苦く甘い恋をした-すれ違いの恋の中で私達が描くもの-

苦く甘い恋をした-すれ違いの恋の中で私達が描くもの-

読み切り__。

君の席は、クラスの真ん中。

私なんかが届くはずもなくて。

ずっとずっと、

でも、そんなあなたに恋をしてしまったんだ。

叶わない恋だって、わかっているのに。

諦めきれなくて。

もしかしたらあるかも、って信じて、信じ続けて。

でも、

苦しいだけだった。

無理に近づこうとして、関係を壊したくなくて。

ずっと、『クラスメイト』として一緒に過ごしてきて、

君はクラスの中心のような存在で、

男子はみんな、君の周りにへばりつく。

女子だって、

少しでも近づきたくて、

そのためだったら、どんな手段も選ばない。

私の友達にも、君を好きだって人がいる。

このことを知ってしまった以上、もう体は動かない。

やっぱり恋なんて、叶わない。

教室に入った瞬間、目に映る。

君の姿。

周りの女子と楽しそうに話している。

少しでも、君に近づきたい。

好きなのかが、わからなかった。

たまに近づいてみたりするけれど、大した反応はなく、

むしろ避けられている気がする。

私は『好き避け』をしてしまう。

好きな人に思いを知られたくなくて、

つい避けてしまうのだ。

移動教室へのつまらない時間も、君がいれば、楽しくなるのだろうか。

授業が終わり、勉強道具をまとめる。

もっと積極的にいってみたい、でも、恥ずかしいから。

楽しいはずの教室が、楽しかったはずの教室が、

今は空気の抜けた風船のような気持ちだ。

え、？

どうしてyanくんが…

プリントか…

まぁそうだよね、そんな都合いいことないもんね。

先生にプリントを頼まれた。

だが、なんと"etさん"に。

緊張して噛んだらどーしよ…

嫌われないように、シンプルに、ふつーにいこう。

俺が喋りかけると、etさんは不思議そうに、どこかびっくりしながら振り向く。

そのプリントを渡すと、etさんはキラキラした目で俺の顔をのぞく。

不意打ちはなしだろ…

このままだと俺の顔がりんごになるので、さっさと机に戻る。

そう言うetさんは、どこか嬉しそうな顔をしていた。

これは、

僕達

私達の

すれ違い合う、どこか苦く、甘い恋のお話。

完結__。

いいね600にて、このお話の続きを出します。

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