淡嶋神社にて
スタ…スタ…スタ……
音子
……
音子
境内を散策してはいるものの
音子
あるのは大量の日本人形だけ……
音子
やはり俺は一生、素敵な女性とは巡り会えないのかなぁ
音子
なんかもう、馬鹿馬鹿しいや
音子
帰ろう……
音子
もうすぐ12時だし
音子
夜の
そう、呟いたときだった。
ガチャッ
音子
……え
音子
……落ちてる
音子
え、え、えっ
音子
うわっ、ちょ、うそでしょ
音子
めっちゃ二重キレイじゃん…
音子
唇も薄桃色で
音子
君すごく美人じゃないか…!
心なしか、その人形の頬が 赤らんだように見えた。
アリ…ガト…
音子
え?
ワタシ…「マツ」ト…イイマス…
マツ
ホメテクレテ…ウレシカッタ…
音子
あ、そうだ
マツ
エ…ドウサレマシタカ…?
音子は、リュックサックに 手を突っ込むと
いきなり取り出した
パンツを投げた。