シロ
シロ
シロ
俺の彼女は目が見えない
幼い頃のから、少しずつ見えなくなっていき今では、光しかとらえられないそうだ
このお話は、そんな彼と僕が幸せを掴むまでの物語である
カーテンの隙間から漏れた光が重たい瞼をこじ開ける
リンリンとなるアラームをとめ、俺はあくびをした
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隣で寝る彼女を起こす
彼女の瞼が上がり真っ黒な瞳が現れる
その瞳は真っ直ぐ俺を見つめているようで、どこか暗く、遠くを見ていた
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彼は寝起きが本当に悪く、毎日俺が起こしてもご飯を寝ながら食べている
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さっきまでグダグダしていた彼の瞳が輝き始める
ニコニコと楽しそうに準備を始める彼
彼は目が見えていないのにも関わらず、ほぼ一人で自分のことをこなしてしまう。
小さい頃からの慣れなのかよくわからないがすごい
忙しそうにパタパタと走り回りながら準備する彼を見て、俺の口に笑みが溢れた
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俺は目が見えていない
しかし、耳や鼻などの他の感覚は他の人よりずっと鋭いので、人が多いことくらい分かる
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結局かなり長い時間遊んでいたからか、帰り道はすごく暗かった
隣の君からする匂いは、新しい香水の匂いが付いていてすごく新鮮だ。 でもその中に彼そのものの匂いもあって、すごく落ち着く
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こういう会話を彼としているとき、俺はいつも、もし俺の目が見えたらと考えてしまう
俺は彼の顔を知らない
知っているのは、俺より少し背が高いのと細いのにハグした時の包容力があってすごく暖かくて、あといい匂いがすることくらいだ
もし俺の目が見えたら、君はどれだけ幸せだったのだろう
きっとまろは我慢してる
まろは俺の目を悪く言わないし、見えたら良かったのになんて絶対に言わない。けど、きっと内心は我慢しているはずだ
こんな俺じゃなくて、もっと可愛いこと付き合えばいいのになあ
こんなこと言ったらまろ絶対怒るだろうな
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少し前を歩いていた彼の足音がやむ
きっと今こちらを見てニコニコしているのだろう
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俺は照れて少し素っ気なく返事をする
その時、目の前で大きな音がしてあたりの匂いが煙臭くなった
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返事がない
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嫌な予感がして胸がキュッと痛くなる
次第に煙の匂いが強くなり始め知らない男の声が聞こえる
男
男
俺は何が起こったか全く理解が出来ないまま、サイレンを鳴らした車に乗り病院へ向かった
あの音は、車が突っ込んでくる音だったのだろうか
あの匂いは壊れた車から出た、煙の匂いだろうか
あの男の声は、突っ込んできた車の運転手だろうか
膨らむ想像の辻褄が、どんどんあっていく度に体の震えが止まらなくなる
ああ、神様 お願いします
どうか、どうか! 彼の命だけは
今の俺の想像が嘘であることを必死に願いながら俺はまろを連れどこかに消えた医者を待ち続けた
あれからどれだけ時間が経っただろう
なんの光もない真っ暗な世界で俺はただ待ち続けた
愛する人の無事を願い、待ち続けていると複数の足音が聞こえてきた
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俺は、立ち上がりその足音の方へ体を向ける
しかし、そこからはまろの匂いは一切しなかった
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医者
医者
医者
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医者
医者
ま、、まろが、死んだ?
即死? なんで、その少し前まで仲良く話してたし、楽しそうにしてたはずだ
あんな一瞬で、かれが、、、しんだ、、??
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震える声で尋ねる
医者
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俺はその場に崩れ落ち、全く光が灯らない瞳が濡れていくのを感じた
久しぶりに流した涙は、冷たくて、溢れ出す度にまろとの思い出を流してしまうようで、恐怖だけが残っていた
そこから俺はどうやって家に帰ってきたのだろうか
今は何月何日で、まろが死んでからどれほどたったのだろうか
分からない
ただ、泣き続けて
お腹なんて全く空かなくて、空いても食べる気がしなくて
俺は日に日に自分がやつれていくのが何となくわかっていた
人は1週間ものを食べないと死ぬらしい
だが俺はしぶとく生き続けていた
水もたまにしか飲まず、ただ自分の力がなくなって行くのを感じながら、ベットの上で泣き続けていた
泣きすぎて腫れた目、潰れた喉 何日も風呂に入らず傷んだ髪
いつもなら気にすることが今は全く気にならない
今は動けない
きっと俺はこのまま餓死する
それでいいんだ
それがいいんだ
あぁ、神様
俺を殺してくれ
それで、俺に彼の顔を見させてくれ
頼む
俺はずっとずっと不安だった
目が見えないせいで彼に無理をさせてる
俺はなににも気づかずただダラダラと生きていたが、彼はどうだ?
自分を見ているようで、見ていない
そんな彼女を持って、果たして幸せだったと言えるのか?
あぁ、神よ 俺を殺してもいい 殺してもいいから、彼に
彼に合わせてくれ
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気がつくと俺は長い階段の一番下で寝ていた
上に高く高く伸びる階段を見上げる
階段が長く続く上とは反対に、下は崖のような作りになっていた
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見えるようになった目に感動して、俺は勢いよく立ち上がる
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俺は子供のようにはしゃぎながら階段を登り始めた
長い階段の途中にはお年寄りが多く、ここが死後の国であることを物語っていた
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最後の1段を踏みしめ、今まで昇ってきた階段を振り返り見つめる
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その時、背中に何かが乗っかってくる感じがした
???
男
聞き馴染みのある声
嗅いだことのある、大好きな匂い
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体が硬直したように動かなくなり、後ろを振り返らないまま答える
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肩に乗っていた腕が解かれ、俺の腕を掴み自分の方へ向ける
グルっと回るように動いた俺の目には青髪で背が高い男性が映っていた
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ぼろぼろと溢れてくる涙はすごく熱くて
1人ベットの上で泣き続けていたときの涙は冷たく、俺をどんどん空っぽにしていたが、この涙は反対に俺の体をどんどんあっためていった
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今度は、目が見える分俺が彼を幸せにしよう
我慢させてばっかだったあの頃とは違う
やり直すんだ
君と
今度こそ
幸せになるために
君と目が会いながらするキスは少し気恥ずかしくてそれでいて、最高に甘かった
コメント
3件
いやっもう好きです(っ'-' )╮ =͟͟͞͞=͟͟͞͞♡
マイリス失礼します🙇♂️