コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
新藤 蒼
手早く配信をとじると、ため息をついた。 俺は十数年以上配信をしているVTuberで爆発的な人気はないものの、食べていけるぐらいにはそれなりに稼いでいる。 「 なんか飽きたなぁ、、。」 一応歌い手活動をメインにしているが、ネタはすぐ底をついてしまうし、配信もずっとやっていると飽きてしまうものなのだ。
新藤 蒼
最近はよくこうして親からまともな職につけと度々メールが届く。 何度説明しても配信活動を仕事とは認めてもらえない。 「 めんどくせ、、、。 」 既読をつけずにスマホを閉じ、時計を確認する。 「 0時ちょいまえか、、。 」 最近の悩みは昼夜逆転してしまうこと。 夜の配信に合わせて編集をする癖が付いてしまい、夜更かしが日常となってしまったのである。
新藤 蒼
そんな俺の最近の楽しみはあるゲームをすること。 探索型のゲームにどっぷりハマってしまい、かれこれ2週間ほど取り組んでいる。それにも理由があって、、、 「 今日もえなさんいるかなぁ、。 」 えなさんとは、最近このゲームで知り合った新規プレイヤー。 ゲーム名はEna_0218で本人曰く、就職活動真っ只中の大学生なのだとか。 彼女のことが好きとかそういうわけではないが、はつらつな姿を見ると疲れが癒されるのだ。 そんな彼女はお金がないようで、たまに援助等をしてあげることも何回かあった。 「 自分もお金を持て余してるわけじゃねーんだけどな。 」 苦笑しながらログインし、フレンド欄を見ると案の定、えなさんがログインしていた。
あお→[ やっほー 明日も就職活動あるんじゃなかったっけ? ]
えな→[ ありますけど寝れなくて(笑) ]
あお→[ なんでだよwww ]
たわいのない会話だが、この時間が俺は好きだ。 「 そういえば就職成功したことあるんかなぁ、、。 」 お金を援助した経験も相まり、なんとなく気になっていたのだが、プライベートな内容なので触れることはなかったのだ。
あお→[ てか就職成功したことあるの? ]
えな→[ そりゃぁありますよー! …バイトなら。 ]
あお→[ いや草。 ]
「 成功経験ないのは痛いなぁ、、(笑) 」 話を掘り進めると、彼女は難関校であるT大学生なため、書類審査はそれなりに通るのだが、面接が一向にうまくいかないとのことだった。 「 まぁ難しいよなぁ…。 」 配信ばかりしている俺が言えることでもないが、成功経験は少なからず持っておいた方が面接では上手くいく。 「 …まぁ、パソコン使うの苦手だったら受かんねーか。 」 そう、彼女は生粋の電子機器音痴である。 業務用PCすら使ったことがないと思えるほどに知識がまるでないのだ。
新藤 蒼
「 まぁ、なんでもいいか。 」 その後は何時間かえなさんとゲームを進め、終わるころには3時を回っていた。
新藤 蒼
「 ゲームに熱中しすぎたな、、、。 」 そう思いながら通帳を確認する。 というのも、また、えなさんに援助を頼まれてしまったのだ。 引き受けるのもよくないとは実感しているが、身寄りがないと言っていた彼女を手助けすることによって、自分自身も誰かの役に立てているんだなと思えて少し心が軽くなる。 前回は食費代で、今回は衣服代が少し足りないと援助を頼まれた。
新藤 蒼
そんなに頼まれてはないが、なんとなく毎回多めに渡してしまう。 「 まぁ、就職したら返すって言ってるし、いいよな。 ほら、このチャット欄に、、、。 」
[ えなさんがチャットを取り消しました。 ]
〈 解説 〉 この男性は1話で登場した、ののかの最推しVTuberである。 彼は配信活動に飽きを感じていて、そんな中ハマりだしたのはゲーム。 特にゲーム内で知り合った大学生と関わることに価値を見出している用に見える。 仲良くなるにつれて、身寄りがなく、就職がうまくいかないと言っている大学生 えなに何回もお金の援助を頼まれて、 だめだと分かっているはいるものの、援助してしまう主人公。 彼自身は1ミリも疑問に感じていないが、お気づきだろうか。 えなは業務用PCもろくに使えず、高学歴でありながら就職もうまくいっていないのである。 諸説生まれるが、この場合は何か嘘をついていると考えるのが妥当。それに加えて「お金を返す」証言も取り消されている。 多分主人公は詐欺かなにかにはまってしまっているが、 主人公にとっては心が軽くなる行動、えなにとってはお金がもらえ、おそらくお金を稼ぐために配信が増えるため、ファンは喜ぶ。 これもまた幸せのカタチである。