりました。あの瞬間、確かにレイは変わったんだなって。ミナトの執念も凄まじくて、物語が一段と深くなった気がします。LEUさんの筆致、今回も素晴らしかったです。続きが気になりますね。