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雨が降る。×も降る。

第105話 - 平助編第45話　　真のチカラ

2024年06月06日

#新選組

#歴史創作

#BL(？)

メンアノ！

中の人

指から膿が出た

仲成

は？

中の人

気持ち悪い

仲成

いや待て

仲成

なぜ膿が？

中の人

知らん！

中の人

何か出た！

仲成

はあ？

中の人

何か鼻水みたい…

仲成

行儀悪いな

中の人

えっ

中の人

ま、まあ始めるか

藤堂平助

しょ、聖武…？

藤堂平助

もしかして、あの横髪？がピョンってなってる子？

仲成

あぁ、そいつの事だ

仲成

まあ、知っているなら更に話が早い

藤堂平助

……何の話？

俺は少しヘラってる男の子に少し強めに言った

仲成

……まあ、簡単な話だ

仲成

時間はない、手短に話す

藤堂平助

どうかお願いします

彼は少し行きを整えてから口を開いた

仲成

正確な日付は言えないが、お前はもうじき死ぬ

藤堂平助

………

俺は内心、「死」という言葉に恐怖を感じる

これまで死んでいった仲間のようになる

そう、分かっていた

仲成

まあ、死ぬから何だよって話なんだけどな

仲成

死ぬか生きるか、分からねぇ方がいいよな

仲成

ただ、死ぬのを分かっている方が楽しめるだろ？

仲成

死んで後悔することもない

藤堂平助

……

藤堂平助

死んでも後悔することはある

俺は彼の言葉に少しだけ、反論してしまった

だって、まだ気持ちを伝えてないし…

仲成

なら、死ぬ前に済まちまえばいいだろ

仲成

それで解決だ

彼の言葉が突き刺さる

何だか、俺の中の何かが燃え上がるような感じがした

今にも爆発しそうだ

俺は小刻みに震えながら感情を抑える

仲成

大体は生きているうちに叶うだろ

仲成

それに、後悔するようなことは今のうちに叶うと俺は思う

仲成

それに、大体の願いなんて自己満足であり叶わなくたって後悔はしない

仲成

死ぬ前が後悔するだけで、死んだら後悔しないだろ

藤堂平助

……ぇよ…

仲成

何？何か言った？

藤堂平助

お前の話なんか知らねぇよ！

藤堂平助

死んだら後悔しない？

藤堂平助

するに決まってる！

藤堂平助

お前のエゴに押し付けられたくない！

藤堂平助

何より、俺はまだ死にたくない！

藤堂平助

だって……だって…

藤堂平助

好きな人に好きって言えない、言えたとしても一緒にいられる時間が少なくなる！

藤堂平助

そんなの嫌なんだよ！

藤堂平助

君には分かんないだろうね！？

仲成

……

俺の感情が爆発する

何だか涙が溢れてきた

そんな俺に彼は

仲成

………で？

藤堂平助

………

藤堂平助

え……

仲成

何だ？

仲成

好きな人なんて転生すれば変わる

仲成

そんな薄っぺらい感情をなぜ大切にする？

仲成

何故いずれ壊れるものを大切にする？

仲成

もう大切にするな

仲成

現実を見ろ

藤堂平助

っ！！

冷たい

心が痛い

俺自身が否定されたようだ

恋愛の何がダメなの？

俺はしちゃだめなの？

頭がおかしくなりそうだ

俺は唇を噛み締める

仲成

文句言いたそうな顔だな

仲成

言え、早く

ズキンっと、彼の視線が痛い

仲成

早く言えよ

仲成

俺は心を読むことはできねぇんだよ

藤堂平助

………

俺の中のイトがプツンと途切れた音がした

藤堂平助

俺はお前の何なんだよ！

藤堂平助

お前のような自分の事しか考えてない奴の奴隷なのか？俺は！

藤堂平助

違うよなぁ！？

藤堂平助

死んだら大切な人に会えない！

藤堂平助

死んだらそこでもう会えないんだよ！

藤堂平助

それがどれだけ辛いことか！

藤堂平助

一くんがいない生活なんて……

藤堂平助

そんな死後の世界なんて…

藤堂平助

あの世で生きてないのと同じだ！！

藤堂平助

そんな生活、俺が許さない

藤堂平助

ずっと俺は一くんと一緒にいたい！

藤堂平助

例えあの世でも！！

藤堂平助

転生してもっ！

藤堂平助

そんな気持ちが分かんないお前なんか知らない

藤堂平助

去れ

仲成

………

仲成

目を覚ませ、平助

藤堂平助

！！

藤堂平助

こ、ここは…？

何だか来たところが気持ち悪くなりそうなところだ

仲成

まあ、少し落ち着いて話そう

仲成

安心してくれ

仲成

今平助が生きている世界の時は止まっている

仲成

時間か無駄になってるわけではない

藤堂平助

そ、そっか…

すると、彼は何処からか取り出した椅子に座った

仲成

平助は後ろにある椅子を使え

藤堂平助

えっ

振り返ると先程はなかった椅子が置いてあった

藤堂平助

そ、それじゃあ、座るね…

俺はゆっくり座った

仲成

……まあ、急にこんな話は悪かった

仲成

焦ったよな

藤堂平助

ま、まあ、うん…

先程の彼とは違いすぎる

何よりそれが怖い

仲成

あ、俺の名前は藤原仲成(ふじわらのなかなり)だ

仲成

適当に仲成で良いぞ

藤堂平助

そ、そっか…

仲成と名乗った彼はやっぱりさっきと違う雰囲気で話す

仲成

まず、お前はそろそろ死ぬ

仲成

これは本当の事だ

藤堂平助

……そっか

仲成

ただ

藤堂平助

ただ…？

仲成

よく、本心が言えたな

藤堂平助

………

藤堂平助

えっ、えっえっ？！

急に優しい口調になってテンパってしまった

それが少し怖い

仲成

まあ、本心を言わせるために少し揶揄ったんだがな

藤堂平助

……あれ、揶揄いだったの…？

仲成

まあな

仲成

ただ、よくあんな大きな声で言えたな

仲成

本人に聞こえてたらどうすんだよ

藤堂平助

そんなに大声だったの！？

仲成

そうだ

俺は急に恥ずかしくなった

仲成

ま、安心しろ

仲成

少し揶揄われるだけだろ

藤堂平助

そ、それが嫌なんだよ…

仲成

まあ、ごめんて

藤堂平助

それで？俺はどんな風に死ぬの？

仲成

あ、すまん、それは知らない

藤堂平助

は、はぁ？！

俺は少し胃がムカムカした

仲成

いや！本当に知らねぇんだ！

仲成

ってゆーか、知ったら死を回避するかもしれねぇだろ！？

仲成

そうなんないためにも教えねぇんだよ！

藤堂平助

う、うーん…

何だか納得してしまう自分がいる

その反面、分からない自分もいる

仲成

まあ、難しいよな

仲成

そこら辺は考えなくても良い

仲成

俺の方の問題だからな

藤堂平助

ふ、ふーん…

仲成は何処から出したんだか分からない日本酒を取り出した

仲成

飲むか？

藤堂平助

えっ、未成年じゃないの？

仲成

いや、俺成人してるから

藤堂平助

えぇ！？

俺はてっきり未成年だと思ってた

見た目や声が年相応に見えないし…

藤堂平助

それは、ごめん

藤堂平助

でも、俺はお酒に弱いからいいや

仲成

まあ、酒は飲んでも呑まれるなってゆーもんな

仲成

まあ、俺は遅いけど

そう言い、彼は酒を注ぐ

仲成

酔う前に話を終わらせるからな

仲成

酔ったらめんどくせぇことになるからな…

藤堂平助

わ、わかった…

仲成

お前にやってほしいことがある

藤堂平助

やってほしいこと？

仲成

そうだ

仲成

あぁ、二つだけだ

仲成

一つ目は楽しく生きろ

仲成

死ぬときは悟れ

藤堂平助

う、うん

仲成

二つ目だ

仲成

お前、能力者らしいな

藤堂平助

の、能力者…？

仲成

ま、よく目が見えるんだろ？

仲成

更に、目を瞑ってても見えるらしいな？

藤堂平助

う、うん

何だか怖くなってきた

何でそんなに知ってるんだって

仲成

お前、自分の能力の使い方分かってねぇだろ

藤堂平助

う、うん…？

俺は仲成が何を言っているかさっぱり分からなかった

すると、彼は大きなため息をついた

仲成

はあぁぁぁぁっ

仲成

自分の能力ぐらい理解してろよ…

藤堂平助

な、何かごめん…

すると、彼は優しく教えてくれた

仲成

お前の能力はただ目が良いだけじゃない

仲成

目を開けて見た対象の人を恋に落とす能力だ

藤堂平助

え、何その能力

仲成

まあ、聞いた感じ弱そうだよな

仲成

ただ、恋の力はすごいからな

仲成

相手を殺すこともできる

藤堂平助

え、ええっ

仲成

能力の使い方は理解した方がいい

仲成

相手に危害を加えないように目を瞑った方がいいと思う

藤堂平助

そ、そっか…

仲成

とりあえず分かったか？

藤堂平助

う、うん

仲成

それならよかった

仲成

さて、そろそろ酔ってきたな…

仲成

まあ、そろそろここから出してやる

仲成

目を瞑れ

藤堂平助

？うん

俺は言われた通り目を瞑った

藤堂平助

うわっ

目を開けると、先程の場所に戻っていた

藤堂平助

………

藤堂平助

仲成、何者なんだ…

中の人

本編二百タップ突破！

中の人

いやあおめでたいね！

仲成

そうか？

中の人

あ、仲成お疲れー

仲成

お疲れじゃねぇよ

聖武天皇

大変そうだねー

仲成

お前は最近登場しなさすぎなんだよ

聖武天皇

えっ

中の人

まぁまぁ！

中の人

いいじゃないか！

仲成

よくねぇよ

中の人

え

中の人

ま、まあ、ここを長くしたらダメだから閉めますか

中の人

またいつかー！

雨が降る。×も降る。

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