コメント
1件
葛葉
荒い息を吐いた葛葉がグイッと僕の頭を押して遠ざけた。
刀也
チュッと音を立てて唇を離すと、葛葉は僕の額にキスをした。
葛葉
少し余裕ができた葛葉は、ふっと微笑んだ。
ふふ、と俺も微笑むと、突然ふわっと身体が浮いた。
目を丸くして慌てて葛葉にしがみつくと、葛葉はきにする様子もなく、そのまま歩き出した。
え、え?
どこ行くの?
刀也
ジッと見上げると葛葉は、する。と即答した。
刀也
葛葉
部屋についてる小さな露天風呂。
さっきすごく気になってたやつだ…!
身体洗ってからするのかな。
ワクワクしながら進行方向を見た。
脱衣所では、ムードもへったくれもなく、パパッと服を脱がされて、そのまま浴室のバスチェアに座らされた。
身体を洗ってもらって、『僕も背中流そうか?』と聞く間も与えず、先に入ってて。と言われた。
手早く身体を洗う葛葉を見つめてボーッと考える。
…そう言えばなんで急にお風呂?
すごいいい感じの雰囲気だったのに。
急にお風呂入りたくなったとか?
今日いっぱい歩いたし仕方ないけどなんか雰囲気ぶち壊された感じ。
まだ奥キュウキュウ疼いてるし熱い。
檜の縁に凭れ掛かって、瞼が下がってくるのを感じながらボーッと葛葉を眺めた。
葛葉は手早く全身を洗って、桶を下の位置に戻すと、髪をかきあげながらクルリと振り返った。
葛葉
刀也
葛葉はクスクス笑いながら湯船に足を入れると、ゆっくり腰を下ろした。
スルリと僕の頬を撫でると、少し顔を持ち上げられて、ゆっくりと唇が重なる。
いつもこの僕より大きな手に触れられるとドキドキする。
胸筋、腹筋、上腕二頭筋…部位の一つ一つが綺麗でかっこいい。
きっと老若男女問わずにモテる身体。
そんな身体が視界に入るといつもドキドキする。
付き合ってる一年近く経つのに未だ慣れない。
そんなことをぼんやり考えていると、ヌルリとした熱い舌が僕の口腔内に侵入する。
さっきとは打って変わって、ゆっくり甘々な雰囲気にドキドキする。
刀也
葛葉
ポツリと囁くように僕の名前を呼んで、声の甘さにうっとりしていると突然、ふわっと身体が浮いて、一瞬パニックになると、ストッと葛葉の膝の上に降ろされた。
両手で葛葉の頬に触れてジッと見下ろした。
葛葉
刀也
葛葉
葛葉
すごく不安そうに眉を下げて、強請るように言った。
刀也
言い聞かせるけれど、葛葉の瞳は不安で揺れている。
どうしたものか…と眉間に皺を寄せて、むむむ…と僕は考え込んだ。