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ヴィルネ
ラトカ
ヴィルネ
ヴィルネ
ラトカ
突然の客人に戸惑いを隠せない。
けれどそれも仕方がないだろう。 どうやら彼女に敵意などは感じないが、一応警戒をしておく必要がある。
そうだな、ドリッパーにお湯を注ぎながら状況を整理しよう。
彼女の名前はラトカ。彼女が言うにはこの前助けた少女らしい。 成長が早いのはそういう種族だから、だそうだ。
しかし少女の頃と見た目が違いすぎないだろうか? あの時助けた少女は、匂いで人じゃないと判断したが見た目は人間のそれと同じだったはずだ。
けれど今目の前にいる女性は一目で人間だとは言い難い。 耳のような器官はなく、その代わり頭部に鴉を想像させる黒い羽が生えている。 パタパタと羽ばたいている様子から紛れもない本物なのだろう。
耳のような器官に関しては髪で見えていないだけかもしれないが。
ヴィルネ
彼女の目の前にコトリとマグカップを置く。すると彼女はニコリと微笑み「ありがとうございます。」と感謝を述べた。
ヴィルネ
ラトカ
ラトカ
ラトカ
人の街に来てから何度か聞いたことのある話だ。 幼い鴉を助けたら、その後成鳥になった鴉が恩返しに来る。逆もまた然りだとか。
ラトカ
ラトカ
ラトカ
ヴィルネ
ラトカ
恩返しをしたいという理由は理解できた。ボクもそう思ったことが何度もあるから。
しかし何故わざわざうちに来てメイドになろうとしているのだ?
ヴィルネ
ヴィルネ
ラトカ
ラトカ
ヴィルネ
ラトカ
ラトカ
彼女の言っていることは正しい。 確かにボクはきっと「お礼をしたい」と言われても何も受け取らないだろう。 お金とかは特に。
しかし何故そんなことに気がついたのだろうか?ボクはあの時から今まで一度も会ってないはずだ。 わかるはずもない。
知り合いに聞いたか?いや、ボクのそういう面を知っている知り合いが見知らぬ相手にペラペラ話すわけがない。
じゃあなんで?
ラトカ
ヴィルネ
ボクは、大人になってから、あまり感情を顔に出すことは少なくなった。
同僚からも『何を考えているか分からない』と言われるくらいには。
ラトカ
ヴィルネ
ラトカ
その言葉を聞いた瞬間、ゾクリとした感覚が体自由に巡り、冷や汗が流れ出す。
彼女は、今自身が発言した言葉になんの疑問も持たないのか相変わらずニコニコとしていた。
ヴィルネ
ラトカ
彼女は一度細い目を開け、またニコリと微笑んだ。
…これ以上、その事を追求するのはやめた方がいいかもしれない。 ボクの心的に。
ラトカ
ヴィルネ
ラトカ
ラトカ
ラトカ
ヴィルネ
ラトカ
ヴィルネ
彼女からの敵意は感じない、嘘をついている様子もない。 1度だけ、信用してみよう。
本当に1度だけだ。
あの日から彼女とボクの生活は始まった。
初めは家にいる時でも仕事モードのまま過ごすような感じでしんどかったが、徐々に慣れてきたのか、それは無くなった。
何事もなく平穏に時間が過ぎて行っているのだが、1つ問題がある。
ヴィルネ
そう、過ごしやす過ぎるのだ。
彼女は宣言通り、家事だけをこなして家を出る。 だからボクが帰宅する時には大抵もう居ない。
出会うとしたらボクの休みの日くらいだ。
そしてどこで知ったのか――まぁ十中八九観察だろうが――ボクの好物を作り置きしてくれている。
栄養バランスも考えられた食事が毎日用意されているため、最近体調がすこぶるいい。心的にもだ。
どうしたものか…。
そんなことを考えていると、買い物の手伝いとして横を歩いていた彼女がこちらをじっと見ていることに気がついた。
ヴィルネ
ラトカ
ヴィルネ
ラトカ
そういえばだが1つ、気になることがある。
ヴィルネ
ラトカ
ヴィルネ
ラトカ
ヴィルネ
ヴィルネ
最近、過ごしてきていつも気がかりだったこと。
メイドとしてはすぐに雇いたいくらいだ。それでも、この疑問があるから易々と許可を出せない。
ラトカ
ヴィルネ
ラトカ
ラトカ
ラトカ
ヴィルネ
ボクも似たようなものだったな。
ラトカ
ラトカ
ラトカ
少し前にも言った通り、弱者や異常者はその世界では生きていけない。 そういう運命にある。
ラトカ
そういう彼女の表情はどこか凪いていた。
ヴィルネ
ラトカ
ヴィルネ
ラトカ
そういうと彼女はニコリと笑みを作る。
…正直に言うと、ボクの夢を叶えるには人手が必要だ。 彼女は十分な程に役に立ってくれるだろう。
ラトカ
ラトカ
ヴィルネ
ラトカ
ラトカ
彼女はあまり人間に興味は無いのか、そういう発言を外で普通にする。買い物に付き添うようになった原因だ。
ヴィルネ
ラトカ
ヴィルネ
ヴィルネ
ヴィルネ
ヴィルネ
ラトカ
家に帰り、せっかく話すならとコーヒーを用意する。
家には少し前に買っていたカスタードプリンがある。 コーヒーと一緒に出しながら話をしよう。
ヴィルネ
ラトカ
ヴィルネ
ヴィルネ
ヴィルネ