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あれから、三年が経った
駅前の小さなレコードショップ
ur
カウンター越しに軽く声をかけた
昔みたいにギターを弾くこともなくなって
今はただ、音楽を“売る側”にいる
ur
そう思い込むのも、もう慣れた
そのとき、カランとドアのベルが鳴った
ur
俯きながらそう言った
顔を上げることすら面倒くさい
?
ur
顔を上げた一瞬、時が止まったように感じられた
ur
そこにいたのは紫苑だった
少しだけ、大人びた顔
でも、あの眼鏡も、紫の髪も変わらない
mf
久しぶりに聞く、自分の名前
心臓が一瞬でうるさくなる
ur
mf
そして、ゆっくりと近づいてくる
その一歩一歩が、やけに重い
mf
ur
mf
途端、空気が凍った
ur
ur
ur
ur
mf
真っ直ぐ言う
逃がさない
そう訴えるような目で
mf
黒离は目を逸らす
ur
mf
ur
mf
ur
店の中は、静かだった
他に客はいない
逃げ場がない
紫苑は一歩近づく
mf
ur
ur
mf
ur
mf
ur
mf
mf
心臓が跳ねる
ur
mf
息が止まる
mf
その言葉が、胸に刺さる
ur
やっと出た言葉は、少し低かった
mf
ur
ur
mf
ur
紫苑は一歩踏み込む
mf
ur
ur
ur
でも、もう逃げられなかった
ur
空気が止まる
紫苑の目が揺れる
ur
ur
紫苑の呼吸が止まる
mf
黒离は笑う
少しだけ、苦しそうに
ur
mf
ur
声が、少し強くなる
ur
mf
ur
ur
ur
mf
ur
黒离が遮る
ur
ur
mf
ur
ur
紫苑の心臓が跳ねる
mf
黒离は目をそらしたまま言う
ur
その一言で、紫苑の中の全てが繋がる
あの日の言葉
言えなかった、気持ち
全部
mf
やっと、名前を呼ぶ
ur
ur
紫苑は、また一歩近づく
mf
ur
ur
ur
そのとき、紫苑が手を掴んだ
ur
mf
ur
mf
強い声だった
黒离の心臓がうるさくなる
mf
mf
ur
mf
空気が止まる
時間が止まる
黒离の思考が追いつかない
ur
mf
mf
ur
mf
ur
mf
ur
黒离は笑う
でも、その目は潤んでいた
ur
mf
ur
mf
mf
ur
mf
ur
mf
その言葉に、黒离の中で、何かがほどけた
長い間、固まっていたものが
静かに、ゆっくりと
崩れていく
ur
mf
ur
mf
ur
少しだけ、昔みたいな空気が戻る
ur
mf
mf
窓の外では、雨が降り始めていた
あの日と同じように
でも今度は、終わりじゃない
ここからまた、始まる