テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
青
鼻子
青
鼻子
重い溜息を吐く青の後ろから 聞き慣れた声がした 青の様子に異変を感じ鼻子は 顔を覗き込み聞いた
青
鼻子
青
鼻子
鼻子
青
鼻子
モブ
青
鼻子
モブ
青
鼻子
モブ
桃くん達って事は丸田くん居んじゃん!! 何でくんだよぉお!! いや無理でしょ!!顔合わせるとかさぁッ!
青は顔を真っ青に染め、焦った様にトイレとは逆方向へと走っていく 鼻子はその様子を見ると チッと舌を鳴らした
モブ
桃
丸田
桃
丸田
桃
丸田
桃
丸田
桃の不思議そうな声に丸田は 考える様な素振りをした後
丸田
桃
丸田の口から苦笑気味に出た言葉に 桃は一瞬何を言ってるのか、と耳を疑った
丸田
桃
丸田
桃は眉を潜めたかと思うと急に丸田の胸倉をガッと掴んだ 丸田は少々焦った様にしながらもまるで挑発するかの様に笑った 桃自身、何故いきなりイラッときたのか理解が出来なかった ただ、どうしようも無く腹が立ったのだ
桃
丸田
桃
丸田
丸田は桃の苛立った背中を見送りながら はぁーあ、と溜息を零した
放課後、桃は1人不安そうな顔で靴入れに背中を預け立っていた チラッと壁掛けの時計を見た後廊下へと視線を移す
桃
青
鼻子
桃
待ち望んだ声に桃は寄りかかっていた背中を起き上がらせ声の方へ体を向けた
桃
青
桃
青
不安げな青の口から出た丸田、と言う名前に やはり何かされたのかと桃は焦る 青の肩を掴むと余裕無さげにキュッと眉を寄せ心配の言葉をかけた
鼻子
桃
鼻子の怒った様な声に 八ッとして咄嗟に肩から手を離す 青は訳が分からないと 言うように目をぱちぱちしていた 鼻子に視線を移すと 怒りを露にした様子でこちらを見ている
青
桃
青
桃は眉を寄せ目を伏せた 自分は何か勘違いしていたのか… そもそも丸田と 何かあった訳じゃ無いんじゃないか、と
自分が恥ずかしくなった、 ただ勝手に焦って 青に嫌われたんじゃないか… スっと青達に背中を向けると桃は校門の方へ と走っていく
青
鼻子
青
いきなり走って行った桃を 追いかけようと青は玄関の扉を出ようとする が、グイッと腕を引かれ後ろを見ると鼻子が切羽詰まった顔でこちらを見ていた
青の腕を掴む両手はフルフルと震え 顔を伏せると綺麗な髪が はらりと落ち目元に影を作る 彼女はもう一度小さな声で 行かないで… と呟いた
青
鼻子のこんな姿僕初めて見た… どうしたらいい…、桃くんは 大丈夫なのか…? だって、あんな、泣きそうな顔…ッ いつも落ち着いてて、普段はキリッとした目がすげぇカッコよくて、でも笑うとめっちゃ可愛くて そんな桃くんがあんな 余裕無さげな顔してさ… ダメだ、なんか、僕桃くん放置できない…、 僕は…、
鼻子
青
今にも泣き崩れてしまいそうな鼻子 未だに震える2つの手を青はソッと、 優しく包んだ後 ゆっくりと自分の腕から外した
鼻子
青
鼻子
バッと頭をあげた鼻子の顔面は 涙で濡れていて それは青も見た事が無いほどに か弱い、
普段気の強い彼女、周りに何を言われても、 何をされても平気そうに、泣く方が馬鹿みたいだ、と笑っていた彼女
それなのに今、子供のように何で、私の方が、と泣きじゃくる彼女 どれだけ青に想いを寄せていたのだろう きっとずっと昔から 青一筋だったのかもしれない
青
鼻子
青
鼻子は上げていた顔を再び伏せる その手には拳がギュッと握られていた 青はもう一度、ごめん、と謝ると ダッと玄関から走って行った
鼻子
鼻子は力が抜けたかの様にペタン と地面に座り込んだ 嗚咽と共に溢れ出る青への好きを 鼻子は痛む胸元をギュッと掴みながら もう…我慢出来ない、と
何が何でも、青を自分のモノにすると もう誰の姿もない扉の先を静かに睨んだ
青
桃が学校を出てから そこまで時間は経ってない筈だ だが、そう簡単には見当たらない 心当たりのある場所は無いかと考える
…僕、桃くんの事、 全然知らないじゃんか…ッ 住んでる家は愚か桃くんの行きそうな場所すらわかんねぇ…
青
青
でも、やっぱり諦めて帰るとか、出来ない… どうしても会いたい、 会ってどうする…? さっきの桃くんは僕を心配してるみたいだったよな… とりあえず抱き締めて大丈夫だよって、、
青
ポツッ…ポツッ…
青
ザァー…
青
突然太い針金の様な雨が降り 地面と服の色を暗くしていく 傘を持たない青は焦った様に頭にバッグを 乗せると、屋根付きの場所へと走っていく
青
青は空から叩き付けるように 断続して降り続ける雨を見ながら ぼーっと考える
もし自分がこの雨だったら きっと桃くんをすぐに見つけられるのに、と
僕は雨が嫌いだ、ジメジメするし 気分だって下がるし、人に嫌われるし…
だけど、今は、そんな雨が羨ましい 雨になれば、桃くんを ギュッと包み込んであげられるから…
青
青は空から視線を外すと、当たりをクルリと見渡す すると、道の奥から人影が見えた
青
青はすぐさま彼の所へ走ろうと 1歩踏み出して 止めた
青
桃
とめたんじゃない、 それ以降踏み出せなかった 針のように降り注ぐ雨の中 彼がふ、と空を眺めた その姿があまりにも
綺麗だったから…
彼を包み込む様に降る雨が その頬を伝う その姿は儚くて 泣いているように 見えた