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桃
あー…焦った挙句つい逃げて来ちまった… 次からどう顔合わせよ… 何あんな焦ってんだよ…馬鹿みてぇ…
桃
暗くなる気持ちをどうにかしたい、と 桃は顔を上げる だが目いっぱいに広がる空は 今にも雨が降りそうだ
桃
家に帰ったって1人だしなぁ… 1人って、こんな寂しいもんだっけか…? 人肌恋しいってやつ?
桃
もう一度桃は空を見上げた
ポツッ…ポツッ…
桃
ザァー……
雨を防ぐものはカバンしか無い だが桃はカバンを持つことをしなかった
自分を包むように降る優しい雨に 桃は微笑んだ
ス、と手のひらを上に向ければその雫を 受け止めるようにその手を前へ出した
桃
ふ、と桃は上を見上げる
桃
優しく降る雨は まるで空が泣いたあとの涙みたいで
またそれは、桃の気持ちを現したようで…
桃
桃は広げた手のひらを上へ上げると ギュッ、と握り締めた
お前の事好きになっちゃったみたいだ…
もし、出来るのであれば 綺麗に、儚く、涙を流す彼を 僕の手で抱きしめさせて欲しい…
青
もし叶うなのであれば 可愛くて、愛しくて、仕方ない彼を 俺にください…
桃