テラーノベル
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その日は、やけに静かだった。
裂け目も開かない。
サイレンも鳴らない。
bcr
蜂楽が空を見上げる。
rn
凛が短く返す。
hor
氷織も同意する。
4人で歩く帰り道。
少しだけ、“普通”に近い時間。
isg
ふと。
視線を感じた。
視線がした方、横を見る。
道路の向こう側。
一人の少年が、立っている。
長くて、赤い髪。
風に揺れて、やけに目立つ。
でも。
ピタリとも動かない。
ただ、こっちを見ている。
bcr
蜂楽が軽く言う。
isg
だけど。
どこか、引っかかる。
そして信号が変わる。
足が、自然とそっちに向く。
近づく。
向こうも、少しだけ視線を上げた。
先に口を開いたのは、赤髪の彼だった。
穏やかな声。
でも。
どこか距離がある。
isg
短く答える。
小さく笑う。
“やっぱり”。
その言葉に、違和感が残る。
bcr
蜂楽が軽く言う。
すぐに否定する。
その言い方が。
妙に、引っかかる。
rn
凛が問いかける。
少しだけ、間があって。
名乗る。
cgr
空気が、止まる。
bcr
蜂楽が首を傾げる。
cgr
千切は、あっさり頷く。
cgr
その言葉は、軽い。
でも。
重い。
isg
潔が聞く。
千切は、少しだけ目を細めて。
cgr
それだけ言った。
それ以上は、話さない。
いや、話せないのかもしれない。
isg
沈黙が落ちる。
蜂楽が、一歩前に出る。
bcr
じっと千切を見る。
bcr
素直な疑問。
千切は、少しだけ考えてから。
cgr
同じ答え。
でも。
今度は、少しだけ意味が違う。
hor
氷織が聞く。
千切の視線が。
ゆっくりと、4人をなぞる。
最後に。
潔で止まる。
cgr
静かな声。
その中に。
ほんの少しだけ。
痛みが混じっていた。
isg
何も言えない。
代わりに。
蜂楽が、笑う。
bcr
軽い。
でも。
その目は、少しだけ違う。
bcr
くるっと背を向ける。
bcr
自信満々。
cgr
千切が、頷く。
でも、その視線は。
ずっと、潔に向いたまま。
cgr
小さく、呟く。
誰にも聞こえないくらいの声で。
ピシッとまた歪みができる。
4人が同時に動く。
中心は潔。
cgr
cgr
誰に向けた言葉でもない。
でも。
違和感。
cgr
特に。
蜂楽廻。
あの動き。
あの距離感。
そして。
潔を見る目。
cgr
言葉が、出ない。
知っているはずのものと。
違う。
cgr
ぽつりと零す。
でも。
止めない。
もう、止められない。
それが、分かっているから。
cgr
目を細める。
cgr
それが。
今の自分にできる、唯一のことだった。
コメント
3件
千切が元は友達だったんでしょうか?なんとも言えないこの雰囲気がほんっっとうに大好きです、物語なのに冷たいところがなんかすごいと思いました